【試作】砂糖堕ちハナエちゃんのお話ゲヘナ編第3話ヒナ(3)
砂糖堕ちハナエちゃんの人「ただいま」
ゴミ掃除を終えて一足先に風紀委員会本部棟に戻ってきたヒナ。
「アコ、砂糖たっぷりのコーヒーを淹れてちょうだい」
いつものように声を掛けた所でふとヒナは気づいた。
「……まだみんな戻って無かったのね」
昼間発生した、スケバンとヘルメット団の暴動事件を一人無双して解決した後、イオリ達に後始末を押し付けて一人でさっさと帰ってきたことをヒナは思い出す。
「……自分で淹れよう」
給湯室に向かうとコーヒーを淹れ始めるヒナ。ふと砂糖が見当たらない事に気が付く。
「砂糖はどこかしら……?」
戸棚や引き出しを手当たり次第に開け放つ。やがてある引き出しを開けた時、"ソレ"はヒナの目に飛び込んできた。
「これが……砂漠の……砂糖」
強烈な甘い香りとぼんやり淡い光を放つ白い砂のような結晶――砂漠の砂糖がそこにあった。
・ヒナ「砂糖はこれね、スプーンで掬って入れましょう」
→砂糖中毒軽症化IFルート
・ヒナ「食べたい……砂糖を直に食べたい……」
→砂糖中毒重症化ルート(※このまま読み進めてください)
「食べたい……砂糖を直に食べたい……」
砂糖の袋にゆっくりと手を伸ばすヒナ。コーヒーに入れた分でも強烈な甘さと多幸感をくれたのだ。何も混ぜてない砂糖だけを直に食べたら一体どうなってしまうのか。
「ちょっとだけ……ちょっとだけだから……」
小さい頃、家の台所で砂糖の入れ物に指を入れて砂糖を舐めて怒られた事を思い出しながら唾液の付いた人差し指を砂糖の袋へと伸ばす。
そっと砂糖を指でなぞればザラリとした感触と共に指の先に砂糖の結晶が引っ付いて塊となって現れる。
「あと少し……あと少し……」
ゆっくりとそれを口元へ運ぶ。
「いただきます……」
口に差し入れた人差し指をゆっくりと舌の上に着地させる。
「~~~~~~~~~!!!!!!」
その瞬間、あまりにも暴力的な甘味の刺激がヒナの脳を全身を揺さぶり焼き尽くしていく。
シュワシュワ、パチパチ、パァン、パァン
目の前に七色の花火が打ちあがり、いや、ヒナ自身が花火になり大空高く打ち上げられたような感覚に襲われる。
「カヒュッ…あひぃ……おいしい……おいしいぃ」
やがて、暴力的な甘味の嵐が過ぎ去り、ヒナの心と身体に落ち着きが戻ってきた。
「ハァッ……ハァッ……足りない……まだ足りないわ」
しかし、それは同時にヒナの心と身体に強烈な虚脱感と欠乏感を齎す。身体が渇き、心が飢える。
「もっと……もっと……お砂糖……食べたいのぉ……」
今度は迷うことなく指を砂糖の袋へと突っ込む。今度は表面の撫でるのではなく、深く深く砂糖の塊の中に指を埋め、そこから持ち上げ掬い上げるように指を上げる。
たっぷりたっぷりと指先から付け根まで砂糖をまぶした指を口の奥にツッコミ舐るように掻き回す。
シュワシュワシュワ……パチパチパチ……
再び甘味の暴力に酔いしれるヒナ。
「ハァッ、ハァッ……美味しい……まだ食べたい……もっと食べたい」
再び砂糖へ手を伸ばすヒナ。今度は指2本――指3本――指4本――指5本――――指じゃ足りないと腕を突っ込み手のひらいっぱいに掬い口へと運ぶ。
「キヒッ、キヒッ……甘ぁい、甘ぁいぃぃぃ……」
気が付けば腕の肘辺りまで砂糖塗れになり、目の前には完全に空になった砂糖の袋が転がる。
「足りない……砂糖は何処にあるの………アアアッ、あったぁ……♡」
引き出しを漁れば、最後の一袋が目に入る。引っ張り出して、袋を開けると、腕を突っ込もうとして――。
【そんなチマチマとした食べ方で本当に満足ですか?】
脳内に声が響く。
【委員長、せっかくの未開封の砂糖の袋を開けたのです。袋に口を付けて直飲みしませんか?砂漠の砂糖1kgイッキ飲みです♡】
「そ、そんなの……」
【怖いですか?はしたないと思いですか?よく考えてみてください、手で掬ったから汚れてしまいます。袋直飲みでしたら手が汚れなくて済みますよ?】
「手が汚れない……」
【それにイッキ飲みすれば、それだけ砂糖の幸福感が強くなります。もう我慢できないでしょう?さぁググイッと一気にっ!!】
「もっと……気持ちよくなれる……もっと幸せになれる……」
震える手で袋を持ち上げ、ゆっくりと大きく開いた口へと近づけていく。
【な~んで持ってんの!な~んで持ってんの!飲み足りないから持ってんの!ハイ!の~んで飲んで飲んでの~んで飲んで飲んで】
「はぁっ、はぁっ、砂糖の袋直飲みイッキ飲み……」
袋の端が唇に触れる。後は袋を傾けるだけ……想像を絶する快楽が目の前へと迫って来る。
【ヒナ委員長の!ちょっといいとこみてみたい!それ!イッキ♡イッキ♡イッキ♡イッキ♡イッキ♡イッキ♡イッキ♡イッキ♡イッキ♡】
脳内に響く声に押され、ヒナは砂糖の袋を傾け約1Kgの砂糖を一気に口の中へと流し込むのだった。
「ゴホッ……ゴホッ……カヒュー、カヒュー……」
乱暴に引き裂かれた空き袋と床に撒き散らされた砂糖の上に一人の少女が横たわる。
何度も何度も身体を痙攣させ、その度に足の付け根から黄色い水と粘り気を帯びたやや半透明な粘液を噴き出し水溜りを作っていく。
綺麗だった顔は砂糖と鼻から噴き出した血で汚い紅白の斑模様に染まっている。
血走った瞳は光を失い瞳孔は開き切って腐った泥水のように汚れている。
正義と秩序の化身、ゲヘナ最強と謳われた少女の変わり果てた無残な姿がそこに遭った。
【本当に愚かな女。こうも簡単に堕ちてしまうとは。この様子なら第2フェーズに移行しても問題ないようね。ふふっ、もっと狂いなさい。もっと壊れなさい。わたしの愛しい哀れな委員長(お人形)さん♡】
(続く)