花札道中記 ラビット8ビット編 中編
前編の続き
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モモイ「うーん!やっぱり久々の外出はスカッとするね!」
ミドリ「確かに、ずっとゲーム制作で缶詰だったから気分転換にはいいかもね」
モモイ「だよねー!いくら私たちがゲーマーだからと言っても限度はあるよ!おまけにもう少しで温泉に入れるし!」
ミドリ「…招待が本物だったらの話だよ。お姉ちゃん」
ユズ「…アビドス…水でいっぱいになってる」
ミヤコ「はい、おかげでアポピスに勝つことができたんです」
ユズ「アリスちゃん…頑張ったんだね…」
ミヤコ「…ですね」
ミドリ「ところで、どうやって進むの?ここから先の道、深いところまで水没してるけど」
モモイ「…」
ユズ「…」
ミヤコ「…どうしましょう」
ミドリ「ノープラン!?今のアビドスは水の都だって有名な話なのに何の対策もしてないんですか!?」
ミヤコ「…正直、ここまでとは思いもよりませんでした」
ユズ「…ほとんど…衝動的だったから…温泉グッズしか持ってないし」
モモイ「ほ、ホラあれだよ!ゲームとかだとよくこういうタイミングで水上移動ができるアイテムが貰えるじゃん!それを探そう!」
ミドリ「アリスちゃんみたいなこと言わない!そんなに都合よく見つかるわけ」
【ボート屋:『アビドス温泉』予約特典!先着数組限定、貸出無料】
ミドリ「あったー!?」
モモイ「やったよミドリ!しかも丁度一組分残ってる!ラッキー!」
???「ハーッハッハッハッ!それなら最後の一組は私たちだな!」
ユズ「…だ…誰!?」
カスミ「やぁやぁ諸君、初めましてだねぇ」
モモイ「…本当に誰?」
ミヤコ「あなたは!?ゲヘナ学園温泉開発部部長の鬼怒川カスミ!」
カスミ「ご丁寧な説明ありがとう。どこかで会ったようなエプロン姿のお嬢さん」
ミヤコ「ど、どこかで会いましたか…」
モモイ「そんなことより、なんでそんな人がボートを借りたいのさ!?」
カスミ「おやおや、今の説明を聞いてなかったのかい?温泉開発部だからに決まっているだろう!私たちが知らない未知の温泉があるんだ!そこに行かないでどうすると言うんだい!」
モモイ「つまり私たちの敵ってわけね!」
カスミ「端的に言えばその通りだとも!『願いが叶う温泉』に行きたければ私たちを倒すと良い!ハーッハッハッハッ!」
ミドリ「…ところでさっきから『私たち』って言ってるけど、他の温泉開発部の人はどこにいるんですか?」
カスミ「ハ……そ、それは…」
「「「「?」」」」
カスミ「全員、『砂糖』と『塩』の後遺症のせいで入院中なんだ…かく言う私も車いすで、何とか来たわけで…」シュン
ミドリ「…それは…デリケートなところを聞いてしまってごめんなさい」
カスミ「だがしかし!4人いないといけないらしいからね!利害が一致した3人を連れてきたのさ!」
ユズ「…利害が一致した3人?」
カスミ「美食研究会リーダー、黒舘ハルナ!」
ハルナ「皆様ごきげんよう」
カスミ「便利屋68社長、陸八魔アル!」
アル「…雇われただけよ」
カスミ「風紀委員、火宮チナツ!」
チナツ「カスミさんの健康管理及び監視役です…」
カスミ「とまぁ、何とか4人一組を急ごしらえで用意したわけだ。さて、私たち4人のチームワークに勝て…」
ハルナ「そんなことより、そこのエプロン姿の方?」
ミヤコ「…えっ、私ですか?」
ハルナ「どこかで会ったような気がしなくもないですが、それよりも貴女からは美食の気配が感じられます!」
ミヤコ「な、何のことでしょう」目そらし
ハルナ「このような場所にエプロン姿で馳せ参じるその覚悟、そして、明らかに極限の中で積み上げられた研鑽が見て取れますわ」
ミヤコ「えっと…」
ハルナ「是非、私の味覚が回復したら料理を作ってもらいたいわね」
アル「…貴女、名前は?」
ユズ「ひう…ユユユユユ…」
アル(ハルカに似てるから声をかけたけど…やっぱり人見知りなのね…)
チナツ「そうですか…あなたも周りの勢いで…」
ミドリ「うん…長時間缶詰で私もみんなも疲れちゃって…」
チナツ「分かります…私のところも問題が山積みで…温泉でリフレッシュしたくてですね…」
カスミ「…さぁ!私たちのチームワークに驚くがいい!」
モモイ「あまりにもチームワークが無いことに驚いてるよ!?」
『ラビット8ビット』VS『ゲヘナオムニバス』
『勝者!ラビット8ビット!』
モモイ「やったー勝てたー!同じ開発部同士、正式な部員が少ない方には負けないもんね!」
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