天地創造一週間
※アホ
※今更だけどかなりキャラが崩れてるため各自頭を低くして衝撃に備えてほしい
※開発の途中経過は生得領域にて自分の体で確認している宿儺P
鬼神は「無様あれ」と言われた。すると無様があった。
鬼神はその無様を見て、良しとされた。
──「虎杖記」天地創造第一日
「うっわ、最悪。腫れてるじゃん」
昨晩も宿儺Pによる無様射精──今回はベーシックな手コキと搾乳バイブによる乳首刺激コンボ──を仕掛けられた小僧は、朝自分の胸筋という名のおっぱいを見下ろして愕然とした。慎ましかったはずの乳首がぷっくりと大きくなっている。小指の先ほどのサイズは指で簡単につまめてしまいそうだ。
見る人が見れば性感開発中のメス乳首とわかるそれは正確には腫れているのではなく肥大化しているのだが、高校生らしい性知識+αしか持ち合わせていない小僧は知る由もない。
もしかして服の上からでもわかっちゃう?釘崎にセクハラだって殺されん?と思い当たってしまったので念の為確認することにする。
「これは…どう見てもバレバレ…」
厚手の制服なら大丈夫だろうが、今日も体術訓練の時間がある。スポーツインナーの上からゆったりめのTシャツを着てみたが二つの突起は明らかだった。諦めきれず今日の気温で着ても問題ない薄手のパーカーを重ねてみるが、自己主張の激しい乳首は3枚の布を物ともせず「俺はここにいるぞ」とばかりに存在感を放っていた。
それに色々着替えてみてわかったが、先端が服に擦れるとピリピリとした痛みが走る。今はまだ我慢できるがそのまま一日過ごせるかは自信がなかった。
「あ!絆創膏貼ればいけんじゃね?」
名案!とばかりに手を打った虎杖は、簡単な治療グッズが入っている引き出しを開け絆創膏を取り出す。ついでに目に入ったオロナインも、腫れと痛みが和らぐかと塗っておくことにした。
早速オロナインを塗り、乳首を隠せる大きさの絆創膏を上から貼る。
「ちょっとヌルっとして気になるけど、仕方ねえよな」
ヒリつきと腫れが引くまでの辛抱だ。
インナー姿を横から鏡でチェックして乳首が浮き出ていないことを確認し、制服に袖を通し食堂へ向かう。頭の中はもう今日の朝食メニューのことでいっぱいだった。
◇
一方その頃、生得領域の宿儺。
「ダァ〜↑ハッハッハッハァwwwヒィ〜wwゲホッwブハハハハハハwwwオ゛エッ」
爆笑であった。なんなら笑い過ぎて少し咽せていた。
キャラ設定のケヒヒ笑いも呪いの王の威厳も何一つ守れていない。
「み、魅せてくれたなぁッハァwwwこぞウ↓ヒィ↑ハハハハwww」
宿儺Pは無様プロデュースのために現代の性的知識の収集に余念がない。虎杖は気づいていないが、無様らない日にも契闊で交代し小僧のスマホであれこれ調べている。履歴が残らないようシークレットブラウザを使用する抜かりのなさだ。契約中のプランはパケ放題なので、虎杖は就寝後の通信量増加に全く気づけていない。
そんなこんなで集めた無駄知識の中のひとつがオロナインを塗り絆創膏を貼ることで行う乳首開発、通称チクナインである。
「ンン゛ッ…よいよい、契闊はしばらく控えてやろう。とりあえず一週間ほどか」
まさか平穏無事な日常生活を送るため色々工夫した結果、偶然チクナインに辿り着くとは。アイツちょっとミラクルが過ぎんか?と大層おウケになられた呪いの王は、愚かな小僧に慈悲深くも一週間の無様休暇を与えたもうた。
こうして虎杖のセルフ乳首開発ウィークが始まった。始まってしまった。宿儺P曰く、無知シチュもまた無様エロへと続く道だそうだ。その道は廃止した方がいい。
◇
一日目。剥がしてから一旦寝巻きに着替えたが、服に擦れるとまだ痛みがあるので寝る間も同じことを続けた。
二日目。まだヒリつきからくるムズムズとした痒みは治っていないので同じことを続けた。
三日目、四日目。ポロポロと薄皮が剥がれてきたが、ヒリつきの原因は細かい傷がついていたからかと納得して同じことを続けた。
五日目、六日目。痒みが強くなっている気がしたが、爺ちゃんが虫刺されは痒くても治るまで触るなって言ってたから同じことを続けた。
◇
ここ最近の虎杖はとても上機嫌だった。世界が輝いて見える。伏黒の癖毛は完璧な黄金比を描いているし、釘崎の買い物に同行すればそこはランウェイと化し、五条先生の遅刻に至っては待つ時間すら胸躍る日常のスパイスに思えた。
何故ならこの約一週間、一度も宿儺によるサプライズ無様がなかったからである。
ようやくアイツも無様するのに飽きたんかな〜と呑気に考えている小僧には、全くもって己の内に巣食う呪いに対する危機感が欠如していた。
◇
「…なんかめっちゃピンクになってない?」
七日目の朝。虎杖は鏡の前で自分の乳首を確認していた。
オロナインを塗って絆創膏を貼るだけなら鏡を使うまでもなかったので、まじまじと見るのは一日目の朝以来だ。銭湯で居合わせたおっちゃん達を思い返してみるに元々そんなに暗い色ではなかったが、乳輪も含め色が明らかにワントーンは上がっている。
一週間経っても腫れは引いていないし、相変わらず痒みもある。そろそろ自己治療では限界があるのだろうか。
…それに、最近は絆創膏を剥がすときに何故か高い声が漏れる。試しに少しだけ乳首に触れてみると、そこから離れた下腹部にジクジクとした感覚が走った。
「えー、これ家入さんに見せるのはちょっと気まずいな…でも乳首って何科に行けばいいんだ?」
とりあえず「乳首 かゆい 受診」で検索しようとスマホの画面を点けると、すでにブラウザが立ち上がっていた。表示されているのは何かの体験談をまとめたブログ記事のようだ。
こんなページ開いてたっけ、と何とは無しに内容へ目を通していく。親指でついついとスクロールしていくたびにその顔色は青くなったり赤くなったりして、最終的には羞恥と怒りで真っ赤に染まった。
衝動のままにスマホを壁にぶつけようとしてなんとか思い止まる。虎杖の膂力で投げつけると画面にヒビがはいるどころか木っ端微塵になってしまうし、現代っ子がこんな事でスマホを失うわけにはいかなかった。
「アイツ知ってて放置してたな…!どうりで一週間何もしてこないわけだチクショウ!!」
無様エロに対する勘があまり鋭くない虎杖にも、宿儺が自分に見せるためにそのページを開いておいたことはわかる。
ブログ記事には「手順」としてこの一週間で自分がとっていた「治療行為」と全く同じことが書かれ、最後はこんな言葉で締め括られていた。
「『一週間後には可愛いピンクのモロ感ドスケベ乳首の完成です♡』じゃねーーーよ!!オロナインをそんなことに使うな!!」
虎杖の魂のシャウトに隣室の伏黒から壁ドラムの合いの手が入った。
──あのクソ野郎、次に生得領域へ行った時には絶対一発ブン殴ってやる。
そう己に誓った小僧は早速今夜上機嫌の宿儺Pから領域に招かれることになるが、もちろんその拳が届くことはない。なんなら返り討ちに遭って腹の上に座られグェと間抜けな声は出るし、そのまま自分で育てた「可愛いピンクのモロ感ドスケベ乳首♡」を死ぬほど弄られ初めての乳首イキで容赦ない連続絶頂を体験することになる。いつも通りのアヘ顔ぐちょぐちょENDだった。
今までの対宿儺戦績は全敗だが虎杖は決して諦めない。何せ夢見る権利は誰しもに平等に与えられているので。