隊長格との遭遇④璃鷹負傷
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「ぐっ」
璃鷹が一護と接触をした後から異様に一護の周りの霊子濃度が極端に高い──そして 死覇装から見える首や手には何か青い紋様のものを肌に纏っている。
この現世において今ここに居る彼らは限定霊印をされており弱体化している状態だ。
しかし力が本来のものより劣っている状態だからと言えど彼らは歴とした隊長に属する。
現世の人間が勝てる確率などたかが知れている。
しかし今の一護達が隊長格に勝利する条件においてとても強いアドバンテージを璃鷹が一護に施したことにより、それは有利に働いた。
「何かこいつにしやがったな…!」
璃鷹はその問いかけには応じなかった。言葉の代わりに恋次の体には鞭をしならせた璃鷹は無数の青い弾を恋次に向かって放った。
その攻撃を避けるために上に飛ぶと次に璃鷹は飛廉脚を用いて恋次の近くに行くとそのまま恋次を一護の近くに叩き落とした。
「随分と傷だらけですね…手をお貸ししましょうか?」
「…はー…!…は…言ってろ…」
すぐに一護から距離を取り事なきを得たが今の恋次は身体中傷だらけでありこのままこうしていても埒があかないのは確かだった。
しかしそれ以上に恋次は霊圧先程恋次に負けていた少女とは思えない猛攻に恋次はたじろいだ。
確実に追い詰めてはいる──しかし恋次は今だ余裕は崩さず、そして近くにいる死神もまた自身の副官がここまで負傷しているのに何故か傍観していると言うことが、璃鷹は気がかりだった。
──その理由はすぐに分かった──こちらが仕掛ける前に赤髪の男の雰囲気が変わった。
「この程度で勝ったきかァ?」
「見てのとおりです」
そう答えた璃鷹を鼻で笑うと突如恋次は一護に質問をした。
「オイてめぇ!その斬魄刀のなんて名だ⁉︎」
「あ⁉︎名前⁉︎無ぇよそんなもん!…てか斬魄刀に名前なんてつけてんのかテメーは⁉︎」
「…やっぱりな 」
人間である一護にはその恋次が言っている意味や意図が分からずそう返す。
するとその一護の返答に恋次は納得したように呟いた。
「てめーの斬魄刀に名も訊けねぇ!!そんなヤローがこのオレと対等に戦おうなんて…二千年早ぇェよ‼︎!」
「…!一護一旦距離を」
何をしようとしているのかに気づいた璃鷹はそう一護に言ったが──しかしその忠告が最後まで言葉を紡ぐ事なく、他でもない恋次によって掻き消された。
「もうおせぇ!───〝吼えろ〟『蛇尾丸』!!前を見ろ!目の前にあるのは…てめぇの餌だ‼︎!」
斬られる──そう思ったが、しかし一護の体にはその恋次からの攻撃の衝撃がいつまでも来ない。
代わりに何か温かい液体が一護の顔に飛んだ。
──何度も心の中で一護はそれを否定しながらゆっくりと目を開けた。
「…璃…鷹…?」
結論だけを言えば一護の予想は的中した。
目の前で見た光景に、一護は混乱した。
一護の前には、自身を庇い背中は始解の攻撃によりパックリと裂け、血まみれになり倒れていた璃鷹の姿があった──。