ALL OF ME

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例のスレ72 A国での再会は…





「オールマイト!こっちだ」

「エンデヴァー…緑谷少年は…?!」

「命に別条はない。ただ‥意識が戻らない」

「オールマイトさん!遠路はるばる申し訳ございません」

「お母さんもいらしてたんですね」

「意識だけが戻らないとのことですが…私はその状態には心当たりがあります」

「オールマイト…!?」

「前の戦いの後も同じ状態になりました。私が様子を確認しましょう。少し二人きりにさせてもらえますか」

「頼む」

「お願いします!」

「ご母堂…我々は廊下で待ちましょうか…」

「…はい」


「I国で怪我って…どうしてA国から」

「…今回の出久くんの怪我はいわば私の責任です」

「エンデヴァーさん?」

「I国に出張を希望したのは特別な休暇を申請するためです。危険度の高い任務の見返りに長く休める休暇です…おそらく私に会うために。無理をさせてしまった」

「…そう…だったんですね。あの子らしい」

「…私が前もって止めるべきでした。お詫びの申し上げようもありません」

「エンデヴァーさん。出久が選んだのなら出久の選択です。今回も身を挺して誰かを助けたのでしょう?出久ならどこにいてもやりそうなことです」

「しかし…」

「きっとすぐ目を覚まします…信じましょう」



***



「………」

「何をお考えですか?まだ…ご自分のせいと」

「…その通りではありませんか」

「お立場上、色々迷われて辛いと思いますけど…どうか出久の気持ちを分かってやってください。あの子はあなたのこと本当に好きなんです。母親の私がいうのもなんですが、出久はとっても優しい子で…優しすぎてヒーロー以外ではほとんどわがままなど言ったことはなかった。初めてなんですよ。あの子が自分の我を通そうとしているのは」

「わかってます。しかしやはり…こんなときばかりは親の世代としては考えてしまう…出久くんの未来を……」

「私は出久の幸せだけを考えています」

「ご母堂…」

「それが母親です」

「…本当に強いかただ」

「でもこう割り切れるのは親だからですよ。あなたの奥様はもっと強いと思います」

「え…」

「私、夫に出久くらいの若い恋人ができたらさすがに穏やかではいられません」

「……」



***



「お…お久しぶりです、皆さん‥」

「ヘイヘイヘイヘイ!9代目~!!」

「私の危機感知が過剰反応でバグるなんて…とんでもないとこに派遣されたな」

「坊主!傷は浅いぞしっかりしろ」

「緑谷くん、ほんとひさしぶりだねえ!」

「自己管理がなってない…」

「リーダーの言うとおりだ」

「無茶は俊典ゆずりか?そんなところを真似なくっていいんだ」

「皆さん…もしかしてわざとですか僕のこの状態…」


「まあ!少しはさあ!」

「正直、僕はいい機会だと思っているよ」

「君また私たちの声を聞かないで」

「無理をして負傷など下の下だぞ」

「せめてちゃんと寝ろ」

「徹夜は寿命縮めるよ?」

「私が言うのもなんだけどさ。まともな食事とらないと!」

「ハハ…皆さんには全部…バレてます‥よね」

「「「「「「「働きすぎ!」」」」」」」


「それはそうとさあ!ひとこと言っていいかな?R国にいたときに付き合ってたあの可愛い子はどーしたの!!」

「あの…っ!プライベートは保証してくれるって」

「俺さあ応援してたんだよお!あの丸くってかわいい子だろ?なのに色々しらないうちに隣にいかつい大男が寝てる衝撃、わかってほしい」

「ちょっ…だからプライベートです!!」


「しかもあの御仁かなり強いな。君が守る必要ないんじゃないのか」

「そりゃあ…ナンバーワンですから」

「うん知ってる」

「たしか昔もそんな騒ぎしてたよね」

「…その大男をさあ…君はいいようにさあ!」

「ちょっと…いいかた!まあ否定はしません‥けど。『守る』とかそういうんじゃなくって…好きなだけです」

「別に私達は反対はしてないんだ。ただ、君またひとりで頑張りすぎ。もう少し休んだらいいし、向こうから会いにきてもらいなよ」

「忙しいのにそんなこと…」

「気持ちだけでも甘えたらいい」

「会いたかったら会いたいっていいなよ」

「は…はい」



***



「う…ん」

「少年…少年!?」


「…どうだ?」

「エンデヴァー。まだ話をしているみたいだ」

「そうなのか。俺は出て行ったほうがいいか」

「いや…この感じだと君がここにいても大丈夫!」

「そんなことまでわかるのか」

「私の意識も一部だけどOFAの中にあるからね」

「何を話しているのかまで分かるのか」

「なんとなくね。さっきまで喧々諤々って感じだったな…緑谷少年無理して怒られてたね……今はちょっとだけ静かで…ひょっとして君のことについて話してたりして…ははは」

「…笑えん…俺ならこんな関係には反対する」

「エンデヴァー!またそれかい。緑谷少年のためにも君にはしっかしてもらわないと困るよ!」

「オールマイト…」

「うん?」

「…すまない」

「えっ…君が私に謝るなんて明日は槍が降るかな?」

「俺は貴様をずっと妬んでいた…昔も…今も。俺は…」

「言うなよ!約束しただろう。緑谷少年を幸せにするって。迷ってる場合じゃないよ?…応援してるよ!」

「…ありがとう」

「Good!」



「オール…マイ…ト?」

「少年、目が覚めたみたいだ」

「ご母堂を呼んでくる!」



* * *




「じゃあ私たちは一足先に…」

「出久!もう急な飛行機はこりごりなんだからね!早く、でも慌てず帰ってきてね」

「うん。感謝祭の休暇には帰るよ!」

「待ってるね」


「二人を送ってくる」

「エンデヴァーさん、いいのよここで」

「そうだよ。君らも一刻が惜しいだろう」

「そ…それは」

「はい。ありがとうございます」

「デク…」



「エンデヴァー…」

「デク…」

「会いたかった…!」

「俺もだ」

「…ギュっとしていいですか!?」

「その前にいいか。任務中の事故は報告書通りか」

「はい…おそらく爆破系の個性で自爆を試みたようです」

「……Ⅰ国…だな」

「その子はなんとか確保しましたよ」

「それでいて君が怪我をしてるようでは…」

「外傷はなくって…ただ頭を強打しただけで…」

「意識を失うほどにか?一番ダメだろうが!」

「心配かけてすみません…」

「全く…だ……」

「…ひょっとして少し泣きました?」

「…心配でおかしくなりそうだった」

「え…」

「出久‥」

「…炎司さん…ちょ…ちょっと…苦しいです」

「我慢しろ」

「僕からもギュっとさせてくださいってば」

「ダメだ…じきに面会時間が終わる」

「もうそんな時間でしたか。多分これから精密検査して…問題なければ明日には退院できると思うんですが」

「そうか…。経過だけでも連絡をくれ。…明日会えたらいいが、いいか絶対に無理はするな。できるなら俺がそちらに行ってもいいんだぞ」

「寮はだめですってば。監視下です。ここも…これ以上は危険です」

「そうだな。俺は帰る」

「…はい。また」

「うむ」



***



『時間と場所はいいな』

『はい』

『ドアの合図に変更はない。携帯のバッテリーは抜いたな』

『もちろんです。スマホは音声の入ったダミーに切り替えました。ダミーのダミーとリカバリ用、バックアップと3台、GPSの画面表示は寮で固定です』

『万一の敵襲に備えて念のためステルススーツももってこい』

『なんだかすっかり仕事みたいですね』

『そうだな。…くどいようだが体調が悪かったら絶対に無理をするな』

『分かってます』

『…待ってる』

『…はい!』




***




「わあ…ほんとに会議室、ですね」

「知り合いの伝手だが…プライベートで二人分の寝室を借りるというのはためらわれた…どこで話が漏れるか分からん。それにまだ…君に無理はさせたくない」

「…こうして直接二人きりで会えるだけでもほんとにうれしい」

「ああ」


「炎司さん!」

「……出久」


「ああ…炎司さんの匂い…胸がいっぱいで…泣きそう…おっぱいもひさしぶり!」

「…ほぼ二か月ぶり…か…」

「まだ二か月なんですね…すごく…長かった…お会いしたかった…です」

「…俺もだ」


「もっと強く抱いてください…」

「苦しくないか」

「大丈夫です」

「…胸の重苦しさがあっという間に心地よい痛みに変わっていく…それが足裏から全身を伝わるような…不思議な感覚だ」

「僕もです。もう嬉しくって涙が出てくる」


「少し…痩せたか出久」

「炎司さんだって」

「俺は年齢的な負担を考え少し減らした。だが君がウエイトが落ちるのはおかしい」

「ちょっと…無理しちゃいました…」

「………小言は言わん。だが俺の言いたいことは分かるな」

「…はい。ごめんなさい心配かけて」

「まったくだ」

「…あの…」

「なんだ?」

「あなたを困らせたくなくて…ずっと言うのを我慢してたけど…僕…すっごく…会いたかったです」

「………」

「毎日が充実してたのは本当ですけども…それ以上に…ずっと会いたくて」

「寂しい思いをさせたな」

「…うっ…炎司さん…」

「…泣くな」

「だって…」

「…会いたかったのは俺も同じだ」

「うわああん」

「………」



「キス…してください…」

「ダメだ」

「えっどうして??」

「…欲しくなる」

「わあ…」

「正直もうかなりギリギリだ。これ以上は…こらえきれなくなる」

「僕は我慢しないつもりで来たんですけど…ダメですか?」

「…っ」



「…はあっ…」

「ん…もっ…と…」

「んん」

「く…ふっ…はあっ…は…あ…」

「そのかお…すごく…いい…もうすっかり…ふふ‥・・・かわいい・・・逃げないでくださいね」

「出…久…」

「好きです…炎司さん…!好きになりすぎたって悩むくらい…好きです」

「…………」

「…僕は幸せだからだからそんな泣きそうな顔をしないで…炎司さん」

「…泣いて…など…っ」

「我慢しないで思い切り聞かせてくださいよ…あなたの泣き声」

「あ…っ…ダメだ…!」



「え‥‥?」

「………」

「これ…?プラグ?…え…えええ?!?」

「昨日…その手の店に行って買った…」

「は…ええと?」

「実際『そう』なったら時間が惜しい…可能性はゼロではなかった」

「え…それで…こんなぐしゃぐしゃのまま…ここまで来たんですか」

「座れなかったからバスで来た…っ笑うな!」

「っ…くく…ふふ…ちゃんとそのつもりで準備してきてくれたんですね」

「ゆ‥!揺らす…な‥…あ…ああっ」

「もうちょっとこれで遊んでみたいところですが…時間がない。抜きます…」

「んあああっ…は…うっ」

「…やば…僕もう我慢できない…もう…こんな…柔らかくってトロトロで…いいですよね」

「ああ…っつうああああ!あああっつ!」

「入れただけで…イっちゃうなんて…」

「はあっ…はあ……は‥‥あ」

「すごい…」

「ひ…ひさし…ぶりだから‥‥だ…ああああ!…まだ…うごくなっ…」

「こんなにえっちな体にしてしまってほんとごめんなさい」

「…く…っつ……いうな」

「ゆっくり…いきますね」

「ああ…」

「服このままでいいですよね」

「良く…ないだろうが…もうかまわん」

「あっ…うごいたら…あああっああ!」

「ごめんなさい」

「やめ…激し…ああっあああ」

「…止まらな…い」

「いっ…ぐ…ああ…うああああっ」



「ふう‥‥…力抜いて…深呼吸」

「はあーーっ…ふう‥‥…は‥‥ふうー」

「そう…筋肉で締めないで中の反応に任せる感じで」

「すま…ん…慣らしたと思ったが…戻ってしまったか…」

「少し‥でも今…熱くてすごく気持ちいいですよ」

「僕だけを待っててくれたって感じで感激でした」

「いう…な…」

「でも…すぐこんなふうになっちゃうなんて…辛くなかったですか」

「…君と話した夜などは…体の熱がこもって…こたえたな…」

「えっち…!」

「だから会えたらもう…こんな…ていたらくで…どうしていいかわからん…」

「僕…ぼくだって…感激で興奮しすぎてまた止まれなくなっちゃって…」

「出久…」

「もう僕以外のことを何も考えられないようにしてしまいたい」

「うあっ‥‥いず‥く!ダメだ…ふ…ふか…い…いい‥ああ…あああっ」




***



「…今回のことでまた別れるとか言い出したらどうしようかと思ってました」

「………」

「炎司さん…?」

「正直に言う…恥ずかしい話だが俺はほんとうに人心の機微に疎すぎた。この数か月…とくに君と再会してようやく…家族の…妻や子供たちの気持ちに気づけたところがある。生死も分からず帰りを待つのがどれほど不安か。自分が思う相手に顧みてもらえないことが悲しく苦しいものだということが」

「炎司さん…」

「俺はいままでさんざん人を…家族を傷つけてきた。そんな俺にはやはり人に想われる資格などないと改めて思っている」

「そんな…」

「そう思ってるのに…どうしても…手離せない…俺は…」

「僕も…嫌です。あなたが望むのなら終わりにすべきなのかもしれないけど…僕にはできない。あなたの手を離したくなんてない」

「出久…」

「凄くわがままな気持ちです。僕のエゴです」

「……」

「ねえ、炎司さん。この国では誰も彼もが挨拶のようにいいますよ『愛してる』って。…もし相手のことを思うことが『愛』なのであれば、あなたを苦しめているこの関係からあなたを自由にしてあげるのが正しい判断なのかもしれない。でも僕はそんな気持ちにはとうていなれそうもない。だからこの気持ちはきっと恋、なんです」

「恋…か」

「僕だけ勝手にそう思ってるのかもしれないですが」

「いや俺も…誰にも渡したくないと思っている……すまん」

「謝らないでくださいってば。今さら僕を手放そうたって実際無理ですよ。…あなたはすっかり僕の心を持っていってしまったのだから」

「…‥‥…」

「炎司さん…まだ自分が幸せになったらダメだと思ってますか」

「…ああ。正直…どうしても…苦しくなってしまう…な…」

「困りましたね…」

「君を困らせるつもりはないんだ…すまない」

「じゃあ炎司さん…僕のために…離れないでいてくれますか」

「出久…」

「あなたを好きな僕の気持ち…僕の恋を救ってください…ヒーロー」

「わかった」

「ハハ…即答ですね!」

「それは・・ヒーローだからな」



***




「あと10分…ギリギリまでこうして触れていいですか」

「…ああ」


「そうだ…これを」

「これは?」

「誕生日だったろう。先月」

「ああ、はい。あなたからもメッセージいただきましたけど」

「プレゼントだ」

「僕に?」

「最高度の薄型耐火性フォルダだ。ヒーロースーツにじかに入れても動きを邪魔しない。俺も使っている。メモや写真も入るぞ」

「あっ…それ…轟くんたちと…裏面はぼく!?」

「君も入れればいいだろう。…オールマイトを」

「どうしてそんな意地悪言うんですか。あなたの写真を入れるに決まってるでしょ。オールマイトと一緒に!」

「奴と一緒はやめてくれ」

「ふふっ…いいじゃないですか。二人とも…宝物なんですから、僕の」

「‥‥にしろ」

「なんですか」

「俺だけにしろ!」

「炎司さん…ほんとに可愛い」

「…可愛いはやめろ」

「やめません」

「…欲張りだな」

「はい」






ひとまずここまで

A国デート?でした



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2023年9月現在オールマイトが心配すぎて逃避がてら書きました

自分の中ではどういうわけかこの二人の物語が続いてる感じです

これも本誌の展開次第かもしれませんが(燈矢くんが気になりすぎる)

デクくんになんてことをって需要どころか石投げられそうですが…ひっそり上げます


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