技術者が来襲(き)たぞ!
「ボクは標(しるべ)、よろしく頼むよ!」
「ギアの整備(メンテ)に修理、何より改造なら是非ボクに任せてほしい! 全力でキミの理想(オーダー)に応えるよ!」
「今のは流石に戦慄(ビビ)った……っ!!」
プロフィール
名前:標(しるべ)ネオン/湊(みなと)ネオン
種族:人間→人間とエネミーの混血
性別:男
年齢:16歳
誕生日:8月24日
身長:168cm
所属:亜瑠華学園兵站学部武装科
ランク:B
亜瑠華学園の武装科(アムド)に在籍する高等部1年生。ハイテンションな美少女……と見紛うような容姿の男子生徒、いわゆる男の娘。
学校の内外を問わず武器の整備や修理などを請け負っているが、開発と改造を依頼されることは稀。民間人の救助や破壊された街の修復で単位を稼ぎ続けた結果、最近ランクがCからBに昇格した。また莫大な食費を稼ぐべく、高性能なドローンを様々な企業に貸し出している。
友達となった少女を延命させるべく、外付けの心臓を制作しようとしている。
容姿・服装
全体的に細く肌は白い。青みがかった黒髪をショートボブに切り揃え、左半分だけ額を出している。トレードマークは稲妻のような模様が浮かぶ黄緑の瞳と、母譲りのギザギザの歯。笑顔が眩しい。
普段は亜瑠華学園のBランクを示す青い男子生徒服の上から、黄緑のラインと白い稲妻のような模様が入った黒いパーカーを羽織っている。
口調
普段の一人称・二人称はそれぞれ「ボク」と「キミ」。声量が大きい上にルビを多用し、身振り手振りを交えるため非常に騒がしい。ただし本来の喋り方は声量が抑えられ、ルビも振られない。
普段の口調は師匠の罵倒・挑発を真似たことが始まり。自分なりにアレンジを加え続けた結果、現在の形に落ち着いた。
人物像
途轍もない胃袋を持つ健啖家(95/100)で、相当なゲテモノ(69/100)でもなければ好き嫌いせず綺麗に平らげる。サイゼでは計20品を完食し、ハングリーダイナソーでは14人前を綺麗に平らげた。
「くひひひひ……きひひ……!!!」
笑いのツボが異様に浅く、頻繁に笑い過ぎて気絶する筋金入りのゲラ。ただし最近は電気ショックで即座に復帰できるようになった。漏れ出る笑い声は邪悪な魔女に例えられる。
また世間の流行に疎く、滅多に人を疑わないため非常に騙されやすい。一瞬とはいえ「最近は恐竜の飼育がブーム」という嘘を信じてしまったほど。
実は恋愛にかなりの興味がある(88/100)。そして普段は明るく振る舞っているが、心の奥底には途方もなく重く(106/100)湿っぽい(82/100)感情を秘めている。そしてヤンデレとしての素質もあり(97/100)……
一度作業に入ると爆発的な集中力を発揮し続けるが、その間は自身の体調すら把握できなくなってしまう。そのため自らに暗示に掛けることで、集中に時間制限を設けている。暗示のオン・オフは両手で拳銃を象ることで行う。
技術者として
趣味は異能を再現する機械、通称「ギア」の改造。技術者としては紛うことなき天才(115/100)であり、このまま経験を重ねれば防衛省のコンペにも出場できるだろうと目されている。なお技術者としてのプライドから、かつては自らに「極限まで異能を使わない」という制約を課していた。
「一芸に特化したピーキーな性能」と「何度でも再利用できるバッテリー式」に拘り、反動やデメリットを嫌う。また過去のトラウマから実弾武器を忌避している。自分専用のギアは配色を黒と黄緑で統一している。
趣味
もう一つの趣味が自ら改造したバイクを乗り回すこと。兵站学部に在籍しているため、本来18歳以上の大型二輪免許を16歳で取得できた。
実は耀煌輝・S・ジョウの大ファン「流れ星」、つまりドルオタ。かつては自分の容姿にコンプレックスを抱えていたが、偶然にも彼の動画を見たことがきっかけで中学校時代に克服している。どの楽曲も大好きだが、彼を知るきっかけとなった「駆け抜けてグレイテストヒロイン☆」がナンバーワンらしい。
嫌いなものは犯罪全般、過去の経験から特に殺人と違法兵器の開発・密売を激しく憎んでおり……
異能〈泡沫の神業(ブーストフォーム)〉/〈泡沫の偉業(ブーストフォーム)〉
「特殊なエネルギーを注ぎ込み、異能や道具の出力・性質を飛躍的に高める」能力、亜瑠華学園では増強系(インクリース)に分類される。僅かな量でも絶大な威力を齎す強大な異能。
しかしその反動は凄まじく、並みのギアでは耐え切れず大破してしまうほど。この欠点からネオンは「心底(マジ)で使い勝手の悪い能力」と酷評している。〈泡沫の神業〉という名前にも「一発限りの神頼み」という皮肉が込められている。
実は異能者やエネミーにも適用できるが、この事実に当初ネオンは気づいていなかった。しかし東京で光のエネミーと死闘を繰り広げる最中、命を燃やす英雄に対し初めて発動し彼の攻撃を強化した。
発動時に火花と泡のエフェクトが発生する。このエフェクトの正体は微弱な電磁波であり、計器を狂わせるために正確な測定ができなかった。この電磁波の性質を拡張することができればレーダーやジャミングとして応用できるかもしれない……
異能〈受け継がれる泡沫の偉業(ブーストフォーム・バリッド)〉
「……ボクは、標ネオン」
「そして湊ネオン」
「こっからは──」
『──〈文明のエネミー〉。文明の灯火を見守る、現代(いま)の番人だよ』
エネミー化した那須との激闘で全身に火傷を負ったネオンが、母の幻影から力を受け継ぎ文明のエネミーとして覚醒した姿。背中から稲妻と泡が溢れ出し、顔の左半分が稲妻を象った光のマスクで覆われている。
「自然を加工する力の増幅」という本質を理解したことで、これまでの〈泡沫の偉業〉を凌駕する増幅と細やかな調整が可能となった。ただし通常に比べて体力の消耗が激しい。また電磁波を放つ性質が高められている。
技能
・開発
・調整
・修理
・運転
・銃撃(フュズィ)サバット
爪先での蹴り技を主体とするサバットと銃撃を融合させた格闘術、銃使いのための護身術という側面が強い。シャッセと呼ばれる横蹴りで間合いを測りつつ、銃弾を叩き込むのが基本の型となる。
ネオンは靴に仕込んだ暗器による攻撃を織り交ぜながら、二挺拳銃をボクシングのように構えて戦う。
ギア一覧
師匠と同じく歯車型のコアを採用している。これらのギア以外にも、閃光手榴弾や小さな蜘蛛型のメカなどを制作している。
・『自動拳銃:突貫(ラッシュ)!』(改造)
黒を基調に黄緑のラインが走る自動拳銃。実弾ではなくエネルギー弾を撃ち出し、フルオートとセミオートを切り替えることが可能。原型となったモデルは銀一色。
改造の結果、拳銃とは思えない破格の連射速度と片手で抑え込めるほどの低反動を両立した。一瞬で撃ち切ってしまうため予備のマガジンは必須。
・『自動拳銃:追尾(トラック)!』(改造)
『突貫!』と全く同じ外観の自動拳銃。基本的な性能も同じだが、フルオート機能は搭載されていない。
改造により放ったエネルギー弾の軌道を自由に設定できるようになった。ただし集中力が要求されるため、普段は指定した標的を自動で追うように設定している。
・『凍結弾:滑走(スリップ)!』(改造)
氷晶のマークが刻まれたマガジン。着弾と同時に周囲を凍結させる弾丸を発射できる。元来は防御・拘束用だったが、改造により「滑る」という性質を活かした高速移動を実現した。但し氷の強度は元のモデルから若干下がっている。
・『封印弾:包装(パック)!』(改造)
箱のマークが刻まれたマガジン。着弾した物体を瞬時に包装し劣化・損傷を防ぐ弾丸を発射できる。外部の攻撃には滅法強い一方、内部は非常に脆弱。最近、包装のデザインを自由に設定できる機能が追加された。
・『索弾:反発(リバウンド)!』(改造)
荒縄のマークが刻まれたマガジン。触れることで軌道上を高速で移動できるロープを発射する。改造の結果ロープから離れる時に強烈な斥力が生じ、使い手を弾き飛ばす性質が加えられた。
・『小型ソナー:散布(スプレー)!』(自作)
・『大型ローラー:補強(カバー)!』(自作)
破壊された建築を修復するギア。
・『大型三-二輪バイク:飛翔(フライ)!』(改造)
普段は黒一色の三輪車だが、後方の二輪を変形させることで巨大な黄緑のラインが走る翼を備えた大型のバイクとなる。翼に変形した車輪から反重力を発生させることにより、短時間とはいえ飛行が可能。
・『光学迷彩』(自作)
・『攻性防御システム』(自作)
誰がどう見てもドラム式洗濯機。青白い光の奔流で攻撃を押し流すことができる。幾度となく制作しては試運転の度に異能の反動で大破する。
・『メディカルペン:洗浄(ウォッシュ)!』(改造)
患部に当てることで治療するボールペン型のギア。致命傷には効果がない。使いまわせるように自動洗浄の機能が追加されている。
・『エネルギーナイフ』(自作)
普段は柄だけの状態だが、使い手の意思に反応しエネルギーの刀身が生成されるナイフ。刀身には使用者の体を避けるように変形する設定が組み込まれており、これを応用し奇襲を仕掛けることも可能。
街中でラーメン屋「伊吹亭」を教えてくれたナイフ使いの少女に譲った。
・『伸縮スピア:転倒(フォール)!』(自作)
長さを自在に調節できる黒一色の槍。穂先には触れた動物から平衡感覚を奪い、転倒させる効果がある。感覚を奪える時間を延ばすべく試作品を制作中。
・『リフレクター:切断(スラッシュ)!』(改造)
大火災で共に民間人を救助していた技術者から譲られた、攻撃を弾くバリアを展開する装置。小型のボタンにより遠隔操作が可能。縦に展開すれば物体を切断できるように改造した。
『拍動』シリーズ
友達となった少女マキネを延命するべく開発した装置。大気中の汚れを分解することで発電する『文明の息吹』が組み込まれている。彼女の状態をデータとして収集している他、万が一動力部が停止した場合は救難信号を発するように設定されている。
・『MK-1』
データを採取するため制作された試作型の一号機。中核となる『文明の息吹』を小型化できず、リュックサック程度の大きさになってしまった。また出力も低い。
・『MK-2』
出力上昇と構造の簡易化に成功した改良型の二号機。小型化に成功した『文明の息吹』をベルトのバックルに格納している。しかしこれでも出力が足りない上に、大気中の汚れが完全に分解され、発電が止まってしまうという新たな問題が浮上した。
・『MK-3』(未登場)
これまでの問題点をアルプスパワーを導入することで解決した三号機。
『W.A.G.NUM.』
正式名称は『武装(Weapon)及び装甲(Armor)生成器(Generator)第〇号(NUMber)』。植物の力を秘めた四方装具『青龍之〇』が遊園地でネオンに拾われ、爆発的な集中力を主に相応しいと認めたことで姿を変えたヒロイックなベルト。装填したカートリッジから秘められた力を引き出すことで、武装・装甲を形成して運用するシステムが搭載されている。
・『00:MULTI-ORIGIN』
基本となる一本目のカートリッジ、植物の力を秘めている。
第一の機能〈苔〉
銃手の強化。使用者の四肢に黒と緑の苔から形成された装甲を纏わせる。黒い苔には身体能力を高める効能があり、蹴り一発でコンクリの壁を貫通することが可能。緑の苔には治癒力を高める効能があり、負傷すると自動で苔が傷口を覆う。
第二の機能〈蔦〉
銃器の強化。両手首の内側から蔦を伸ばし、銃器と接続することで性能を底上げする。更に弾倉の交換や手元から離れた銃の回収も自動で行われる。
第三の機能〈種〉
銃弾の強化。〈蔦〉で接続した銃から、異能を封入した種の弾丸を発射できるようになる。異能の出力が強化されている他、これまでは発砲と同時だった異能の発動を遅らせることが可能となった。
・『01:TROPICAL-MAX』(未登場)
四方装具『朱雀之〇』から抽出した力を封入したトロピカルカードリッジを翳すことで変身する、砲撃戦に特化した強化形態。四肢の装甲はそのままに樹木のローブが追加されている。
植物と炎の二種類の力を高水準で両立させており、樹木のローブから生成した大量の重火器で敵を薙ぎ払う。
・『02:ARID-MAX』(未登場)
四方装具『朱雀之〇』から抽出した力を封入したアリッドカードリッジを翳すことで変身する、白兵戦に特化した強化形態。四肢の装甲は苔から岩に変化し、砂のローブが追加されている。
朱雀に宿る炎の力を極限まで引き出しており、砂のローブに仕込まれた大量の暗器を駆使して敵を追い詰める。
その過去
「ボクは湊(みなと)ネオン、よろしく頼むよ」
彼の旧姓は「湊」、8歳まで東京近郊に両親と暮らしていた。家庭はそれなりに裕福で、不自由なく生活していたが……
父親と太陽について
彼の父、湊クリアは違法兵器の密売人だった。家庭ではよき父親として振る舞っていた一方、売り捌いた兵器は世界各国で多くの惨劇を生んでいた。
ネオンが8歳の時に一連の悪事が露見。幾人もの殺し屋が口封じのため売人の家へと送り込まれ、彼はその一人に肺を撃ち抜かれたことで命を落としてしまう。拳銃で抵抗した息子もナイフで胸を刺され重傷を負い、三日間生死の境を彷徨った。
幸いにも警察に保護され一命を取り留めたネオンだったが、その日を境に父譲りの容姿は呪縛となって彼を苛んだ。
「いつかボクも、父さんみたいな犯罪者になってしまうかもしれない。同じように悪の道に入ってしまうかもしれない」
しかし中学校時代、14歳になったネオンは一本の動画と出会う。画面の向こうで生き生きと輝く一人のアイドルの姿に勇気を貰い、再び歩き出すことができた。
「ボクは輝く道を歩いていける」
今でもそう確信している。
師匠と技術について
父を喪ったネオンにとってもう一つの呪縛となったのが、類稀なる機械弄りの才能だった。専門的な知識など一切なかったにも関わらず、押収された違法ギアを解析・再現できてしまったのだ。
「あれほどの犠牲を生んだ違法ギアを、こんなにも簡単に作れてしまう」
その事実に怯え、いつしか彼は日常生活から機械を遠ざけるようになっていた。
しかし12歳の時、母を喪ったばかりのネオンは二度目の襲撃を受けてしまう。絶体絶命の窮地から彼を救ったのは、「標メタル」を名乗る謎の少女だった。送り込まれた殺し屋を返り討ちにした彼女は彼を引き取り、「標ネオン」として中学校に通わせながらギアを改造する技術と護身術を丁寧に教えていった。
彼女は決して教え上手とは言えなかったが、その時間だけはトラウマが蘇ることなく機械に触れることができた。
「世のため人のためになる機械だって、この手で創り出すことができるから」
師匠から受け継いだ信念を胸に、今日も彼は機械を弄る。
異能と母親について
彼の母、湊ステラの正体は文明のエネミーである。メタルとパールが下した「異能を手放さない」という決断が原因で、先々代の死亡から71年という短期間で誕生した。彼女は若き日の湊クリアと恋に落ち結婚、実子であるネオンを育ててきた。
しかしネオンが12歳の時、本来の食事量を摂ることなく働き続けていた彼女は帰らぬ人となってしまった。
だが那須との激闘の最中、燃え盛る書斎に幻影として出現。文明のエネミーとしての力を託し、ネオンを覚醒させたのだった。