チチの日:デクがエンデヴァーのおっぱいを揉む話(ほのぼの会話文エロもオチもないです)
72(ヒロスに関する超テキトー記述と最後本誌軸に触れてるんでそういうの苦手でない人向け)
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雄英の寮に戻ってきて数日のとある夜。
僕はひとり職員棟に来ていた。その一角にいまトップスリーも一時的に入って交替で休んでもらっている。
なかなか自由時間の取れない日々、僕はオールマイトのところに寄ったついでにお使いを頼まれていた。轟くんから預かったお菓子。もとはお姉さんからだけど、これをエンデヴァーに渡してほしいって。
肝心の部屋が分からず困っていると廊下の角から見知った影が。
「緑谷くん!」
「ホークス…」
「こんなところでどうしたの」
「エンデヴァーに渡したいものがあって…」
「ちょうどよかった!部屋はこの突き当たり右の二つ手前だよ」
「ありがとうございます。…あの…『ちょうどよかった』て?」
「あー……俺エンデヴァーさんに追い出されちゃってね」
「ええ…!?僕が入っても大丈夫かなあ」
「君なら歓迎だよ。君にはほんとに負担ばかりかけて心苦しかったし、エンデヴァーさん心配していたからね。俺もだけど」
「すみません…僕ならもう大丈夫です」
「ならよかったよ。ついでにエンデヴァーさんの様子をちらっと見てきてほしいし、できたらお風呂も湯舟につかるように言って欲しいんだけど……厳しいかなあ.…今はとにかくあの状態で一人にしたくないんだよねえ」
「わ…分かりました。頑張ります」
「はは、頑張らなくっていいよ。でもありがとう。」
そういうとホークスは向かいの部屋に入っていった。
ドアを緊張しながらノックをする。
「ホークス!一人にしてくれと言ったはず…」
いつもの声が聞こえてきた。
「…しっ…失礼しま~す」
「…君か」
「どうも、夜分にすみません。起こしちゃいましたか?」
エンデヴァーはヒーロースーツのまま椅子に座り机に向かっていたようだった。
「いや、寝てはいなかった」
…なのに目が赤いのは…もしかして泣いてたのかな…僕はちょっとドキっとした。
ホークスも心配してたけど轟くんのお兄さんのことでエンデヴァーがしょんぼりしてないはずがなかった。
「デク。もう体は大丈夫なのか」
「あ、はい!A組のみんなから元気をもらった感じです!A組はすごいんですよ!」
「知っている。…凄いクラスだ…君もいい友人たちを持った」
「はい!轟くんも元気で、皆といます」
「そうか……で、俺に何か用事があったのではないのか」
「あっそうです轟くんから預かったものがあって…これです。お菓子なんですけど」
「俺はレーションで間に合っている。菓子なら君が食べるといい」
「あ…でもぜひ。…こういう系好きだろうからって、えと、轟くんから、なので」
和柄の紙袋を手渡す。
「黒飴か…冬美だな…」
…秒でバレたよ。轟くん!
「…ありがとう」
そう言ってエンデヴァーは少し微笑んだ。
僕はびっくりした。
エンデヴァーてこんなふうに笑うんだ。
なんだ…なん…雰囲気がこう、さっきから別人のように柔らかい。
戦ってるときはもちろんだけどインターンのときとはまったくちがって混乱する。
「…エンデヴァー‥‥」
「ん…どうした?」
「あっ…と…いや、やっぱり轟くんに似てるなって」
「似ているか!?!」
「はい!額と生え際の角度がぴったり一緒です!あと胸から首にかけての筋肉の付き方とか、あと目の角度とかが、ふとした表情が重なることがあります」
「よく見ているな…」
「観察はその、趣味みたいなもので…」
「良いことだ。…それはそうと、わざわざ悪かった。何か礼がしたいがあいにく今は何もない」
「お礼なんて!僕本当に感謝してるんです。あのインターンでのアドバイスの色々が。今でもありがたいって思ってます」
「…そうか…」
うわー…また笑ったあ…怖くないエンデヴァー逆に怖いよう…ど…どうしよう…
「あっあの!じゃあひとつ、いいですか。そのヒーロースーツについて興味があって…気になってるんですが、それって超圧縮技術ですよね!?」
「現段階で最高度の技術だ。圧縮に興味があるといったな…解除の起動弁は分かるか?」
「スイッチじゃないし…炎と同時に出ていたから‥熱ですか」
「正解だ」
エンデヴァーが発火させるとボンと肩回りのガードが飛び出す。
消すとシュルシュルっと胸に収まる。すごい。
「すごい…すごい技術だ…大きいノート持ってくるんだったあああ!」
僕はとりあえずの小さいノートにメモをばりばりとる。
「はっ…でもそれに対応してる生地も凄い!」
「特注の耐火性の生地だ」
「み…見せていただいても??」
許可をもらった僕は上から下からあらゆる角度で眺めてみる。…凄く薄手だと思ったけどしっかりした布だ。燃えるように見える部分は一体どうなっているのだろうか。ワクワクとソワソワが止まらない。
「さ…触っても?」
「構わん」
「う…わあ!す…すごい滑らか!この生地、体にぴったりしてるけれどすごっく柔らかくて…こことか…全方向によく伸びるし動きやすそう…繊維…織りの目が細かいのにひとつひとつがよく伸びるんだ…これ素材なんだろう…耐熱機能からしてルミリオンみたいに有機物質が採用されているのだろうか‥‥あとできいておこ…いずれにしても肌に負担のかからなそうな断面であることは間違いない…上体部分の横模様の切り替えしで身幅全体の強度のバランスを取ってる感じ…そうかこれならアーマー部分も問題なく収納できる…うんよくできてる!この収納部分は堅いけどすごく軽い…これはもしかしなくても胸の筋肉の張りで支えているのか、可動範囲だけではなく筋力の収縮が想定されているなんてさすがだ…脇から胸元へのこの大きな曲線に合わせた縫製がもう神がかってる…わあ‥‥この接合部って色が違うだけで同素材なんだ…」
僕はわあわあ声を挙げながらいろいろ触ってしまった。
はっと気づくとエンデヴァーがやや居心地悪そうな顔をしている。しまった、生地だけじゃなくってその下の体もいろいろ触ってしまっていた!
「はああああ!すみません、つい、つい夢中になって…」
「いやそれは別にいいんだが…今日は風呂がまだなんだ…だからその…あまり触れてくれるな…」
「えっ…?」
「バクゴウに指摘されてな。加齢臭と」
「か…かっちゃんが!??!そんな失礼なことを!!!?言いますね!!!!ほんとごめんなさい!!!!」
「君が謝ることじゃないだろう」
「スンスン…でもそんな嫌なニオイじゃないし、なんかこうオトナの男という感じ…」
「…言わんでくれ…」
「すすすすみません…」
え…と…もしかしてて…照れてる‥‥あのエンデヴァーが照れてる…!?!?肝は冷え気味なのに頭に血が上る気もしてなんか思考がぐるぐるしてきた。
…いま僕、とっても大変失礼なことしてないかこれ……以前のエンデヴァーだったら燃やされてるよね…この微妙すぎる空気…なんとか…話題を…か、考えろ…!
「…あ!近くで見ると左胸だけ0.25ミリくらい余分な厚みがありますね。急所だからやっぱり補強とかガードが入ってるんですか??」
エンデヴァーは黙って左胸に手を入れるとそこから銀色の小さなフィルムを出した。そこに入っていたのは2枚ほどの古い写真…轟くん家の。
多分お兄さんのも…うわあああああああはっきり地雷踏んだああああ!!!
「あああ、シャシン‥‥い……イイデスネ。えっと…えっと…僕、僕もヒロスに入れてます!」
「ご家族の写真をか」
「いえ!オールマイトの」
「…オールマイトのか」
あっ!エンデヴァーってオールマイトのことキライだったああ…しまったああああ…話題、話題…っ。
「…ぼ、僕も母の写真をスーツに入れようかな!?そのほうがヒーローっぽいし……なんかお母さんいつも家にいてくれるから帰ったら必ず会えるって思っちゃってて…その…覚悟が足りなかったですね」
「いや、そのままでいい」
「え…」
突然の真剣な声音。エンデヴァーが僕の肩に両手を置く。
「気概は大いに尊重したい。実際に君に多く頼らざるを得ない状況でもある。…だが君にまでそんな覚悟をさせたくはない。そのために俺たちがいるんだ」
エンデヴァーは僕の目をまっすぐ見て言った。
「…デク。君は帰るんだ」
…その言いかたってまるで…
「……あなたも…帰るんですよね…ご家族のところに」
「俺は…」
下唇をかみ写真に目を落とすエンデヴァーが今にも泣きだしそうだったから。
「エンデヴァー!!」
「な‥なんだッ」
僕もついその肩に勢いよく両手をかけてしまった。
「お風呂に!!入りましょう!!!」
…大概のことはおフロに入ればなんとかなるんだ…ってのは上鳴くんの言葉……全然大概のことじゃないけど!それでも!
「僕と一緒に!!いきましょう!!お風呂!!!今すぐ!!」
「…なぜだ」
…っ…ええと…ええと…!
「ええと…ヒロス脱ぐとこ見たいんです!」
「……」
***
…僕って最低かもしれない。
余計な気を遣わせたくなかっただけだったんだけどそれにしても「脱ぐとこ見たい」ってなんなんだ。
…確かにあのヒロスの脱着すっごく興味はあるけれども!
でもエンデヴァーが今一緒に共用の大浴場に向かってくれてるのはなんでだろう。
浴場には備え付けの着替えもタオルもある。
でもエンデヴァーはなんと代わりのスーツを持参。あと一時間でトップスリーの交代なんだそうだ。
そんなめちゃくちゃ貴重な時間を僕との風呂に割いてくれちゃってよかったのだろうか。
でもここまできたらもう風呂の力を信じるしかない。
湯舟につかったらエンデヴァーも元通りになるかもしれないし。
脱衣所のすみでモゾモゾとしてたら声をかけられた。
「見ないのか?脱ぐぞ」
「へっ…!?」
あっという間に胸元から濃紺のスーツ生地がくるくるとめくれていく。
…え…す…素肌に直接…!!!
鍛え上げられた肉体と意外にも白い肌があらわになってゆく…。
「…は…え…」
「この部分が広がって脚も抜けるようになっている。なかなか合理的だろう」
「…ハイ…」
声が裏返る。ついに全身が表れた…表れてしまった‥‥肌がけっこう白い…たぶんこれ轟君と同じくらいなんだろうけど大人の男の人だからか、なんかすごいものを目の前にしている感にものすごく動揺してしまう。…で…っけー!…なにもかもでっけー…改めて思うけどすっごい肉体だ。ヒーロースーツ姿は見慣れていたけど裸の姿、しかも全裸ってなんか迫力が半端ない。こうみっちりと密度の高い肉の量感に圧倒される。首から下、脇、胸、背中、お腹と綺麗に筋肉の筋が走っていてそれでいて弾力あって柔らかそうで、引き締まっていながら背中もお腹もみっちりと充実していてもちろん腕も脚も太くてとっても力強くて…。何もかも分厚い。失礼だけどジューシーなお肉という感すらする。一番どっしりとしたヴォリュームを感じるのはやっぱり腰周りだろうか。そしてあの…僕が見ちゃってよかったんだろうか…その…ええと……
「…何とか言ったらどうだ」
「…で……でっかい…です…」
「これでもオールマイトよりもだいぶ小柄だがな‥」
小柄の定義がおかしいよう!…あ、オールマイトと比較して何か言ってほしいのかな?
「え…ええと。確かにオールマイトはくらべるとスマッシュが中心なので、上半身が秀でています。それに対してエンデヴァーはやっぱり下半身の安定感が半端ない感じです。やっぱり技の差でしょうか。背中から胸筋と腰回りが違う…これはむしろ個体差由来かと…」
「…スーツの件はいいのか」
は、と我に返って僕はまたメモをする。三回くらい「体がすっごい」て書いてるけどしかたない。すごい。
***
ようやくお風呂だ。
泳ぐほどではないけど十分に広い湯舟。
幸い僕たちしかいない。
首まで熱めのお湯につかるとやっぱり生き返る気がする。
…お風呂!最高!!!
ようやくほっとした僕は湯けむりの向こうのエンデヴァーの後ろ姿をぼうっと見ていた。
…何だろう…今日のエンデヴァーなんかすごく「お父さん」て感じがする…
もっとも僕のイメージする「お父さん」が果たして正解なのか分からないんだけど…。
……「お父さん」かあ…何年会ってないだろう。もう声も思い出せない。
「火を吹く」らしい個性ももちろん見たことなんかなかった。エンデヴァーほどすごい火じゃないだろうなあ。
そういえば「お父さんとお風呂」って子供の頃、ちょっと憧れたっけ…もう高校生になっちゃったけど…。
「湯舟に入るぞ」
「はぁい…おとうさん」
エンデヴァーが明らかに固まる。
「うはあっ…!先生をお母さんと間違うベタなアレ…やってしまいました、すみません…すみません‥‥はああああ!!!恥ずかしいいいいい!!」
「……気にするな」
エンデヴァーがゆっくりと入ってきて僕の隣に座る。
沈黙が…長くて気まずい。
「…ええと…あの…じつは僕…僕の父は……僕が小さい頃からずっと外国で…だからお父さんとお風呂に入るってやってみたかったんだよなあ…なんてつい考えてしまって…」
「そうなのか」
「はい…」
「…国にもよるが一切連絡も帰国もできないような仕事があるのは知っている。別に君やご母堂を軽んじてるわけではあるまいが………やはり父の不在は寂しいものか」
「…よくわかんないです。もう慣れちゃいました…。あ、こんな…僕のことはほんとにどうでもよくって…その…」
…ああ…バカ…僕のバカ…父がどうのって話、一番避けなきゃならないのに…なんだろう…なのに…どうして…
「答えにくいことを聞いてしまったな……俺もひとこと言っておいたほうがよいだろう。…インターンのとき。OFAのことが分かる前だ。自分で自分の体を壊すという君の個性に一瞬、息子を重ねてしまった。…君と息子はまったく違うというのに…」
「…その息子…って…もしかしてお兄…荼…燈矢…さんですか…」
エンデヴァーは頷くと黙って目を閉じる。
「顔も声も何もかも違うんだが…今日の君の俺に無邪気にじゃれつくところなんか…昔の燈矢にそっくりでな…俺のほうこそ無意識に父親面をしてしまっていたのかもしれない……すまない」
「いえ……こちらこそなんかすみません…」
…結局、地雷原をまっしぐらだったんだ僕…それでもなんだ…なんだ…この…少し…怖いけど寄りかかってみたいような不思議な感じ…
「…そんな顔をするな」
ポンと大きな手が僕の頭に乗る。
そのとたんになぜか急にお母さんの顔が頭をよぎった。
…おかあさん…ああ…お父さんの分まで守らなきゃって思っているのに…僕はいつも心配ばっかりかけて…!
こらえてもこらえて涙があふれてくる。
我ながらありえない。こんな人前で…。
「ご…ごめんなさいこんな、こっ…高校生にもなってこんな…」
「まだ子供だろうが…泣いたっていい」
僕の頭をポンポンしていたエンデヴァーの手が僕をぎゅっと抱き寄せる。
あったかくて大きな胸板に触れて僕の涙は滝のように流れだしていた。エンデヴァーの広い胸は柔らかくってすごくあったかくて……僕は目の前のピンク色の乳首をぼーっと眺めながらそのなだらかな曲線を頬に感じていた。
…あったかい…肌が…すべすべして柔らかい。頬に押しあたる量感がただただ気持ちいい。その奥から穏やかな心音が聞こえてきてああエンデヴァー生きてるんだって思ったら僕の心臓もさらにキュウっとしてさらに涙が止まらなくなった。けどその音を聞くと不思議に落ち着いた心地がして…うっとりさえしてしまう。なんでだ…男の人の…胸なんだよなあ…そっと押してみると巨大なお餅のような弾力と柔らかさが掌に返ってくる…この感触もたまらなく気持ちがいい…そしてとにかくあったかい…気づくと僕は谷間に顔をうずめながらひたすら撫でたり揉んだりしていた…無心に触ってるとさらに肌もあったかくなってきてもう顔までお湯につかっているみたいだ…なんかもう気持ちよくって…眠くなるというか気が遠くなりそう‥‥。
「…こうしてやればよかったのかもしれない」
聞こえるか聞こえないほどの小さなつぶやきに僕ははっと我に返る。
「まだ…遅くないですよ」
僕は顔を上げる。
エンデヴァーの目がまた少し赤い…辛そうだけどここは進むしかない。
「荼…燈矢さん…!確保…するんですよね!?」
先ほどからの優しい眼差しが一瞬にして消え暗い影がよぎる。
「…むろんそのつもりだ。しかし無理ならやはり俺が…」
「いやなんとしても確保、しましょう!」
「デク…」
「まだ…まだ助けられる!!」
エンデヴァーは一瞬驚いたような顔をしてからまた僕を見た。
「そうだな」
「僕も…」
…助けたいと思ってるって言葉をとっさに飲み込んだ。さすがに死柄木のことは理解してもらえないだろう。…確かにすごく難しい…でも…でも僕は…
「諦めたくない!」
「…ああ…そうだな」
「勝ちましょう」
「当然だ」
エンデヴァーの瞳に力が戻った気がする…良かった…そう思った瞬間、僕のなかで何かが途切れた。
「デク…デク!」
***
どうやら僕はのぼせたみたいで、気が付いたらベッドに寝ていた。
「大丈夫かい?」
ホークスだ。まだ意識がぼーっとする。
「…え…エンデヴァーは?」
「見張りに出てるよ」
ということはホークスだって今休みなんだ。貴重な‥時間を・・・。
「いろいろ…すみま…せん…」
「いやいや。緑谷くん頑張ってくれたんだね。一緒にお風呂に入るなんてやるなあ!エンデヴァーさん少し元気になったみたいで本当によかった」
「エ…ンデヴァー…すごかった…です」
「ん?」
「…気持ち…よかった……」
「え」
「おっ…ぱい…」
「?」
「…おっぱい」
「???」
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父のチチの日…おめでとう…!
(皆帰ってきてくれ!!!)
完全別時空での続き。いつのまにか戦い終わって皆無事な次元でのエンデヴァーの恋の話。