“弟”が兄様に戻るまで

“弟”が兄様に戻るまで


理想の弟を作ろう!のifローが正史世界に来た話

ここのifローは姿も性格も“弟”として歪められているので正史組にとっては彼とトラファルガー・ローが中々結び付かないかもしれない

目を隠すほど長い前髪を持ちあげるとよく見知った瞳と目があってようやく正史世界の皆は“ロシー”を名乗る目の前の男が“ロー”であると気づいてしまう SANチェックのお時間です

とりあえず治療をしようとifローの身体を見てみるとタトゥーを覆い隠すように念入りに施された刺繍に加えて無数の弾痕と糸のように細い何かが貫通した痕が目に入ったことでドフラミンゴの仕業だと確信してしまった正史ローには追加でSANチェックが入ります

リハビリ中に何度も「ドジでごめんなさい」って繰り返すifローの姿を見てしまった正史ローはあまりの衝撃とifミンゴへの怒りでぐちゃぐちゃになりそう

正史世界に来るまでの間にかなりの量の記憶を取り落としてしまった場合は正史組とは全員「はじめまして」になるし下手したら正史の皆を名前にさん付けで呼ぶかもしれない

自分が“ロー”であるという認識すら危ういifローの様子を見て「自我すら確立できていない存在にとって異世界の自分という情報は刺激が強すぎる」と判断した正史ローはあえて“兄様”として振る舞う 事あるごとに「兄上に叱られる」と怯えるifローを「兄様はこんなことで叱りやしねェよ」と宥めているが内心では“ロー”の人生もコラさんの人生もないがしろにするような冒涜的な家族ごっこを行うifミンゴに対しての殺意が膨れ上がっている

かつて愛ある家庭で育ち兄であった記憶を持つ正史ローは事あるごとに折檻を与える人物を兄とは認めないし一方的な執着によるおぞましい関係を家族とは呼ばない

正史組と交流するうちに彼らの挙動に淡い既視感を覚えるようになった事がきっかけで少しずつ断片的な記憶と自我が回復していっていたifローだが 突然一気に記憶を取り戻してしまってパニックに陥る 直接手を下したのはドフラミンゴだけどおれが皆のことを忘れたせいで彼らにトドメをさしてしまった、せめてもの弔いとしておれだけでも全部覚えていなくちゃいけなかった筈なのにってかなり錯乱する

今記憶を思い出せたのならif世界の皆を完全に忘れていた訳じゃなくて自身の奥底へ大事にしまっていた彼らとの思い出を取り出せなくなっていただけだからifローは何も悪くないって正史組に説得されてようやく落ち着く

錯乱事件から少し経ったある日に正史ローがifローに忘れたくない事を書き留めるための手帳を贈っているといい

if世界での思い出と悔恨を記す備忘録として使っていたはずの手帳に段々と正史世界での日々に関する書きこみが増えて日記帳のようになっていく 手帳を書くことがifローの新たな趣味になるかもしれない

記憶が回復しはじめたことによる自我の再確立に加えて手帳があるかぎり二度と皆を忘れずに済むという安心感と日記療法の効果によってifローのメンタルも少しずつ快方に向かうはず

心身がしっかりと回復すれば正史ローと二人で

「おれは、おれ“達”は!!ハートの海賊団船長、トラファルガー・“D”・ワーテル・ローだ!!!」ってifミンゴへの啖呵を切れるようになる

ifミンゴ、また弟に裏切られちゃったね…


ここでifミンゴが勝っちゃったら今までやってきた中で一番厳しい折檻を与えてからのロボトミー√へ一直線だろうから二人のローには頑張ってほしい





晴れのち大雨の敗北√

Report Page