異能無き怪奇、筋肉で全てを解決しようとする巨漢たち

異能無き怪奇、筋肉で全てを解決しようとする巨漢たち

ブログ・ゴシップ75! 第〇〇回


異能とは

異能とは、「生物が本来持っているはずがない力」だと私は解釈している。だからエネミーは、異形のものが多く、私たちに対して牙を向いてくるのだ。

異能力者とは、本来エネミーになるはずだった力が人に宿り、特別な力を手に入れた人々のことを指す。

今回の記事で話題にするのは、これらとは一切関係がない話だ。


事例一

◆月△日、都心で起こったこの出来事を知っている人は多いであろう。ショッピングモールでテロまがいのことをする活動家を、数多の巨漢たちが締め上げ、警察に表彰されたのだ。


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上記動画は、事件当日にショッピングモールにいた人が撮影した映像だ。右手に銃、左手にプラカードを持っている人物が件の活動家だ。

動画は銃とプラカードを掲げる活動家の姿で始まっている。辺りの人々は恐怖で動けずに、活動家の叫び声が高々と響く。変化があるのはその約15秒後だ。

お気づきだろうか。通路の奥から、巨漢の群れがこちらに走ってきていることに。音もなく、見事としか言えないような美しいフォームで一目散に活動家めがけて走っている。それに気づいた周りの人たちは、別の意味で声がでなかったという。

その後、活動家は銃を破壊され、包丁で巨漢たちに襲いかかったが、あえなく鎮圧された。巨漢の回し蹴りが空を切り、包丁を真っ二つにへし折ったのだ。活動家は観念し、無事警察に引き渡された。


事例二

某県の山道で、とある老齢の夫婦が複数体の大型の熊に襲われた。二人は熊に引っかかれ、腕の骨を折るという大怪我を負った。なぜ腕の骨を折るだけで済んだのか、不思議ではないだろうか。大型の熊が複数、死んでいてもおかしくはないだろう。私はインタビューを行い、何があったのかを教えてもらった。

当日の朝、二人は登山が趣味だったため、町近くの緩やかな山に登っていた。その頃は熊警報が出ていたらしいが、運悪く二人はそれを見ていなかったらしい。

熊たちに襲われたのは、下山をし始めてから数十分後の出来事で、インタビューで二人は「まさか熊に襲われるとは」「あのときは本当に死を覚悟した」と言葉を残した。

妻を庇った夫が怪我を負い、「お前だけでも逃げろ」と言おうとしたその時、一人の巨漢が現れたそうだ。

巨漢は熊を次々となぎ倒し、ついには全ての熊を退散させた。夫婦はこの事について「まるで夢のような出来事だった」と言っていた。

巨漢は救急車を呼び、夫婦の命は助かった。夫は腕を骨折したが、今ではすっかり治っている。巨漢は気づいたらいなくなっていた。二人はお礼を言うために、半年経った今でも自身を助けてくれた巨漢を探している。


事例三

エネミーは様々な形をし、中には日用品にそっくりなものたちまでいる。そう、例えばトラックとか。

昨日の朝のニュースを飾ったこの事件を、知らない人のためにも説明をしておこう。

一昨日の夜、コンビニエンスストアに一台の大型トラック…否、大型トラックの形をしたエネミーが衝突しかけたのだ。一歩間違えれば、多くの死傷者を出してたであろうこの事件、防いだのは三人の巨漢だった。

三人の巨漢は、トラックのエネミーを正面から受け止め、あまつさえ止めてしまったのだ。


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この映像は、事件があったコンビニエンスストアの防犯カメラ映像だ。驚く気持ちはとても分かる。たった三人の人間が、大型トラックを受け止めるなど本来あってはいけないのだ。私も目を疑った。しかし現実は非情であり、小説よりも奇妙な出来事が起こってしまっていた。この後、トラックのエネミーは駆け付けた異能力者に討伐され、この事件は終わった。


まとめ

巨漢とは新手の怪異である。突如として現れ、人々を救う、複数いる怪異だ。

私は、上記の三件を調べているうちに、ある一つの恐ろしい事を考えてしまった。彼らの肉体は自前のものだと。

異能は十人十色であり、似ることはあっても全く同じ異能になることは無い。ここまでの量の巨漢、全員が似たような異能を持っているとは考えられないのだ。しかし実際に彼らは、蹴りで包丁をへし折り、大型の熊に勝利し、トラックを力に任せて止めていた。

ここから考えられるのは、巨漢たちは異能関係なく、あの量の筋肉を鍛え上げたという真実だ。にわかに信じがたいが、そうとしか考えられない。

人体の神秘に無限の可能性を感じた所で、この記事を締めくくろうと思う。




著者_わさばし 「ブログ・ゴシップ75!」管理者


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