忘れた頃のシャンブルス(Season2) ②

忘れた頃のシャンブルス(Season2) ②


前回:忘れた頃のシャンブルス(Season2) – Telegraph

※まぁエミュが酷いけどゆるして・・・・・・

※技名のセンスも酷いけど許して・・・・・・こういうのさせたかったの・・・





ロー奪還はその日の夜に行うことにした。正直なところこの一味、別に2日や3日、何なら1週間放置してもどうにかなる面々の集まり故急ぐ必要もないのだが、それでもさっさと回収しておくに越したことはない。


ドレーク(カイドウ)「・・・よし、テメェ等。最後にもう一度確認しておくぞ」


サニー号のキッチンに一同は会し、面を向き合わせて作戦会議。中央の長テーブルにはこの島の地図が広々としている。


ドレーク(カイドウ)「まず前提としてだがな、能力に慣れてないヤツは覇気を使え。聞いた話、以前パンクハザードでも不慣れにも能力を使って事故が起きていたというからな」


実際、人格シャッフル事件は不慣れな状態であったから起こってしまった節がある。


ドレーク(カイドウ)「まずは図体のデカいやつ。ドレーク、ロロノア、 “麦わら”、お前等は好きに行動しろ。他人に迷惑がかからないくらいでな。お前等は陽動を兼ねた偵察だ」

カイドウ(ルフィ)「それもう戻って来れないんじゃねぇか」

キング(ゾロ)「お前に言われたくねぇわ!」

ドレーク(カイドウ)「お前等2年間ばらばらだったんだから逸れてもいずれ会える」

ゾロ(サンジ)「雑!」

ドレーク(カイドウ)「残りのモネ、 “黒足”、チャカ、ドラゴン、キング。お前等が間隙を突いて侵入しろ。基地に関しては敵だから荒らしてくれて構わん」

サンジ(チャカ)「君はどうする?」

ドレーク(カイドウ)「おれは援護射撃だな。やってみたいことがある」


実行に入ったのは午後の9時を過ぎた頃だった。海軍では規則上この時刻になると守衛を除き全兵士が基地に戻るため、犯罪者や海賊が暗躍しやすい時間帯となる。ただその代わり、基地を占領する、海軍戦力の打破が目的となる場合は不利になる。仲間の救出も例に漏れず。基本的に戦いというものは知らない場所ではやってはいけないのだ。もし敵地で戦うのなら、情報が鍵となる。敵を知り己を知れば何とやら。


ルフィ(モネ)「時間ね。皆、そろそろよ」

サンジ(チャカ)「よし、第一陣出撃!映像電伝虫を忘れないように」

モネ(キング)「良いかお前等、今だけは己の地理感覚を信じて良いぞ。ただしこの島を出ない限り、だ」

キング(ゾロ)「お前おれを犬か何かと勘違いしてねぇか」

カイドウ(ルフィ)「犬じゃねぇよゾロは動物よりも酷いから」

キング(ゾロ)「お前に言われたくねぇっつってんだろ」

ゾロ(サンジ)「こうして見ると「四皇」とその大幹部には見えねぇな・・・いや寧ろこれくらいバカだったとか」

ドレーク(カイドウ)「確かに逃避行してた時はこんな感じだったような」

モネ(キング)「やめろカイドウさんおれ達の過去をアホ一色にするんじゃない」



さて、先行班のルフィ、ゾロ、ドレーク(見た目はそれぞれカイドウ、キング、ドラゴン)は映像電伝虫を用いて空中から映すことで刻一刻と漏らさずに現地の状況を待機メンバーに送る任務を果たすため、悠々と夜空を飛んだ。飛んだのだ。飛んだはずなのだ。


カイドウ(ルフィ)「よーし、こうだ!」

キング(ゾロ)「いや跳ねてるだけだなこりゃ」


慣れない体は全くと言って良いほどに融通が利かない。実はカイドウの体に入ったルフィに関しては残り2人を援護するために地上からの支援に徹しろ、とのことだったが当の本人は一緒に飛ぶ(折角だから飛びたい)と考えていたため、現在基地から数㎞離れた小山で飛ぶ練習をしていたのである。しかし中々悠々とした空中飛行はできず、現在まな板の上で死期迫る魚のようにピチピチ・・・バタバタと踊るように跳ねているのが実情だ。


キング(ゾロ)「早くしねぇといけねぇだろ。さっさと行かせて・・・」

カイドウ(ルフィ)「待ってくれよぉ!」


ロー救出どころか新しい体(期間限定)を楽しみたいという欲望優先である。正直助けるだけなら簡単であるし、何よりロー本人がここで死ぬような男ではないという信頼がある。


ドラゴン(ドレーク)「良いか、飛ぶという意識から離れることだ。泳ぐ、水の上に浮かぶような感覚が正解だな」

キング(ゾロ)「喋れるのかよ」

ドラゴン(ドレーク)「何となくできた、動物系とはこういうものだ」

カイドウ(ルフィ)「でもおれ泳げねぇよ。能力なくても元からカナヅチだし・・・」

ドラゴン(ドレーク)「おれは海軍にいた頃の能力者用特殊訓練で最低限何とかはなっていたからな」


さて、こうも大きな東洋龍が山の中で蠢いていると当然音も鳴る訳で、怪しく思った海兵達が集まってくるのは必然と言えた。暗闇にカッとサーチライトの暴力的な光が差し込まれる。


「おい、そこ、何をしている」

キング(ゾロ)「チッ、やっぱバレてるじゃねぇか!」

「ま、待て、こいつ、カイドウだ!」

ドラゴン(ドレーク)「ゾロ、頼めるか」

キング(ゾロ)「しょうがねぇな、ッたく!」


ドレークはこのような状況に慣れているため、咄嗟の判断で自らがこの場を離れ中継を繋ぐ任務を引き受けた。ゾロとルフィに海軍の視線を引きつけて貰っている内が狙い目となる。

ゾロは手慣れた動作で両手に刀を持ち、そして最後の太刀を咥えようと・・・


キング(ゾロ)「・・・あ」


咥えることができない。そう、マスクを外してはいけないのだ。第二次マリンフォード戦争においてキングの素性は明らかになったはずが、混乱を防ぐために世界政府が徹底的に隠蔽してしまったため、未だに隠す必要があるのである。


キング(ゾロ)「・・・・・・鷹波!」


ある種の縛りとなってしまった。二刀流で大勢を蹴散らすことになったのである。まぁウィスキーピークの頃と似たようなものか、とぼんやり思い出す。


カイドウ(ルフィ)「ゴムゴムのぉ~・・・・・・」


「青龍跳弾(ドラゴンテール・バウンド)!」


間髪入れずに広範囲攻撃が入る。どうやら人型に戻るコツを掴めずに諦めたのか、ルフィは青龍のまま尻尾をゴムひものように伸ばし、その伸縮性と超弾性をもって囲む海兵達を吹き飛ばした。カイドウの体とゴムゴムの実(便宜上呼称はこれで)のミックスでしかできない荒技である。


キング(ゾロ)「・・・随分と雑な技名だな」

カイドウ(ルフィ)「じょーがねーだろ、格好良くしたいんだよ」


さて、中継はサニー号に繋がれ、待機組は目的の地が如何な要害であるかをようやく確認できるようになった。ムッスリとした表情の電伝虫から映し出されるその全貌は、今までのと比べ質の高いものだった。どうやら、かつてこの地にあった城をそのまま海軍基地に転用したものらしい。ナバロンやマリンフォードなど様々な基地を見てきた面々からしても警戒すべき造りとなってあった。


サンジ(チャカ)「成程、四方を城壁で囲み水堀か・・・唯一の経路は空挺、或いは」

ゾロ(サンジ)「真南の正門のみ・・・空から行った方が良いかもな」


この世界、空中からの攻撃に対する対策は行き届いていない。能力でも使わないと空からの攻撃は防ぎようがないのだ。海軍も空からの襲撃に対する装備は行き届いていない。


ドレーク(カイドウ)「よし、じゃ南だな。要はそこを抜けば良いんだろ」


頑丈な護りがあれば、人は必ず油断する。


ドレーク(カイドウ)「良いか、おれが良いと言えばすぐに救出に向かえ。映像を無事に送り届けることができているということは、少なくとも海兵は一点に集中している。好機だ」


カイドウはそう言うと甲板に出た。現在サニー号は海軍基地や市街地のある方向と真逆の、丁度真南に位置する入り江に停泊中であり、甲板に出ると山々が見える。野生の猛獣たちのうなり声が、澄ました耳を通る。砂浜に立ったカイドウはアロサウルスの姿に変化し、そのまま大きく空気を吸い込んだ。何事かと船から様子を覗う仲間達。


ドレーク(カイドウ)「火皇砲・唖海絶ァ!(カノン砲・あみだ)」


ドレークの体に備わったバルジモア製機械装置とカイドウの戦闘面ポテンシャルが合わさって繰り出された特別版・熱息・・・・・・というよりかはパシフィスタ(やイム様)もビックリの破壊光線と轟音の後には、焦げ臭さとぽっかりとできた溝。山も土も木々も見事にえぐり取ったのである。


チャカ(ドラゴン、ジャッカル体型)「・・・・・・」(引き)

サンジ(チャカ)「おぉ・・・・・・凄い威力だな」

ドレーク(カイドウ)「1回やってみたかったんだよな、クイーンのアレ・・・」

ゾロ(サンジ)「やってみたかったじゃねぇよこのバカ牛が!」

ルフィ(モネ)「島民達を巻き込んでたらどうするの?!」


ボコボコに制裁されるカイドウを横目に、キングが映像を見て確かめる。


モネ(キング)「・・・どうだ、大丈夫か」

ドラゴン(ドレーク)「今何が起きた・・・・・・?」

モネ(キング)「あー、まぁ、お試し感覚の砲撃・・・らしい」

ドラゴン(ドレーク)「?・・・市街地の被害は無い。丁度基地の南側が吹き飛んだな。今基地内総出で調査している。警報が耳に響くな・・・」

モネ(キング)「よし、行くぞ!トラファルガーを救出し脱出する!」


続:忘れた頃のシャンブルス(Season2)③ – Telegraph










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