幕間
ウルキオラ戦の後あたり「……?」
死神代行黒崎一護は、撫子が張った倒山晶の中、織姫の盾舜六花の光の下で宇宙を背負っている。もちろん実物の宇宙を背負っている訳ではなく、宇宙の真実のようなモノを垣間見たが故の放心によるものだ。今回の場合、それに値するのは金髪の友人の出生についてだ。
「おーい、戻って来ィ一護ー」
「????」
「……ダメみたいだね黒崎くん……」
「確かに僕も驚いたけど……ここまで放心するものか?」
「あー……多分、オカンと会うたことあるから尚更って感じやな……」
織姫に傷を治してもらい、撫子が霊圧の回復を担当する傍ら、「もう石田も織姫ちゃんも阿散井くんも知っとることやから」と切り出し、撫子は一護に自身の出生について簡潔に伝えた。
「単に藍染がアタシの血だけ繋がっとる父親やって言うただけなんやけど……」
その結果がこれである。
「……俺が撫子の姉だと思ってた真子が実際は母親で……?」
「あ、戻ってきた」
「父親が……………………藍染…………?」
「ヒッジョーに残念なことになァ」
「……???」
「また宇宙を見てるな……」
撫子は今伝えておいて心底良かったと思った。藍染相手にこうなっては、戦いにならないからだ。
「さて、どないしよかなあ……」
回道で霊圧の回復をしつつ、宇宙を背負わせてしまうような己の出生に溜息をついた。