S.E.に纏わる日常(スーツ装着編)

S.E.に纏わる日常(スーツ装着編)


※閲覧注意・エ駄死要素多数

特殊装備「S.E.」過去作SS

第1話

第2話

第2話アビドスサイド


あるミレニアムモブの手記(第1話と同一人物)

対砂糖装備「S.E.」、後にGen1と名付けられるそれを納入し、いざ試着(というより初着用か)という段階で、先生や選抜者も交えた説明会が行われた。

しかし、身をもって体感した関係で大騒動が巻き起こる事が予想できたものの、実際は予想の範疇を超えた大事件と化した。主にそのスーツの外観と排泄物処理装置の概要が原因であり、ここで今まで心の内に留めておいた「エッチなのは駄目!死刑!」精神が炸裂し、コハルさんを筆頭に混乱とちょっとした騒乱が起きてしまったのである。なんとかツルギさん達らで抑え込んだものの、当初の予定より試着が遅れてしまう事態になってしまった。


先生や親しい友人達らと共に、どうにかして彼女らの覚悟を固めてきた事で次の手順に進めたものの、今思うと狂気へ片足踏み込んだ様な内容と装着手順であったと考えている。こんなものをノンフィクションノベライズゲーム化する時には、できる限りシークレットコンテンツ化、何なら封印してもらうことを望む。いや本当にマジで。


まず、体温調節・吸湿機能を最大限生かし、排泄物処理装置を接続する為に、首から下を一切合切脱ぐ必要があるのである。この時点でどこのエロゲの設定だと言わざるを得ない仕様であり、こんな砂糖戦争の様な動乱が無ければ清いままでいられた身体を、否応無しに他者に晒す必要があると、とことん尊厳と羞恥心に悪いものであった。この時点で更衣室から怨嗟の声の様なものが漏れ出ていたものの、後の地獄の様相に比べたらとてもマシな方であったと言える。


次に、秘部だけが穴が空いている、全身タイツ素材の様な肌に接するインナースーツを着用する。この時点で一応はほぼ全裸状態から脱却できるものの、肝心の場所が隠れていない事と精密採寸によって身体のラインが丸残りになる仕様が、逆に装着者の羞恥心を刺激する事になった。ここまでは一人で安全に着用できる範疇であり、次からは複数人で対応する事になる。


その作業が、よりにもよって一番着用者にとってのストレスになりうる、排泄物処理装置の装着である。前の手記で書いた様に、戦闘中に激しい動きをしてもズレずに確実に動作するように固定する必要があり、その為に器具の先端をある程度深く挿入する必要が出てくるのである。また、後ろの方は前の方と比べてより大径な器具となり、試験の為に実際に挿入した自分の私見で言わせていただくと、「いやーこれはキツイでしょ」なものであった。

この装着時に問題が発生しそうな気配が濃厚だった為、当初予定されていた開発チームが装着作業を担うのを止め、装着者達の友人や知人達を複数動員して実施する事になった。

具体的には以下の通りとなる(名字・敬称略)

ツルギ←便利屋68(アル、ムツキ、カヨコ、ハルカ)

コハル←補習授業部(ヒフミ、アズサ)

ネル←C&C(アスナ、カリン、アカネ)※トキは別任務で不在

アコ←風紀委員会(イオリ、チナツ)

ワカモ←FOX小隊(ユキノ、ニコ、クルミ、オトギ)

中三名は良いとしてツルギさんとワカモさんの人選にツッコみたくなる読者も居るであろうが、これは正義実現委員会の圧倒的人員不足と、ワカモさんの特異性に起因するものであった。後者はかつて彼女を捕縛した経験があるという事で直々の指名が入る形で、前者は本人の了承も取った上で依頼という形で、それぞれ動員する事になった。なお、装着時の概要と手順について、説明の為に例外なく特別講習を受けさせたものの、案の定ドン引いたり困惑したり宇宙猫になったりする等の反応が帰ってきた。実質公開器具プレイの様なものと考えると当たり前である。

その次はアウタースーツの装着である。これは主に防御面を司るパーツであり、ここで前述したインナースーツや処理装置を丸ごと覆う形で砂糖(水)や各種攻撃から装着者を保護する事を可能にしている。また、短期間で連続して着脱する事を前提としていない設計上、着用者にとってのある意味第二の素肌的なものになる為、やはりこれも例外なく身体のラインが出る形状である。勿論、同時に特製コネクタや金具によって2つの機器に接続する為、後述する大型バックパックとの接続に問題が出ない様になっている。

そしてこの大型バックパックの装着に移る。これはスーツへの各種機能への電源供給の他に、温度調節機能や除湿機能、排泄物処理機能のメインシステムも担当する装備である。他にもガスマスクへの酸素供給・内気循環システムや水分・ペースト食糧供給システム、戦闘記録保存システム等も司っているものの、これらについてはマスクと連動して機能する仕様であり、脱着時は自動的にOFFになる。なお、クラッキング攻撃も想定してかBluetoothはあえなく不採用となった。また、冗長化や野戦補給も想定して基本的に二系統同時搭載がされており、補給時は片方ずつ交換することで動作停止を極力抑える工夫がなされている。これについては一応、片方だけでの運用も緊急時には可能になっている。他にも、スーツと接続するケーブル・チューブについてはかなり余裕を持った長さを持っており、密着時には余剰分を内部に格納することができるようになっている。これは平時においてバックパックだけを分離、手頃な場所に置ける様にする措置であり、シャワー時や睡眠時に効果を最大限発揮できる様になっている。ケーブル自体の防御・対断線性能もかなり高くなっており、時にはこれで殴打する緊急的な使用法が戦場で実施される程であった。

これで平時モードに必要な最低限のスーツの装着が完了したものとする。次からは戦闘モードも想定した頭部等の装着手順に入る。


ここまで行くと、下腹部への違和感や肌への密着感を除いて羞恥心を刺激される事も少なくなり、比較的スムーズに進むことが多くなった。死刑ゼミが何故か活発化する事を除けば。

まずは頭部用インナースーツとアウタースーツの着用である。要求仕様上素肌の露出0を目標に設計された為、殆どの髪を内部に格納する仕様になっている。その為長髪の生徒の場合はここでヘアゴム等で後頭部で纏めて束ねてスーツ内に入れる事になっている。勿論フォロー機能も忘れてはおらず、クッション性が高い素材をスーツ中間層に採用しており、毛髪や毛根へのダメージを限界まで減らす工夫がされている。なお、胴体スーツとの接続部には新開発アタッチメントを採用しており、密着度や動きやすさを両立しつつ、温度調節・吸湿機能の連動も可能な様になっている。

次にガスマスクの装着に入る。このマスクはアリウス生やユスティナ信徒のミメシスが着用していたものと違って、ガラス部の透明度を高くしていた上で広範囲を覆うようになっており、個人と表情の識別が容易になるように設計されている。この点は最近一般的になりつつある防塵マスクやガスマスクにも共通しているものの、より高機能化を推し進める為に利き手や装備の仕様、CQB頻度の有無によって各種チューブ接続孔の位置を細かく設定している。具体的に言えば、精密射撃頻度が高く、持ち替えたり近接戦を行う回数が少ない生徒は片方に寄せ、そうでない生徒はバランスよく配置するようになっている。

そして、バックパックから伸びる給排気チューブや水分・食糧供給チューブをマスクに接続する。こちらも首の動きを妨げない様に余裕を持たせており、それに加えて手動にはなるが送り出し・引き戻し機能がついている。

最後に専用グローブやブーツをアウタースーツの固定具に合わせて装着する事で、本装備の全工程は完了したものとする。なお、どちらも脱着については装着者の独力で可能な様になっており、アウタースーツが実質装着時の素足の様なものとされている為、ブーツについては非戦闘時も別途装着する事が多い。


この作業にはかなりの人手と時間が必要である都合上、簡単に着脱することは非常に困難となる。それ故に連続着用可能時間が大幅に長く取られており、支援体制次第では少なくとも1ヶ月は余裕で持たせる事が可能であるとされている。勿論心理的負担は度外視した上での算出であり、実際は精神的負荷を考慮して長くても数週間程に留まる事が多い。

また、脱衣後には最低でも必ずシャワーを浴びるように指示されているものの、ストレス解消故か基本的に長風呂になる事が多い。単なる根も葉もない噂話ではあるが、風呂場内で過酷しているのではないか?という珍説が出てくる程であった。


それでもなお、慣れというものは恐ろしく、何回目かの着脱では、初回よりも非常にスムーズに進行する事ができた。装着者本人と装着チームの両方の手際が良くなっており、それはあのコハルさんも例外ではなかった。これを適応と言うべきかある種の極限状態に晒された事による常識改変の様なものなのか、私には判別がつかなかったが、願わくば前者であってほしいものである。


とりあえず長くなったので、一旦ここで区切りも良いので執筆を切らさせていただく。

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