妖目の忍耐
前回の話
https://telegra.ph/妖目の雑念-07-10
フルルドリスの1番の強みは戦闘能力ではない。ただ、それを挙げる者が1番多いし教導の鉄槌テオも教導の大神衹官もアディンも強さを挙げていた。
「お姐様の1番の強みは…」
だけれど
「心の強さだと思います!」
エクレシアだけはそう答えてくれた
「はっ!?」
アルバスの鈴口にキスをして多幸感に包まれたところでフルルドリスは我に返った
(私は何てことを…!)
フルルドリスの性知識は乏しい。異性への愛情の示し方がキスくらいしか知らないためアルバスの吸った3年分くらいの性欲が亀頭の臭いと共にフルルドリスの脳に一気に流れ込んできたため、陰茎に最大限の愛を捧げてしまったのである
(この匂いをもう一度嗅いだら私は終わってしまう…!)
ガクガクと震える脚に力を込める
大丈夫、私はまだ動ける
「フルルドリス」
アルバスが優しく肩に手を置いた
「フルルドリスの心を乱すものはこれだったんだな」
口調は優しい、のに表情はまるで別人のようだった
「向き合うんだ」
向き合う? 何に…?
「この臭いに」
脚からまた力が抜けた
「まだ治ってない、俺、思うんだ。これはまたフルルドリスを苦しめる」
アルバスはフルルドリスの手を陰茎に導く
抵抗出来なかった
「大丈夫フルルドリスは誰よりも強い心がある」
エクレシアが言ってくれた、大事にしていた同じ言葉をかけて
「だからもっと嗅げば耐性もつくと思うんだ」
逃げ道が塞がれた気がした
す〜〜〜〜〜〜♡♡♡♡♡♡♡♡
大脳に届けられる電気信号は幸せの快楽物質をもたらしてくれる
何なのだろう、私はこの匂いをなんと呼べば良いのだろう
嬉しい、幸せ、慶福、俸禄
ええい、堅苦しいもっと他に…他に…
「…旦那様」
アルバスの陰茎が少し跳ねた
正解だったのだろうか
「旦那様」
睾丸に唇で愛を伝える
「旦那様」
裏筋に
「旦那様っ」
カリ首に
「旦那様♡」
2回目の鈴口に
そういえばエクレシアがテオやアディンと一緒にいる時とアルバスとでは全然違っていた気がする
何が違うのかといえば距離だ
多分半歩ほど
たった数センチではあるが
きっとそれは──