第一章
ガンジュとの出会い西流魂街
「な…何しやがんだこのタンポポ頭!! ケンカ売ってんのかコラァ!!!」
「こっちのセリフだこのイノシシ原人!! 一体何なんだてめーは!?」
揉めるガンジュと一護。突然始まったケンカに井上が焦る。
「ケ…ケンカだ…どうしよう…! と…止めなきゃ…!」
『それは相手の男を始末して欲しいってことでいいんだね?』
「よ…よくないよ!?」
「落ち着けカワキ…!」
絡まれることが面倒になったカワキは暴力で事態を収めようとする。チャドがカワキを抑えつつ、石田が長老に事情を尋ねた。
「何なんですか長老さん! あいつは!?」
長老によると、ガンジュは死神嫌いで有名な男だという。そんな話をしているうちに、ガンジュが雄叫びをあげて一護にタックルした。
「うおおおおおっ!!!」
小屋を飛び出していく一護とガンジュ。
「く…黒崎!!」
「黒崎くん!!」
「おっーと!」
追いかけようとした井上と石田の前にイノシシに乗った取巻き達が立ちはだかる。二人の後ろから銃を片手にカワキがゆっくりと歩いて来た。
『“争いというものは辛いものだ”。父の口癖でね、その意味がわかったような気がするよ』
「カワキちゃん、銃はダメだよ!?」
早々に取巻きを片付けたいカワキ。止める井上。そうしているうちにも、一護とガンジュが対峙する。
「まずい! 黒崎の奴、斬魄刀を持ってないぞ!」
『敵地で武器から手を放すなんて……』
「待って! いま盾を!」
「あっ!? コラ! 何する気だ!?」
丸腰の一護に気付いた石田が声を上げる。カワキは武器から簡単に手を放した一護に呆れていた。井上の動きも取巻きに阻まれる。
「茶渡くんっ!?」
その横からチャドが斬魄刀を投げ渡した。礼を言って受け取った一護。
その後も結局、二人のケンカは決着がつかないまま、9時になったことでガンジュ達は去っていった。
***
カワキ…ウザ絡みが面倒になって、「もう始末したらダメかな」と思っている。陛下の言葉も「無駄な争い、嫌だよね〜」程度の理解しかしていないものと思われる。