明日はきっと良い日
しとしとと降る雨の中、アスファルトを蹴って独特な匂いを吸い込みながら傘を差していた。昔使ってたものと違って透明なそれはひんやりとした温度を手に伝えてきている
「っはは!明日かあ……久しぶりの休みなんだ。僕も少しは頑張ってあげようかな!」
適当に家から持ってきたレジ袋を持って今まで見てきただけだったスーパーに歩を進め、見上げても天井の角が中々見えないそれが見えてきた。真隣にはいつも行っているコンビニが見える。いつも見て入っているはずなのに建物がこじんまりと見えるのが不思議だ
ふとあのコンビニでのいつもの流れを思い出した。毎回同じ内容という訳では無いが、それでもお決まりの流れがあった
「今日はー…これ!どう?ついでにポテチも買っちゃお!」
「これもどれも前と同じじゃない…?それにポテチってお金は大丈夫なのかい?」
「私が良いと言えばいいの。この場で一番偉いのは私なんだから!」
こんなことを言いながらそこまで美味しくないカップ麺を買うのがお決まりだった。いつも君より僕の方が偉いのはおかしいと少し思ったが、それでもまあ…言えば言い合いになるのは分かったから口を閉ざした僕は偉いと思う。言い合い自体は楽しいけれども注意されるのは面倒だ
うだうだとスーパーを見上げながら思い出に耽り、ハッと現実に帰って止まっていた足を進めた。ポツポツと音を立てて降る雨が冷やした空気が通り抜けて心地が良い。明日は晴れると聞く、きっと暖かい良い天気になるだろうな
手持ちのお金は千円札一枚。先日久方振りに出会った友人に貸してもらった物だ。そのうち、覚えてる内に返そうかなとぼんやり思いながら籠を抱えてスーパーを歩く
君は貧乏だからきっと千円だけで十分だ。もし一万円の物を見せた日には腰を抜かして驚いてしまうに違いない。いつもから頑張ってる彼女にそんなことをしてしまったら可哀想だから、でも少しは驚いてほしいから、今日は明日の昼御飯の材料を買いに来た
明日は僕が料理をしてあげるのだ
籠の中にパスタやトマトの缶詰、それに蜜柑の缶詰を入れて会計を済ませる
さあ、帰ろう
屋根の下から雲の下へ手を伸ばし天気を確認する。まだ俄雨が降っていた