あま拓スレモニタリング。バレンタイン編。
モテパニ作者これはある存在によって可視化された可能性。あま拓スレの中心人物、品田拓海があるシチュエーションに巻き込まれた時の様子を見守るのだ。
今回のシチュエーションは…バレンタインの拓海とプリキュア達のシチュエーションだ。
さあその様子を見ていこう。
『その1ゆいの場合』
ゆい「拓海〜はい、バレンタインチョコ」
拓海「ありがとうゆい」
2月14日バレンタインデー、この日拓海はゆいからチョコをもらう。
意中の相手からのチョコは本来ならドキドキものだが、この二人にとってはそうではない。
拓海「ほい、じゃあこれは俺からな」
ゆい「ありがとー拓海〜」
拓海からもゆいにピンクのリボンが巻かれたチョコの包みが渡された。
拓海とゆいにとってバレンタインは渡す渡さないにドキドキするものではない。
お互いが当たり前に渡し合うものなのだ。
ゆい「じゃあ一緒にたべよ♪」
拓海「ああ」
そのまま二人はお互いのチョコを堪能するのだった。
『その2あまねの場合』
あまね「バレンタインだな品田ぁ!」
拓海「(相変わらずのテンションだな)」
あまね「ではこれが私からのチョコだ、スイーツ店の娘として自信作だぞ。バレンタインのお返しは三倍返しが相場らしいな!一月後が楽しみだな品田ぁ!」
拓海「そうかい、じゃあ俺も楽しみにしとくよ」
あまねがチョコを渡すとそれと入れ替わるように拓海から金色のリボンが巻かれたチョコの包みが手に納められた。
あまね「な、なんだこれは…」
拓海「バレンタインチョコだよ。俺にとってバレンタインは貰うイベントじゃなくて渡し合うイベントだからな。別にそれでチャラってわけじゃない、お返しも渡すよ。ただし、俺も菓彩からの三倍返し楽しみにしとくからな」
意地悪そうな顔でそう言う拓海。
思わぬ反撃をくらったあまねは…
あまね「(きみは!本当に!)」
ずるい。
無性にそう言いたかった。
『その3ここねの場合』
ここね「拓海先輩、バレンタインチョコをどうぞ」
拓海「ありがとうな芙羽。じゃあこれは俺から」
ここねが拓海にチョコを渡すと入れ替わりで青色のリボンで巻かれたチョコの包みを渡される。
ここね「ありがとうございます」
ここねはそれを疑問も浮かべず素直に受け取った。
拓海「やけに素直だな。他のやつはもうちょい驚いてたのに」
ここね「ゆいと拓海先輩の関係をよく知ってるから想像できるのかもしれませんね。それに…」
ここねは少しだけ妖しい顔で…
ここね「わたしも拓海先輩からなにかしてもらうの慣れてますから」
拓海「…はは、そうか」
ピーマン料理の件、オークションの日のデート。
なんだかんだで拓海からいろいろしてもらっていたここね。
だからこそ通じることもあった。
『その4らんの場合』
らん「お兄ちゃん!ハッピーバレンタイ〜ン!」
拓海「ありがとな、らん」
らんからチョコを受け取る拓海。
そしてそれを返すように拓海から黄色のリボンが巻かれたチョコの包みを渡された。
拓海「じゃあ俺からも」
らん「はにゃ!?お兄ちゃんからも!?」
拓海「別に男が渡しちゃダメって事は無いだろ?」
らん「なるほど!たよーせー」
拓海「まあそういう事だ。それじゃ」
らん「ちょい待ち!」
チョコの受け渡しが済んだので他の子のところに行こうとする拓海をらんは引き留めた。
拓海「なんだよ、俺他にも呼ばれてるんだけど」
らん「らんらん知ってるんだよ。最近お兄ちゃん新しい妹を作ったって!」
おそらくみなみのことだろう。
いちおう周りには内緒とはいかないまでもあまり明かしていないのだが、なんとなく察されているようだ。
らん「最近はエミーやなっちもそれっぽいし!挙げ句の果てお姉ちゃんまで!」
拓海「人聞きが悪いな、俺が自分から姉妹を増やしてるみたいに」
らん「お兄ちゃんの意識の問題じゃないの!このままじゃらんらんのアイデンティティがピンチだよ!」
拓海「いやまあ、らんには他にも個性あるだろ?インフルエンサーとか」
らん「インフルエンサーって同業の人ならともかく普通のお友達への付き合い方に活かせる?」
拓海「………えーっと、発明家とか?」
らん「話逸らした!?発明だってらんらんあんまり活かせてないよ!この前の誕生日だってさややんの前座だったし!」
拓海「そんなこと…」
らん「じゃあこないだのプレゼントらんらんとさややんのどっちが活用できてる?」
拓海「……………」
らん「ほらー!」
らんの発明はすごかった、すごかったが、すごいけど実用性の低い物よりほどほどでもはっきりした使い道がある方が使われるものだった。
らん「こうなったららんらんも他の魅力でアピールするしかない!」
拓海「他の魅力ってなにでいくんだ?」
らん「………」
拓海「ノープランかよ」
らん「あ、愛らしさ?」
拓海「…いちおう聞くけどそれでいくのか?」
らん「………我ながらちょっと自信ない」
まあ…周りの少女たちにそちらの土台で挑むのは無謀とは言わないまでも厳しいだろう。
『その5ソラの場合』
ソラ「拓海さん!今日はタレンバインの日です!」
拓海「お、やっぱりスカイランドにも似たイベントがあるのか」
ソラ「はい!…あの、ですがすいません。こちらのバレンタインは今日知ったのでチョコレートは用意できてないんです…」
タイミングも悪かった。
ソラはアンダーグ帝国との戦いを終えて少し経った後スカイランドに戻ったので今日までバレンタインを知る機会が無かった。
拓海「いいって、こういうのは気持ちだからな。だからこれは俺からの気持ちだ」
そう言って拓海は空色のリボンが巻かれたチョコの包みをソラへ渡す。
ソラ「た、拓海さんの気持ち///ありがとうございます!ではこちらも!」
そうしてソラが取り出したのは。
ソラ「私の手作りのヒーローメダルです!拓海さん、付けてくれますか?」
拓海「ああもちろん」
拓海はソラから受け取ったメダルを付ける。
拓海「どうだ?」
ソラ「はい!ヒーローです!」
なんの混じりっ気も無い笑顔でソラはそう言う。
拓海「ところでタレンバインってどんな行事なんだ?」
ソラ「…大切な人に心を込めた物を送る日です!」
〜〜〜
所変わって青の護衛隊の基地。
ベリィベリー「隊長、今日ソラはいないのですか?」
シャララ「ああ、あちらの世界にタレンバインの贈り物をしに行ったようだ」
ベリィベリー「た、タレンバイン!?あれは自分のパートナーに心を込めた贈り物をするものでしょう!?」
シャララ「ふふっ、ソラは本気なようだな」
『その6のどかの場合』
のどか「はい拓海くん、バレンタインチョコをどうぞ」
拓海「ありがとな花寺。それじゃこれは俺から」
のどかから渡されたチョコと入れ替わりで拓海はのどかへピンクのリボンが巻かれたチョコの包みを渡した。
のどか「ふわ!?拓海くんからも?」
拓海「俺は昔から渡すのもやってるからな」
のどか「ありがと〜」
のどかはチョコを受け取る。
嬉しくてまじまじと包みを見ると、ある違和感に気づく。
のどか「これ、ひょっとして一人一人リボンの色違うの?」
拓海「おお、よく気づいたな」
のどかがそれに気づいた理由、包みに巻かれているリボンのピンクが少し淡く見えたことだ。
のどかにはさすがになんの系統のピンクかは判別できないが、原色でないのはわかった。
ちなみにのどかのチョコに巻かれたリボンの色はクリーミーピンク。
ピンクにクリーム色が混ざった優しい色でのどかに似合っていた。
拓海「さすがにチョコを人数分種類分けるのは無理だったから、せめて何か変えたくてさ」
のどか「ふふ」
こんなところだ、彼のいいところ。
どれだけ多くの相手と接していても可能な限り向き合おうとしてくれる。
それに少し焦ることもあるが、その優しさが愛おしい。
のどか「好きだなぁ…」
拓海「ん?なにか言ったか?」
のどか「ふわ!?な、なんでもないよ!」
それについ本音が溢れてしまった。
『その7さあやの場合』
さあや「拓海、はいバレンタインチョコ」
拓海「ありがとな薬師寺。それじゃ俺からも」
さあやからチョコを受け取ると、拓海は交換で濃い青色のリボンが巻かれたチョコの包みを渡した。
さあや「私は瑠璃色なんだね」
拓海「(なんか普通にリボンの色のことバレてるな。別にいいけど)」
拓海からもらったチョコの包み、それに巻かれたリボンを見て少し吹き出してしまうさあや。
拓海「どうかしたか?」
さあや「ううん、このリボンの色見てると少し思い出しちゃって」
何故か彼に会えない親友を、かつて自分がマウンテンブルーバード和名ムジルリツグミに似てると言ったことを。
『その8みらいの場合』
みらい「拓海くん!ハッピーバレンタイーン!」
拓海「朝比奈、一人なのか?」
みらい「うん、リコが来たく無かったみたいで仲間外れにするのもなんだったからわたしが代表で来たの。というわけで、わたしとリコとはーちゃんとモフルンから!」
拓海「ありがとな。じゃあ俺からも、朝比奈からみんなに渡しといてくれ」
みらい「!」
みらいは渡された物に驚いた。
渡されたのは他のみんなと同様にチョコレート。
今日拓海からお菓子を受け取ることになったのにも驚いたが、それ以上に驚いたのが拓海がみらい同様包みを四つ渡したこと。
みらいたちにとってモフルンは大切な友達で家族、それは当たり前だ。
しかしそれが他人にとって当たり前で無いのはさすがに理解している。
だから今回そのことをそれとなく示したが、こうして示す前から理解されていた。
同じ包み四つ渡されただけならただ余分を渡されただけだろうが、その考えは巻かれたリボンが否定する。
ピンクと紫が混ざったその色は秋桜色、それが二つ、おそらく自分とリコ。
そして明るめの緑、若葉色、これははーちゃんだろう。
最後に鮮やかな黄色、蒲公英色、モフルンを想起させる色だった。
みらい「えへへっ♪」
みらいはそれが妙に嬉しかった。
『その9れいかの場合』
れいかは迷っていた。
今日この日バレンタインにてある相手にチョコを贈るべきか否かを。
ある相手、品田拓海。
彼にはすでに想い人がいてその想い人からも憎からず想われている。
普通に考えれば割り込む隙などないのに彼に懸想する女性は多い。
認めたくは無いがれいかもその一人であろう。
そんな気持ちを抱えたまま彼にチョコを渡すなど言語道断、なのにずっと迷っていた。
友人に相談したところ…
えりか「いや悩むくらいなら渡せばいいじゃん。チョコ渡す=告白じゃないんだし。あたしもあげるつもりだけどそんな気全然ないよ?ま、あげないんならあたしがもらってあげるけど?」
と、前向きな意見をもらう。
だかられいかは一つ賭けをすることにした。
バレンタインの日れいかはおいしーなタウンへ赴いた。
しかし彼と約束はしていない。
この日偶然会えたならチョコを渡す。
会えなかったなら大人しく帰り相談に乗ってくれたえりかにチョコを渡す。
そんな賭け、しかし拓海に会えるかは分の悪い賭けだろう。
彼は今日いろいろな女性と会っている。
そんな彼と街を歩いているだけで偶然会うなど…
拓海「お?青木か?」
れいか「!?」
そんな予想を裏切り拓海とあっさり出会えた。
れいか「な、何故こんなところに…?」
拓海「今日いろんなやつと会う約束してるから今移動中だ」
ぬかった。
会う約束は全員同じ場所では無い。
むしろ熱心な者は一対一で会いたいものなのを考えると街中で会う可能性は低くは無かったようだ。
下手にこの件に関わらなかったのが失敗だった。
れいか「あ、あの…」
だが過程がどうあれこうして会ったのだからチョコを渡さねば。
自分の決めたことが守れないようでは己の道に恥じる。
拓海「会えたんならちょうどよかった。ほい」
拓海が何かを取り出しれいかに渡す。それはチョコの入った包みだった。
れいか「な、何故!?」
拓海「別に男が渡しちゃいけないわけじゃないだろ?黄瀬あたりに預かってもらおうと思ってたが、会えてラッキーだったな」
会う約束をしていないれいかの分まで彼は…しかも会えたのをラッキーと…
れいかのチョコの包みに巻かれていたリボンの色は群青色。
その青は原色よりも深い色をしていた。
まるでどんどん深みにハマっていくれいかのように…
『その10ましろ(まし拓の場合)』
ましろ(まし拓)「拓♪ハッピーバレンタイーン♪プレゼントは、わ、た、し♪」
拓海「それおれの誕生日でもやっただろ」
ましろ(まし拓)「チッチッチ、わたしがなにも成長してないと思ったらだめだよ」
そう言ってましろはなにかを取り出す。
ましろ(まし拓)「じゃーん!チョコリップ!なんとチョコでできたリップクリームで食べてもいいんだよ」
拓海「いや…ケチつけるのは違うけどさ、そういうの貰っても…」
ましろ(まし拓)「ううんこれで完成じゃないよ、こうやって塗って」
ましろはチョコリップを自分の唇に塗る。
ましろ(まし拓)「はいどうぞ」
拓海「どうぞじゃないが?」
リップを塗った唇を差し出してきた。
ましろ(まし拓)「そんな事言わないで!リップが無くなるまでチュッチュし続けようよ!」
拓海「やらねーよ!」
このように一悶着あり、拓海はましろにチョコを渡しそびれてしまい後日贈るのだった。
『その11ダークドリームの場合』
ダークドリーム「ずいぶんたくさん用意したわねー」
バレンタイン当日の朝、拓海の部屋には大量のチョコが置かれていた。
拓海「それだけ人も多いからな。でも業務用のアレンジだから金も意外とそんなかかってない」
ダークドリーム「でも手間はすごいでしょうに。私はこんなには無理」
拓海「ダークドリームは誰にあげる気なんだ?」
ダークドリーム「あんとーましろとーゆいとーみなみ。あと陽佑にもあげとこうかな。それから当然のぞみ。というわけで私は今日のぞみのとこ行ってくるからこれましろに渡しといて」
拓海「お、それなら俺からの分も夢原に渡しといてくれ」
ダークドリーム「わかったー。あとそれから…」
ダークドリームと拓海は同時に…
ダークドリーム「はい、これは私からあんたに」
拓海「おう、これは俺からお前に」
お互いにチョコを渡し合う。
ダークドリームの物にはダークピンクのリボンが、拓海の物には白黒のモノトーンのリボンが巻かれていた。
『その12カイゼリンの場合』
ここはアンダーグ帝国。
その日カイゼリンは部下の一人の様子が気になった。
カバトン「チョコウメェェェ!」
カイゼリン「カバトン、今日はやけにその菓子に夢中だな」
カバトン「ああ、カイゼリン様。今日はバレンタインだからチョコ食ってんのねん」
カイゼリン「バレンタイン?スカイランドのタレンバインとは違うのか?」
カバトン「似たようなもんなのねん。女が好きな男にチョコを渡すってイベントですのねん」
カイゼリン「…貴様のそれも女子から貰ったのか?」
カバトン「いんや俺のは普通に買いましたのねん。バレンタインでうめーチョコがたくさん売ってたもんで」
カイゼリン「そうか、まあいずれにしても私には関係なさそうだな」
恋だ愛だが下らないとは言わない。
だが、いやだからこそカイゼリンは無縁でいたい。
数百年愛していた相手から裏切られたカイゼリンにはそういった甘いイベント眩しすぎて…
カバトン「まあ好きな相手じゃなくても友達とか家族に贈ってもいいらしいけどねん」
カイゼリン「それを早く言わんかバカものぉ!」
カバトン「ヒィッ!コエェェェ!」
愛する人ではなく家族や友人相手でもいいなら話は別だ。
新しくできた友や家族に是非とも贈り物をしたい。
しかし。
カイゼリン「私には…そのチョコとやらを手に入れる手段が、無い…」
数百年単位の箱入り娘には先立つ物が無かった。
カバトン「あのーカイゼリン様?俺のを使うのねん?」
〜〜〜
拓海「いてっ」
拓海が予定を終わらせて家にいると、突然頭上からなにか落ちてきた。
落ちてきたそれはチョコの入った箱だった。
しかもその箱には読めない文字が書かれたカードも。
拓海「姉さんか」
その文字は読めないが見覚えはあった。
以前クリスマスのあたりカイゼリンからプレゼントを貰った時の文字に似ている。
拓海「直接渡してくれればいいのに、俺はどうやって渡そうか」
拓海は残っているマルーンのリボンが巻かれたチョコの包みを持って悩んでいた。
〜〜〜
いかがだっただろうか?
見れなかった者もいるようだが、今回はこれで充分だろう。
またここに繋がる事ができればその時も案内しよう
『おまけ』
カバトン「はぁ〜、カイゼリン様に譲ったら俺のチョコ無くなっちゃったのねん」
カイゼリンのために自分のチョコを譲ったカバトン。
予算の限り買っていたのでもう買う金が無く、なんとなくおいし〜なタウンに来ていた。
あわよくば試食などをやっていないかと期待していたが、当日となればもうそういうのは引き払っているようだ。
仕方ないから帰るかと思っていると…
はな「よーし!今日こそ拓海くんに会ってみせるよー!」
ルールー「さあやはもう渡したそうです。私たちも急ぎましょう」
元気な女の子と大人な雰囲気の女の子が目に映る。
カバトンは何故だかその二人が妙に気になった。
すると。
通行人「うわー!リードが千切れた大型犬が暴走してるぞー!」
通行人「しかも女の子に一直線だー!」
はな「えっ?あ"あ"あ"あ"めちょっくー!」
ルールー「はなー!」
突然現れた大型犬にはなが攫われてしまう。
あまりに突然すぎてルールーですら対処できなかった。
そんな中動く者が一人、カバトンだ。
カバトンは大型犬の目の前に立ちはだかる。
カバトンが目の前に立つと先程まで暴れていた大型犬はカバトンに怯む。
カバトン「どっちがツエーかくらいわかるのねん?」
カバトンのその問いが通じたのか、大型犬ははなを離して身を伏せた。
そして飼い主だろう人物が大型犬を捕まえる。
はな「いたた、あ、ありがとうございます!」
カバトン「別にいいのねん」
遅れてルールーがやってくる。
ルールー「はな、怪我はありませんか?」
はな「大丈夫大丈夫、体は噛まれてないから…あ!」
はなが自分の体を確認しているとある事に気づいた。
チョコが無くなっている、よく見たら道に落ちていた。
どうやら大型犬に引き摺られた時落としてしまったらしい。
そしてその勢いは強く、見事に砕けてしまっている。
はな「ギガめちょっく…」
ルールー「どうしますかはな?」
はな「今日は帰るよ…さすがにこれ持ってはじめましてはしたく無い…」
ルールー「(今日も、ですね)」
またしても拓海へ会う機会を失うはな。
いつものことだがへこむことはへこむ。
そんなはなに…
カバトン「おい、それもういらないのか?」
はな「え?あ、はい。後で自分で…」
カバトン「じゃあ礼代わりに貰うのねん」
はな「あっ」
カバトンは一方的にチョコを取り、包装を破いてバラバラになったチョコをまとめて口に放り込んだ。
カバトン「ウメェェェ!あげる予定だったやつには悪いけどラッキーだったのねん」
はな「あ、よかった」
カバトンの感想に暗くなっていたはなの顔が少し明るくなる。
渡す過程で失敗したが、チョコ自体は美味しいと言ってもらえたのは嬉しかった。
それに続くようにルールーが。
ルールー「改めてお礼を言わせてください。はなを助けていただいたのと、はなを慰めてくれて」
カバトン「助けたのはたまたま、チョコはいらなそうだったからもらっただけなのねん。まあ礼がしたいなら好きにすればいいのねん」
ルールー「そうですか、ではお礼にこちらを」
ルールーがお礼として渡した物、それはチョコだった。
カバトン「いいのか?お前のは大丈夫そうだぞ?」
ルールー「ええ、私は元々はなの付き添いでしたので。…それに、何故だかあなたの声を聞いているとなにか返したくなるのです」
カバトン「…よくわからんが、まあくれるならもらっとくのね〜ん」
カバトンは思わぬ報酬を片手に帰路につくのだった…
〜〜〜
その夜野乃家では今日あったことが話題になっていた。
すみれ「まあそんなことが」
はな「うん、めっちゃ驚いた」
ことり「最近お姉ちゃんドジだけじゃなくて運まで悪くなってきてるよね。さすがに心配だなー」
森太郎「まあ何はともあれはながなんともなくてよかったよ」
ルールー「………あ、思い出しました。はなを助けた人物は森太郎さんと声のパターンが一致しているのです」
はな「あ!確かに似てたかも!」
森太郎「?」←CV 間宮康弘
〜〜〜
拓海「いちおう野乃の分も用意しといたけどこれどうしようか?」
ダークドリーム「さあやに預けとけばよかったのに」