帰る場所 2
私が読みたくなっちゃっただけのちょっとした話
正史組達との戦いでIFミンゴを無事に倒した後の、IF世界に残ったIFロー達の話
いろんな好きな概念を無理矢理詰め込んでます
前回「帰る場所 1」
新世界から逆行してグランドラインの向こう、俺の生まれ故郷の北の海への旅行船に乗って、長い時間をかけて懐かしい海へと帰って来た
「……お前等までついて来なくて良かったんだぞ?」
長い距離だから迷惑だろうと思って俺一人で行こうと思っていたのに、何故か二人もついて来た
「俺はお前の護衛を向こうのお前から頼まれたんだ、何と言おうがついて行く」
「私だって!……お城じゃ何もしてあげられなかったから、少しくらい貴方の助けになりたいの」
「……そうか……うん、ありがとう」
何だか少し照れ臭く感じるが礼を言う。このありがとうが言えるようになったのだって、向こうの世界のクルー達のお陰だ
「そういえば途中で思ったんだけど、ヘルメスを使えばすぐに飛んで行けたんじゃない?」
「「あ」」
ベビー5の言葉に俺とドレーク屋は固まった
そうだった、ヘルメスは使用者を望んだ場所へ連れて行く物だ。違う世界に行っていたせいで世界線を渡れる物としての認識が強すぎて失念していた
余計な金を使わせたくないと思っていた矢先にこれだ
「あ、で、でもほら!船の旅も楽しかったし、これはヘルメスじゃ無理だから!」
落ち込む俺にベビー5がフォローを入れてくるが、それが逆に申し訳なさを助長する
そんな事よりとドレーク屋が話を変えてきた
「ノースか、懐かしいな」
「ドレーク屋もノースの生まれだったか」
「私もよ」
(そういえば全員北の海出身だったか……後でソラの話でも振ってみよう)
停船場に着いて踏み締めた地面は雪に覆われている。
肺まで届く冷たい空気に、真っ白くなる吐いた息。記憶の中の光景と変わらない景色に安心感すら覚えた
北の海、スワロー島。1年の内4分の3が雪の降る島。コラさんと別れてから海賊になるまでの間過ごした島
ドフラミンゴは俺と関わりを持った人間を調べ上げ、そして殺してきたとドフラミンゴ本人とベビー5から聞かされた
だから、俺が、俺達が世話になった人達がもし殺されていたとしても、それを受け入れる為に俺は今日ここへ来た
雪を踏み締めて進んで行く
懐かしい。あの時もこうしてひたすら歩いた。コラさんとの約束の為に、ただその約束に縋りながら、必死に歩いたのを思い出す
そうこうしている内に到着したのはプレジャータウン
ここの住民達には本当に世話になった。何処の誰とも素性の知らないガキを受け入れてくれた。いつも笑顔で明るくて、本当に優しい良い人達ばかりだった
ああ、だから
そんな彼等が、今も変わらず生活しているこの光景が、夢ならどうか覚めないでほしい