このあとめちゃめちゃ楽しんだ
『サービス精神』世界線のクリスマスの話です。
一応、時系列は『見えないものの違い』のあとの話ですが、見なくてもわかる話になってます。
口調と捏造に注意してください。
ポーラタング号は潜水艦である。長所はもちろん何個もあるが、短所も残念ながら存在する。その一つが乗組員の日にち感覚であり、それに対する対策もされてある。
その一つが季節の節目ごとのイベントの開催である。彼らのノリの良さも相まって、飾り付けまでしたそこそこ盛大な宴が開催される。
さて、今は年の瀬も間近に迫った中、ハートの海賊団では『クリスマス』が開催される。他のところでは知らないが、ハートの海賊団内では宴をしたりサンタになってプレゼントを渡したりするものになっていた。
今年は他の世界からやって来たトラファルガー・ローもいるため、いつもよりも豪華にやろうとワイワイしながら準備を進めていった。
そんな中――
「メリークリスマス」
――あともう一息で準備が終わるというとき、白いツナギにポンポンが付いた帽子を被った他の世界のローがやって来た。
いくら回復したとはいえ彼の身体はまだまだ本調子ではない。だから準備は手伝わなくていいと伝えたはずなのに、それが終わる前にやって来たため、彼らは驚愕するはめになった。
「『えっ?ローさん!』」
「残念ながらハズレ~」
この世界のクルー達が騙されたのを見て、他の世界のローの中にいる誰かはイタズラが成功したときのようにニッと笑った。それを見て、真似をしただけだとわかったので胸を撫で下ろした。少なくとも準備を手伝おうとするなんてことは起きなさそうである。
「なんだシャチか。驚かせるなよ。何か違和感は感じてたけどさ……」
「おー……やっぱりペンギンにはわかるんだな」
「当たり前だろ。何年一緒にいると思ってるんだ」
誰が表に出ているのかいち早く気づいたこの世界のペンギンが口を開く。二人が仲良く話す姿はこの世界の二人とさほど変わらなかった。
「それよりも、どうしたんだ?まさか、いつもと違う格好ということは……」
「そう、クリスマスプレゼントだ。ま、準備が終わって始まる直前に渡すな」
そう言って他の世界のシャチはその場で待ち始めた。この世界のクルー達はそわそわしながら準備を進めていった。その速度は先ほどまでの倍以上あった。
「『よし!準備終わった!』」
凄まじい速度で準備を終わらせた彼らは他の世界のシャチの周りへ集まった。いつも自分達が求めているものを出してくれるので、期待しないわけがなかった。
「……おれたちのキャプテンが泣いて笑えるようになったのはさ、この世界にいるお前らのおかげだ。だから、おれたちはクリスマスに何かしたいと思ってたんだよ。でも、それはそれとして、おれたちのキャプテンにも何か贈りたいと思った。……せっかく、クリスマスが楽しめるようになったしな」
他の世界のシャチは彼らが集まったのを見ると少し間を置いて、話し始めた。それが紛れもない彼らの本心であることは火を見るより明らかであった。
「だから、おれたちはどっちにも喜んでもらえそうなものを考えた。ま、そんなややこしく考える必要はなかったけどな。
というわけで、ハートの海賊団を代表してシャチが送る!メリークリスマス!」
そう話を締め括った他の世界のシャチは最後にまたニッと笑い手を振った。次の瞬間、彼の表情が変わり、キョトンとした様子で周りを見回した。
それがどういうことか気づいたこの世界のクルー達は満面の笑みを浮かべた。どういう基準で誰が表に出るのか知らない彼らにとって、それは確かに最高の贈り物だった。
「め、メリークリスマス……?」
「『わーっ!ローさんだーー!!』」
このあと何が起こったのかは、語るまでもない!!
Q.なんで赤くない格好だったの?
A.あの世界コーラはあるけどコ○・コーラはなさそうだったし……もしあったらすみません
IFシャチも言ってたけど『見えないものの違い』のあとのIFローだから、嫌悪も好意も抱ける(≒マイナスの感情もプラスの感情も抱ける)ようになってるのでちゃんとクリスマスを楽しめる。
あと多分ちょいちょいIFクルー達も表に出て楽しんでる。
つまり、みんなで楽しくクリスマスしてる!ハッピー!