ドゥフシャラー(プリテンダー)
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「……やはりそうか」
そう言って風神の息子は私に槍を向けた。
「ビーマさん!?何を」
「そいつはドゥフシャラーじゃない」
「え?」
「そうなの?」
「確かに何か違和感があったような……」
「はあ……」
私は思わずため息をついて風神の息子に目を向ける。
「なんで気づいた。これでもあの子そっくりに演技出来てたと思うんだけどなあ」
「ドゥフシャラーは俺をそんな目で見ねえよ」
「へえ……。貴様がそんな理解してますみたいな言動するのめちゃくちゃ腹立つんだけど。やめてくれないか風神の息子」
「あ、あの。貴方は何者なんですか?」
「そう警戒した目線を向けるな盾の娘。私は君たちの敵ではないよ」
「ドゥフシャラーを名乗り俺たちに近づいたのにか?」
「うるっせぇなあ……。ここの黒幕にバレないように近づくために女神サマがこの器に私を整形したんだから仕方ないだろ」
「女神サマ?」
「それって……」
「薄々察しがついてるのかなカルデアのマスター?貴様もよくご存知な大地の女神サマだよ風神の息子」
「……何者だお前」
「失礼な奴だな。生前にも私と貴様は会ったことがあるんだぜ?……二回だけだけど」
「我が名は人口調整機構・ユッダ。神に作られた兵器であり神造悪。……貴様の宿敵のドゥリーヨダナの中に潜んでいたもう一つの人格であり、神に与えられたオーダーを果たせなかった愚かな物だ」
真名開花
人口調整機構・ユッダ
ユッダ
ドゥリーヨダナの中に潜んでいた人格でありとある世界の人口調整機構。
ドゥリーヨダナの死後に出てきて規定人数まで人類コロコロする予定だったのに、ドゥリーヨダナが死んだ時にはもう規定人数まで人類が死んでてアレー?ってなった可哀想な子。実質ニート。
ドゥリーヨダナとは彼が寝ている時に精神世界でちょくちょく会話していた。
ユッダという名前を付けてくれたのはドゥリーヨダナ。
ドゥリーヨダナの記憶を記録として知っているため彼の家族と友人たちへの好感度が高い。
ビーマが嫌い。他の五王子はどうでもいい。
ビーマが嫌いな理由は子どもの頃に一度だけドゥリーヨダナに言われて自分の人格を表に出した時に、ビーマに誰だお前と警戒されて腕を折られそうになったから。
あとビーマが決闘の後にドゥリーヨダナを踏み潰した時にユッダは半分覚醒仕掛けていたため若干ビーマのことがトラウマになりかけている。
今回の現界はドゥリーヨダナの英霊の座でゴロゴロしていたら大地の女神の命令で出向させられたためである。
「これこれこう言う理由で行ってきて」
「はーい女神サマ」
「あと黒幕の目を騙すのにドゥフシャラーちゃんの姿で行ってね」
「はーい……え?」
本人はあの優しい子の姿で戦闘するの嫌だなーと思っている。