痴態裁判第二審

痴態裁判第二審


これこれの一応続きかも
※アホしかない エロはない
※いろんな整合性は気にせんといて
※伏黒と日車の巻き込み事故:あり



「虎杖悠仁は2018年○月○日に、東京都○○の山中にて露出行為を行った疑いがある」


これって… ああ。


「やり直しだ♡」

「ヤダーーーッ!!!!!」

「ぐぅ…!」


頬に現れた宿儺の宣告、虎杖の悲鳴、日車の苦悩がギチギチに詰まった呻き声と共に痴態裁判の第二審が開廷した。



「あぁああ~~~っ!!!ぅぐ、ひっ、うっ、やぁ、ぅわぁああ…っ!」


開幕からギャン泣きだった。無理もない。

日車は速やかに目を閉じて両耳を塞いだ。この場合は人の弱さに向き合うことからの逃避ではなく、虎杖の尊厳を守るためなので信条には反しない。反しないんだ。


「なんだ、弁護士は聞かないつもりか?まあいい。此度は“傍聴人”がいるからな」

「ひっぐ、うぅ、ぅぁっ…え?」

「い、虎杖…」


証言台から少し離れた場所。おざなりに設けられた木製の柵の向こう側に、混乱した様子の伏黒が立っていた。


「…ぁ、ああぁっ、あああぁ~~~っ!やだ、やだぁああぁ~~~っ!!」

「証言を拒否することを禁ずる。領域を解除することを禁ずる。退席は許さん。一つでも破れば領域を破壊し諸共殺す」


ケヒッ、ヒヒヒッと、心底楽しそうな宿儺Pの笑い声が法廷に響き渡る。楽しいのは一人のみで、あとは慟哭・苦悩・混乱で満ちていた。


「ひっ、ぅうう~…!伏黒っ…お願い、見ないでぇ…!」


虎杖に他意はないが、相変わらず何故かNTRの雰囲気で出力される。うぇーいw伏黒くん見てるー?


「ほら小僧、疾く証言を始めろ。これ以上俺を待たせるな」

「うっ、ずびっ、証言ってなに、なにを、ぅあっ、お、おぇっ」


泣き過ぎて嘔吐いている。かわいそう。


「露出行為と言っても色々あるだろう。全裸だったか?それとも何か身につけていたか?」

「○月○日、ぐすっ、山の中、えっと…ぅっ、ひっく…」

「ほらあれだ、任務の帰りにコンビニに寄ると言って補助監督を先に帰したことがあっただろう。からあげクンとやらが増量中だと」

「…あっ、あの日っ、ぅえっ、あの日は…っ、白いレースのぉ、おぇっ、レースの下着ぃ、ぅっ、ぅ…っ」

「証言を補強するためにここで証拠を提出する。当日小僧が身につけていた下着の商品ページだ」

「ぅうあぁああ~~~っ!!えっぐ、ぅ、あぁああ~~~っ!!」


いやなんでオマエが証拠出すんだよ。

どうやってか領域内の空中にネットストアの商品ページが大写しにされた。結界術の応用だろうか?なんでもありだな呪いの王。技術の難易度に対して使用用途が下らなさする。

写された下着は虎杖の証言通り、白いレースで作られたブラジャーとショーツのセットコーデだった。各所にフリルとリボンがあしらわれ大変フェミニンな仕上がりになっている。ただしブラジャーは真ん中の部分に布がなく乳首から乳輪までもれなく丸見えだ。かなり短いスカート状のフリルが付いたショーツは、全面がレース製のため“中身”が透けるのが明白である。あととんでもなくローライズなので尻の割れ目も半分以上見えているだろう。

要するにエッチな目的以外に使い道がないドスケベランジェリーだ。


「身につけていたのはこれで間違いないか?早く答えろ。証言の拒否と見做すぞ」

「うっ、うぅ…っ!えぅ、ひぐっ、そう…です…っ!」

「そうかそうか。雄でありながら、この下品でいやらしい雌の下着を身につけていたと♡」

「ぁっ、ぅ…っ!もっ、もぉやだぁあ!ぅうう゛ぅぅうう゛~~~っ!!ひっ、ひぅっ」

「待て、宿儺!!」


今まで黙って聞いていた伏黒から待ったがかかる。この異常な状況をどうにかしてくれるのかと虎杖が期待のこもった目を向けると、


「この全面レースの生地だと隙間からシモの毛がはみ出て見苦しくないか?」

「伏黒?」

「それに寮の風呂で見た虎杖のサイズだと、そんな小さい下着には納まりきらないだろ…!」

「伏黒!?」


伏黒がとんでもないことを口走っている。よく見ると目がぐるぐるしており、完全に正気を失っていた。バッドステータス:混乱。

あ、これアカンやつだ。虎杖はそう思ったがアカンのは開廷してからずっとなので今更そんなに大差ない。自分より取り乱している人間を見て冷静になったのか涙は引っ込んでしまった。


「いい質問だ伏黒恵。まず、小僧のシモは常に剃毛している。抜かりはない。そして納まるかどうかだが──」

「納まるかどうかだが?」


自然な流れで虎杖がパイパンであることが開示された。本気だね。アホ。

伏黒の相槌に対し全く必要のない溜めをたっぷり使って、宿儺Pが自信満々に重々しく告げる。


「──納める必要がどこにある?」


「なるほど、盲点だ…!」

「お願い伏黒、もう黙っててぇ!!」

「では次の証拠として、これを実際に小僧が着用した際の画像を提出する」

「わ゛ーーーーーっ!!!あ゛ーーーーーっ!!!!!」


この後も虎杖が追加で証言を強いられていると、手では声を遮ることに限界があった日車がガベルを狂ったように打ち鳴らし「無罪!!!結審!!!!閉廷!!!!!」と告げたことで痴態裁判は解散した。幸い正規の手続きでの終了は禁じられていなかったし、小僧の嘆きで無様欲を存分に満たした宿儺Pは大層ご満悦だったので今回も問題はなかった。

日車にガベルを借りた虎杖が、伏黒の頭を死なない程度に叩き上手い具合に記憶を飛ばしておく。後頭部から海馬を目掛け斜め上に打つのがコツです。

ガベルって便利、改めてそう思った。


それから数日の間、訳も分からず虎杖からうっすら避けられ分かりづらく落ち込む伏黒と、優しさを受け懐き度が上がった虎杖から頻繁に話しかけられ顔をしわしわにして目を瞑る日車の姿が見られたという。


君の目すらまともに見れない

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