SS解説(随時更新)
元SS一覧
その①(ルッチ視点)
その②(ルッチ視点)
その③(ブルーノ視点)
その④(ブルーノ視点)
その⑤(ブルーノ視点)
《大まかな登場人物紹介と補足》
▽服部ヒョウ太(ロブ・ルッチ)
ワンピース学園の世界で生徒会長を務める中学二年生。ひょんなことから原作世界線に飛ばされてしまい、ガレーラカンパニーで雑用をしながら元の世界に帰る方法を探している。
原作時空は未だCP9が潜入中だが学園時空では既に麦わらと戦ったあと。『服部ヒョウ太』の仮面を積極的に活用したことにより原作ルッチたちのおおよその正体について把握している。面倒事に介入する気はさらさら無いが、情報収集も兼ねて一応手配書チェックは欠かさない。多分そろそろ一億ベリーの手配書が出る頃。
自分という存在がこの世界における異分子であることを承知しているため、徹頭徹尾ロブ・ルッチではなく服部ヒョウ太として過ごすことを心に決めている。他人を名前で呼ぼうとしないのは無意識の自己保身による線引き。
原作ルッチとやり方こそ違うものの、その本質はやはり徹底した秩序悪。この世界では準じるべき正義=校則が存在しないため鳴りを潜めているだけに過ぎない。
最近、潜入組にいないメンツの面倒をジャブラが見ているであろうことに気付いて内心密かに同情している。
▽ロブ・ルッチ
トンチキ腹話術野郎もといCP9の殺戮兵器。ある日突然ガレーラで雑用として雇われ働き始めたヒョウ太の正体に一目で気付いた。
へらへらとした態度がすべて演技であることもその下に己と変わらない本質が隠されていることも直感的に見抜いており、ヒョウ太の存在そのものが目障りで仕方がない。
ヒョウ太には表向き木挽の職長センパイと呼ばれている。
▽カク
今回多分一番びっくりさせられた最年少。ヒョウ太のことを人懐っこいけど何かとドジな憎めない後輩として可愛がっていた。
ヒョウ太のこれまでの言動が演技だったことに心底驚いたし、未だ聞かされた内容を飲み込みきれていない。が、なんだかんだ最終的にヒョウ太はヒョウ太と割り切ってこれまでと変わらず接することに落ち着くと思われる。良くも悪くも警戒するのは自分の役目でないことを理解している末っ子気質。
ヒョウ太には木工の職長センパイと呼ばれている。
▽ブルーノ
書き手の都合によりカクテル作りが趣味になった人。ヒョウ太のことはドジでお調子者なガレーラの新人ぐらいに認識していた。
終始威嚇気味なルッチや混乱しきりなカクを見て、自分がしっかりするべきだなとちょっと気を引き締めた潜入組最年長。ヒョウ太が自分たちとの間に壁を作っていることに気付き探りを入れるも、はっきりと拒絶されたことで何かを察し引き下がった。
服部ヒョウ太の仮面が作り物であることは理解しているが、良くも悪くも"子供"だと思っているためその裏に隠れたロブ・ルッチという本性までは見抜けていない。
ヒョウ太にはマスターと呼ばれている。
▽パウリー/アイスバーグさん
途方に暮れていたヒョウ太をたまたま拾った人と、事情を聞いてガレーラで面倒を見ることにした人。
察しの良いヒョウ太が上手くぼやかして伝えたため、ヒョウ太のことを誰一人知り合いのいない世界に突然放り込まれた不運な子供だと思っている。もちろんヒョウ太=ルッチであることにも気付いていない。
その他船大工たちの間では、どこかしらの島で学生をしていたのが運悪く遭難し流れ着いたらしいというようなふわっとした認識が広まっている。
ヒョウ太にはそれぞれ艤装の職長センパイ/社長サンと呼ばれ感謝されている。
《ざっくりとした作中登場カクテルまとめ》
▽アイスブレーカー
ブルーノが③でカクを落ち着かせるために出したカクテル。
テキーラベースにホワイトキュラソーを加えたフルーティなカクテル。グレナデンシロップによる鮮やかなオレンジ〜レッドの色味が特徴的。アルコール度数は20度前後。
カクテル言葉:『冷静になって』
▽スティンガー
ブルーノが③でルッチとハットリに出したカクテル。
ブランデーベースにミントリキュールを加えた甘口のカクテル。飲みやすい口当たりに反して度数が高いことがカクテル言葉の由来となっている。アルコール度数は36度前後。
カクテル言葉:『危険な香り』
▽アメール・ピコン・ハイボール
ブルーノが⑤でヒョウ太に提案したカクテル。
ビターリキュールのアメール・ピコンをベースとしたほろ苦いソーダ割りカクテル。"アメール"はフランス語で"苦味"を意味する。アルコール度数は6度前後。
カクテル言葉:『分かり合えたら』
▽ブルームーン
ヒョウ太が⑤でブルーノに意味深に返したカクテル。
ドライジンとバイオレットリキュールをベースとした甘くフルーティなカクテル。今回使用したものの他に、恋愛的に相反する二つのカクテル言葉を持つ。アルコール度数は26度前後。
カクテル言葉:『できない相談』
▽コロネーション/シャンディ・ガフ
⑤のブルーノとヒョウ太のやり取りで名前だけ出たカクテル。
それぞれドライシェリー&ドライベルモットとビールをベースとしており、味や度数などカクテルとしてはおおよそ正反対とも言える特徴を持っている。
カクテル言葉:『あなたを知りたい』/『無駄なこと』
▽コンクラーヴェ
ヒョウ太が⑤でブルーノにリクエストしたもの。
オレンジジュースベースのノンアルコールカクテル。単語としてのコンクラーヴェは『教皇選挙』を意味するが、何故そう呼ばれるに至ったのか、またカクテル言葉の由来も不明。
カクテル言葉:『鍵のかかった部屋』
▼以下コンクラーヴェに使用したフランボワーズ(木苺)シロップから派生したメタファーについて
ギリシア神話においてクリティ=クレタ島でイーデーという名のニュムペー(下級女神)が木苺を摘んだ際、棘で指を切ってしまったことでそれまで色を持たなかった木苺の実が赤く染まったという逸話がある。
この場合の赤に染まる前の神聖な"白い果実"はブルーノにとっての血を知らない子供(ヒョウ太)。血のように毒々しい赤い木苺とそのシロップは冷徹な生徒会長ロブ・ルッチ。そしてそれを溶かし込んで甘いカクテルの形をしているのが本性を隠し無害な子供の仮面を被る服部ヒョウ太。
【分水嶺】ぶんすい-れい〔名〕
分水界(雨水が異なる水系に分かれる場所)になっている山稜。転じて、物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。