あぶない接続端子
誕生日おめでとうハレ!【一応注意!】
今回は結構…というか大分過激な描写が含まれています
それでも見るという方は、ハレの過激な“補習授業”をどうぞお楽しみ下さいませ
時間軸は拙作「脳内シュガーハック」の後ですが、「悪堕ち勇者に転職」とは別ルートで発生するイベントです
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ハレ「はぁ゛ぁぁァ…」
まさかこんな事が起こるなんて
最悪すぎる
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数週間前
私は警備室長の仕事に追われている中、僅かな時間を見つけて新型監視カメラとサーバーの開発案を練った
このカメラは、従来の監視カメラよりも映像を鮮明に撮る事ができる代物
さらに、人物の顔写真をインプットしたサーバーと接続すれば、その写真データにない人物の顔を認識して分かりやすいマークをつけて撮る事も可能だ
例えば…サーバーに私の顔写真データをインプットさせてカメラに映るとする
この場合、私の顔はサーバーの顔データ一覧にあるので、映像は鮮明な私の姿を映すだけで終わる
今度は、私と警備室員の生徒Aが映るとする
この場合、Aの顔はサーバーのデータ内に存在しないため、映像はAにマークをつけて表示される
これなら、顔のデータが無い者の素性を取り調べてアビドス外から来たスパイを炙り出すのにも貢献できるはず
まあ…アビドス中にいる全員の顔写真を撮るのは大変だろうし、これも正直そう上手くいくかどうかは分からないけど…無いよりはマシだと思う
仮にこれが成功したら、警備室の労力を大幅に減らすことができるはず
そしたら私も自由な時間が増やせるはず
アビドスMAX以外の砂糖は、誰かが差し入れてくれない限り味わえないし…あと風紀委員のハルナが監修した料理とかも食べてみたい…!
そういやヒナ様とハナコ様の親衛隊には栄養管理をしている部門もあったね
折角だからそれも食べたいな…なんて
そう思いながら、私は新型監視カメラの開発案を提出した
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案は無事に受理された
元ミレニアム生達が中心となり、兵器や機械の製作に長けた部署「製作室」が、試作品を何台か作ってくれた
というわけで早速試作品を試してみた
結果は…十全とはいかないまでも、中々手応えのある出来だった
勿論改良の余地は大いにある。でもこれは完成したらきっと成功するはず
機嫌が良くなった私は、製作室に頼んで10台ほど作って欲しいと依頼
製作室も良い笑顔で承諾した。このままなら新型監視カメラプロジェクトは軌道に乗って、完成も夢じゃない!
…はずだった
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依頼から一週間後…つまり昨日
製作室で使われていた部屋が何者かの手によって爆破された
作業している人のいない真夜中での爆破だったため、人的被害が皆無だった点は良かったと思うけど…
開発中だった兵器や機械は、全てが粉々になったか修復不可能なほど破壊されてしまった
更には、部屋に常備してあった工具類も紛失したり壊れたりしたそうで、製作室がまた製作を開始するには外部から工具を仕入れなければならないらしく、活動再開日は未定となった
製作部生徒「ってわけでさ…いやほんとにゴメン!折角完成品一号が出来たから明日にでも送ろうと思ってたんだけど…さ…うん」
ハレ「………いや、いい。大丈夫」
「なんか、心の底からゴメン」
「いいよ、謝らないで…」
そう…私の新型監視カメラは、当分開発出来なくなってしまった
しかも第一号が完成した日の夜に爆破で消え失せただなんて、最早私を嫌う何者かがタイミングよく犯行を行ったように感じてくるほどだ
仮に製作部が復帰したとしても、まずは最優先事項だった“サンモーハナストラ”等の重要な兵器が優先されるだろうね…
私がただでさえ少ない自由時間を用いて頭を捻り提出した案は、最早オシャカになったも同然
仕事の負担を減らすはずだったのに…
それが台無しになった
常時モニターと睨めっこする日々が延長されたような気がして──
「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁぁっ!!なんなのホントに!?ふざけんなぁッ!!!」
(ガシャーンッ!)
肩を落としながら戻った警備室にて
私は思わず声を荒げて机の上の空き缶やゴミをケーブルで薙ぎ払ってしまった
最近砂糖切れの頻度が激しくなっていてイラつきやすさが格段に上がってるのに
こんな最悪の出来事が起きたら、そりゃ誰でも荒れるよ
後輩モブ2人((ビクゥッ!))
ああ、また後輩を怖がらせちゃった
自分も嫌になってくる
最悪
最悪としか言いようがない
怒り以外の感情が湧かない
「はァ゛〜………チッ」
深いため息と舌打ちをしながら、机に肘をついて頭を抱える
こんな精神状態で警備なんか出来ないよ
もう本当に疲れた
アビドスMAXでも誤魔化しきれなさそう
ハナコ様に頼る?
いや、お手を煩わせたくない
そもそも心配させたくない
じゃあ誰に頼る?
誰にも頼れない
もうこうなったら…
この手で犯人を──
後輩A「あ、あの…ハレ先輩…」
「…何」
「い、今ハナコ様から、『風紀委員会が爆破事件の犯人を捕まえた…とハレ先輩に伝言してください』と…」
「…!」
私は警備室を飛び出した
憎っくき犯人をこの手で裁いてやる
絶対に許すもんか
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ハナコ「えっと…ハレちゃん?どうしたのですか?そんな必死の形相で…」
ハレ「ハナコ様…犯人を捕まえたって、本当…ですか?」
「はい。事情聴取はもう終えて、あちらの部屋で拘束中です」
「ハナコ様…!絶対に、絶対に殺さないと誓うので、私に犯人の“補習授業”を、やらせて下さいっ!」
「えぇっ!?…あ、えっとですね、ハレちゃん。それは別に構わないのですが…何故今回急に?」
「…私怨です」
「私怨?…もしかして、新型監視カメラの件でしょうか?」
「はい」
「…正直な話、その申し出は嬉しいですが、私は却下したいと思っています…」
やっぱりダメか
そりゃそうだ
今の私は攻撃的な雰囲気や怒りの感情をありのまま放出している
私にやらせたら危険だって、ハナコ様は当然分かってるよね
「ですが」
「?」
「私が立ち会うという条件付きならば、特別に許可しましょう♡」
「えっ…ほ、本当ですか!?」
「はい♡今回の犯人であるスパイの犯行はかなり悪質だと私とヒナさん、そしてホシノさんも判断しましたので…なんにせよ、私がキツめの補習授業を行う予定でした♡それにハレちゃんも補習授業の経験はありますから…ね?♡」
ハナコ様は素晴らしいお方だ
本来なら私の我儘なんて突っぱねて自分で補習授業するべきなのに
まさか受け入れてくれるなんて…
「さあ、始めましょうか♡」
「はい、ハナコ様」
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私だって流石に殺しはしたくはない
痛めつけはしたいけど…でもハナコ様は許してくれなさそうな気がする
あと、今回は私の身体から伸びるコードの内“人間用の特殊な接続端子”を試す
いざって時はハナコ様が止めてくれる。仕上げの砂糖漬け工程もハナコ様がやる予定だ
私達は部屋に入る
犯人は椅子に拘束されていた
犯人「…処刑でもしに来た?」
ハナコ「いいえ、貴女みたいな悪い子は“補習授業”するのがアビドスの規則ですので…♡」
「何それ?マジ意味分かんない。なんでこんなとこで授業なんか──」
(バキッ!)
「ゔっ…!?」
思わず手が出た
人を殴った事なんて初めてだ
…殴ってるこっちも手が痛い
「あら…ハレちゃん?あまり乱暴しすぎないようにしてくださいね?」
ハレ「…分かってます」
「チッ、痛いなぁ!つかあんたがハレ!?この裏切り者っ!恥とか知らないの!?同じミレニアム生としてあんたほど憎い奴はいないよ!」
コイツはミレニアムのスパイらしい
余計に苛立つ
「…だから何?」
「あんたなんか、エナドリの飲み過ぎで心臓破裂しちゃえば良かったんだ!つかなんなのそのぐちゃぐちゃなケーブルとコード!?マジ気持ち悪い!あんた人間じゃないよ!気色悪い怪物!砂漠の魔女と同類!さっさとくたばれっ!」
「はぁ…ギャーギャー喚くしかできない癖にウザいなぁ…!ハナコ様、少し痛めつけてもいい?」
「ハレちゃん」
「…分かりました。やめときます」
やっぱりダメか
しょうがない
大人しく“端子接続脳内責め”を始めるとしよう
「もうこれ以上騒がれてもイラつくだけだし…補習授業始めるよ」
私は一本のコードを犯人の目前に伸ばす
先端には当然接続端子がある
「うわっ!?近づけないでよっ!」
「いい?今からこれをお前の脳に刺す」
「…は?」
「まず、お前の五感を支配して徹底的に恐怖を植え付ける。次に、お前の記憶を全部覗いて、お前のミレニアムでの記憶を全てデリートする。でも大丈夫だよ。最後はハナコ様が砂糖を恵んでくれる…これでお前も、アビドスの仲間」
「──い、いやだ…なにそれ…!やだっ!そんなのやだぁっ!誰かっ!誰でもいいから助けてぇっ!!」
身動き取れないままジタバタ暴れる
はぁ…コイツずーっとうるさいね
「もう諦めなよ。お前は重い罪を犯したんだから…罰は当然でしょ?」
「私は後ろで見守っていますね♡」
ハナコ様は後ろの椅子に座った
見守られているだけでやる気が湧く
期待に応えられる補習授業にしなきゃ
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暴れてて頭が左右に動くから狙いがつけにくい
ハレ「動かないで」
他のコードを犯人の上半身に巻きつけ、強く締め上げる
犯人「ぅ゛、あ゛ぁぁ…!この、気狂いめぇ…!あんた達なんかっ、全員死ねばいいんだ…!」
「…」
もう下手に反応するのはやめた
「はい、刺すよ」
端子を脳天に刺した
「い゛っ…!?いやぁ゛っ!うそっ!?頭に、刺さって…!」
「脳内ハック開始」
私は目を閉じる
すると私の頭の中で、こいつの脳内が3Dモデルのように浮かび上がる
「さあ、思いっきりかきまわしてみようか?」
まずは視覚をハック
こいつの視界に、絶え間なく情報を流し込み続けてやる
まるで幻覚を見るかのように様々な情報を見させられる恐怖
私には分からないけど、多分とても怖いんだろうな
「うわあ゛あああぁぁぁっ!なにこれ!なんなのこれぇっ!?いやああぁぁっ!もうみたくないいいぃぃぃぃ!」
目を閉じながら叫んでいる
そんな事したところで、“視界そのもの”が支配されているんだから見続ける事に変わりはない
過激な画像や動画より、言葉にも形容もできない“情報”を強制的に見させられる方がきっと堪えるはずだ
人間は未知を恐れるものだから
次に聴覚をハック
やる事は単純
聞き取れる音の感度を爆上げする
つまり今のコイツは、音量100の音が170くらいに聞こえるようになってる状態
だから私の声は勿論、自分の絶叫は超絶ボリュームの爆音に聞こえるだろう
「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁっ!?うるさ、あ゛ぁ゛ぁぁぁっ!?うるさいうるさいうるさいうるさい゛ぃ゛ぃぃぃっ!」
「うるさいなら叫ばなきゃいいのに」
そう冷ややかに告げる
この声も聞こえてるのかな?
最後は触覚
味覚と嗅覚はいいや
五感じゃなくて三感だったね
今回は感度を上げるだけでなく、全ての触覚を“虫が這いずる感覚”に近いものにしてやった
服が肌を擦る感覚も
縄に縛られてる感覚も
風が当たる感覚も
全部虫が肌を這いずるような不快な感覚に変換される
自分でやっておいてなんだけど、これは本当に最悪だろうね
「ひぃ゛ぃぃぃぃぃぃっ!やだっ!虫が這ってるぅっ!?とって!とってぇ゛!見るのもうるさいのも虫もいやだあああああああ!!!許してっ!お願いだからもうやめてぇ゛ぇぇぇぇぇっ!!!」
「うーん、ハナコ様どうする?」
片目を開けて振り向きハナコ様に伺う
「そうですね…10分したら止めましょうか♡」
「了解」
10分間、私とハナコ様は犯人が絶叫する様子をずっと楽しんだ
そして10分経過し、私は脳内のハックを終了する
犯人は涎を垂らしながら呻くのみ
廃人化しちゃったみたい
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ハレ「それじゃ次、お前の記憶を覗いて殆どの記憶を消してあげるね」
犯人「ぅ゛ぁ…へひ、ぃ…か、ぁ…」
もう言葉を紡ぐ事もできないか
じゃあ勝手に覗こっと
私はコイツの記憶中枢にアクセスする
簡単に中に入れた
とりあえず擬似的に、沢山の陶器が並ぶ棚…という仮の空間を構築してみた
この陶器は全てコイツの記憶そのもの
割ったらその記憶は永遠に失われる
一応、生活に必要最低限な記憶…文字の読み書きや自分の名前などは、ちゃんと残してる。これで安心して壊せるね
一番手前の陶器棚は…今の三感ハックで味わった恐怖の記憶だ
これは残しておこう。砂糖でこの恐怖を払拭出来るように…
奥へ進むと、爆破事件実行時の陶器棚があった
棚ごと倒して陶器を全部割る
これで記憶は消え去った
あとは簡単。この先の陶器を棚ごと全部吹き飛ばすだけ
ミレニアム在籍中の記憶、その前の記憶も全部消し飛ばしてやる
「壊れろぉっ!」
そう命令すると、眼前の棚は全て倒れて陶器は粉々に砕け散った
こういうのは一気にやった方が効率良いからね。
最初の棚だけは、忌々しい爆破の記憶だったから自分の手で倒したけど──
ああ、とてもスッキリした
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目を開けてハナコ様の方を振り向く
ハレ「終わりましたハナコ様」
ハナコ「お疲れ様です♡それでは、砂糖をお恵みしますね〜♡」
犯人「うぇ、ぁ゛…さ、と…ぉ゛…?」
「さあ、これを飲んでください♡」
ホースがアイツの口に伸びる
アイツはよくわからないといった様子で飲み始めた
「…お、おぃ゛ひぃ…!おいひぃ…!」
「それはよかったです♡」
ハナコ様は、アイツ…いや“あの子”の頭を撫でながら暫く飲ませ続けていた
あの子を特別支援教室へ送った後
「ハレちゃん、ちょっと乱暴な時もありましたけど…今回の補習授業、大変よくできましたと褒めさせてください♡」
「ありがとうございます…」
「さて、頑張ったハレちゃんにはご褒美をあげましょうか♡この後、2人で一緒にどうですか?♡」
「っ、ぜ、ぜひ!♡」
怒りはもうすっかり消えていた
これから時間があったら、私も補習授業を下すのもやろうかな
いや、とりあえず今はハナコ様のご褒美を受け取ろう♡
私はハナコ様と一緒に、ご褒美部屋へと足を運んだ♡──
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