おっぱい責め

おっぱい責め


──また、○○地区では連日夜中に女性が襲われる事件が起きており警察が巡回を強化して対応しておりますが──


テレビには近頃巷を騒がせている事件に付いてのニュースが流れている。

夜中に人気の無い場所で女性が襲われるという事が起きているが未だに犯人が捕まる気配はない。犯人が一枚上手なのかそれとも…人間ではないのか。

紫式部はさてどうしようかと悩んでいた。これが只の人間であれば自分自身がどうこうするよりは警察が早く捕まえることを願うほか無いが、もしこれが怪異や魑魅魍魎ならば専門家である自分が動くべきだ。

手元にある依頼についてメモした紙を見やる。まさにこの事件の被害者の一人から怪異探偵への依頼であった。

今までの被害者はそもそも犯人がどういった人物であるか分からぬまま凌辱されそのまま気絶してしまうような事が多く更には余程酷い目にあったのか口をつぐんでしまう人ばかりらしい。それ故に警察の捜査も難航していた。だが、この被害者は犯人の特徴を憶えていると警察に伝えたが取り合ってもらえなかった。

何故ならその男は腕が四本ある化け物だったのだと言うのだからよほどのショックで記憶が混乱しているか勘違いでもしているのだろうと判断されてしまった。

そしてこの事務所へと被害者はたどり着き依頼していったのだ。


(もしこれが本当に怪異の仕業だというのなら事件がなかなか解決しないのもうなずけますね)


被害が起きている○○地区は実はというとすぐ近くで私自身も気を揉んでいた。表の仕事上夜間に外へ出ることはあまり無いがそれでも仕事に没入してしまいうっかり必要なものを切らしてしまった時に出掛けることはある。

怪異相手なら術を使うことに躊躇は無いのだけれど余程の事がなければ人間相手に使うことは憚れる。怪異相手の仕事であって人間相手の仕事のための力ではない。同じ女性として女性を狙ったこの事件には憤慨はしていたが自ら動くことはなかった。

だけど、本当に怪異相手ならば話は別だ。

ペンを走らせていた手を止め準備を始める。

机から離れた天才小説家は今宵、怪異探偵紫式部として闇を行く。


(確かこの辺りだったはず…)

依頼者が襲われた場所へと赴いた紫式部。人通りは少ないがどちらかといえば見張らしはいい道。ここで急に襲われ何処かに連れていかれそうになったところを運良く逃げれたらしい。


(実際に来て見て分かります…ここはあまりにも隠れられる場所がありません)


開けた場所、待ち伏せ出来るような場所もない。もしここで襲うなら必ず相手に認識されるはず。襲われた当人が余程の無用心でもなければ夜中の道で相手に気付いて警戒するはずなのに不意を突かれ襲われたのは…


(やはり怪異や魑魅魍魎の仕業でしょうね…)


気配を消せるのか姿を隠せるのか、何にせよ対策をしなくてはいけない。紫式部は術式のひとつを起動させる。害意や悪意に反応して起動する防御術式で不意打ちを防ぎその上で相手を確認しようと考えた。


(さぁどこからでも…!)


ぐにゅっ。たぽったぽっ


「へっ?」


唐突に胸に違和感が走る。右胸をわし掴まれ左胸を手のひらの上で重量を確かめるが如く踊らされる。


「そ、そんな…はわわぁ!?」


ぐにゅぐにゅっ♡ぐにぃーっ♡


搾られるように弄ばれる紫式部の豊満な胸。

余りの予想外の事態に反応が遅れ好き勝手にされてしまう。


(ああ!は、早く反撃しなければ…)


攻撃の術式を起動させようとしたその瞬間。胸を強く引っ張られる感覚と同時にビリィッと音がする。


「えっ…」


胸の部分の服が破け、ばるんっと揺れるように胸が溢れ出る。下着までは破かれてないがその柔肌が曝されてしまう。


(な、何が起きて…!?いえっそれよりも!)


攻撃術式を起動させ組みついている怪異を弾き飛ばす。すぐさま後ろを向きその姿を目に入れた紫式部。そこには腕を四本生やした大男のような怪異の姿。

その姿を見たと同時に何故防御術式が発動しなかったのか、何故気付かなかったのかに考えを巡らせようとすると怪異の姿がうっすらと消えていく。


(姿を消す力があるのですね…けれど術式を発動しなかったのは何故なのでしょう。)


「ぉぉ…い…」


(何か言葉を発しているのでしょうか…ならば!)


ある術式を発動させる。言語を紡げる相手ならばそこから相手の考えてることなどを察することが出来る術式。習得した術式の中でも最も得意とする術式だ。


[おっぱい]


「はっ?えっ?」


おっぱいとだけ伝わってくる。本当にそれだけが伝わってくる。そこにはこちらに危害を加えようだとか辱しめてやろうだとかいった悪意すらない。ただ純粋な欲がそこにはあった。


(だから術式が反応しなかったのですね!?)


そうこう考えていると怪異が姿を隠そうと段々と消えていく。このままだと完全に見失ってしまう。


(このままではっ!せめて追跡出来るように…!)


術式を起動させ相手の霊力を記憶する。その術式自体は間に合ったが怪異の姿は消えてしまった。霊力を感知すると段々とこの場を離れて行ってしまっている。

このまま追いかけるか、それとも体勢を立て直すべきか…


──このまま追いかける─ <

      

──体勢を立て直し後日仕掛ける── <





Report Page