初めての外
https://telegra.ph/ドゥフシャラープリテンダー-08-01
↑の生前の話
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ドゥリーヨダナからたまにはお前も体を使えと言われた。
私が外に出た時に人間を見たらどう行動するか自分でも分からなかったので断った。
押し切られた。
ドゥリーヨダナの弟たちや妹、友人たちと会話した。
私のことも兄扱いしてくれたし、友人が2人も増えた。
嬉しかった。
美味しい物も食べた。
ドゥリーヨダナの記憶を見ることは出来ても、感覚までは共有出来ないため何かを食べるのが楽しかった。
……少し食べすぎた。
両親の前では頑張って演技した。バレかけたのでドゥリーヨダナが出てきて誤魔化した。
全体的に見れば楽しい思い出だ。
ただ最後に風神の息子に出会った。
「お前誰だ?百王子じゃねえだろう」
「え?」
腕を掴まれた。
初めて痛みを感じた。
ミシッという嫌な音が聞こえた気がする。
意識が引っ張られるような感覚がした。
「何をしておるビーマ!俺の手を離せ!」
「あ?ドゥリーヨダナ?おいお前」
「うるさい何意味わからんことを言っておる!不愉快だ、俺はもう行くからな!」
「おい、待て……」
「待たん!」
「大丈夫だったかユッダ」
「私は大丈夫。でもドゥリーヨダナの腕が……」
「安心しろ。この程度は怪我のうちに入らん」
……従兄弟にそっくりな偽物がいたら警戒するのは分かる。
宮殿にいるなら尚更だ。
頭では分かっていても痛いのは怖いし腹が立つ。
何よりドゥリーヨダナが怪我したのが嫌だった。
「……あの風神の子、嫌いだ」
「そうだな。俺もビーマは嫌いだ!」
風神の子と私が出会ったらまたドゥリーヨダナが怪我をするかもしれない。
次にドゥリーヨダナに言われても外に出るのはやめようと決めた。