クラスター「UTA」プロット

クラスター「UTA」プロット


パンクレコーズの試験的な運用が始まったのは、ごく最近である。ゆくゆくは一般人全てへの運用も目指し、科学者や裏社会を主として共有され、ユーザーは一定の選別と契約によって、増加し続けた。

ただ、様々な知識が集まったこのデータベースは、ひとつひとつのデータへのアクセス方法がかなり複雑であり、また、匿名化が契約事項として義務付けられていた。誰がどのように使っているか把握するのは、容易いことではない。

方法はあるようだ。パスワードを共有することによって実質的に完全な匿名状態を解除できるデータを生成したり、セキュリティシステムのハッキングで非公開のデータを閲覧し、最悪の場合は壊すことさえ出来る。

最も、後者においてはパンクレコーズを作成したベガパンク本人か、それに準ずる知識を持った人間くらいにしか出来ないので、いずれにしても簡単なことではないようだ。


かつてウタの元に流れついたSSG製電伝虫の所有権がパンクレコーズに渡ってしまったことは世界政府にとって誤算ではある。だが、今やデータベース内での複製、共有がいくらでも出来てしまうので、最早その拡散は止められず、ほぼ野放しの状態になっている。


世経の被害は甚大だった。大量の情報を仕入れていく中で従業員の相次ぐ死亡、慢性的な人手不足に陥っていた。

だが、当時の社長は取り憑かれたかのように、記事の発行を止めようとしなかった。そこで、死亡…能力が解除された状態で発見されたが、社長室に座っていたことで社長だと判別できたそうだ。

メモ用紙の発見当時、1枚目は床に落ちており、どうやら自らの手で投げたと見られる。2枚目は机上にあった。

世経社長は死亡したハッカーの最後の連絡を通じ、ウタの存在の真実の断片を手に取り、誇張を加えながら記事にしようとしていた。だが、その途中で干渉を受け、自死した。

大打撃を受けながらも後任の社長を据えたタイミングで、世界政府がウタに関する記事の発禁を新聞各社に命じた。

世経は減りすぎた従業員の補充のためにもウタに関係する記事はその後一切出さなくなり、他の新聞社も追随した。


SSGは、依然として海軍の管轄にあるが、職を辞することが政府から禁止された。パンクレコーズの詳細な情報を保持する人間の流出を防ぐためだろう。


SSG所員と所員に干渉した人間のやり取りだが、干渉者はコミュニティで言及された、失踪したSSGの所員と思想をリンクさせた「ウタ」であり「UTA」ではない。

「縺サ繧薙→縺ュ縺ゅj縺後→」

(文字化け復元→ほんとねありがと)

この後、所員は自殺を試みたが失敗した。重い精神障害を患い、エッグヘッド内の隔離病棟に搬送されたが、現在も治癒の見込みはない。他のSSG所員には「死亡した」と報告されている。

とされているが、所員の精神はUTAワールドに移行している。肉体のみが中途半端に抑留した状態である。


「ウタ」として記録した女性は、データベースを超えた自律的な行動をとることがあった。そのせいで思想の統合を不完全に終わらせてしまい、完全に肉体を消滅させられなかった事例は、SSG職員の他にいる。


シャンクス

ウタは父親と明確に認識しており、思想の統合に私的な恥ずかしさを感じた。

ルフィ

UTAは、ウタとして新時代を現実世界と言われる世界の側から創ると信じた。


















アプー

この作品には自作の原案が存在する。

https://telegra.ph/オルタナティヴララバイ-02-23

https://telegra.ph/包容してようこそ-02-26


ウタとアプーという音楽家同士の交流を書いた。

完成当時、ウタ周りの設定はしっかりと固まっておらず、あくまで精神世界において干渉し誘拐するだけのキャラクターとして位置付けてあった。


本編のアプーはパンクレコーズの登録者の一人である。ウタの情報を誰よりも多く調べていたがハッキングをしなかった。また、上のSSでやったことと同じ行為を此処でも行なっていた。

その結果、中途半端な干渉に個人的な怒りを抱いた「ウタ」は強制的にUTAワールドに引き込んだが、奇跡的に脱出する。

精神的な後遺症は全くと言っていいほど見られなかったが、新聞各社から情報提供を頼まれた際には、突然激しい怒号を上げて拒否し、電話を一方的に切った。

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