帰る場所 1
私が読みたくなっちゃっただけのちょっとした話
正史組達との戦いでIFミンゴを無事に倒した後の、IF世界に残ったIFロー達の話
いろんな好きな概念を無理矢理詰め込んでます
ちょっとしたって言ったけど一話にまとまらなかったから続きます
自由を奪われて、自由を求めて、そしていざ得れば案外何をしたら良いのか分からなくなる
もう俺を閉じ込める鳥籠は無くなった
俺を閉じ込める悪魔ももう居ない
もう俺は何処へだって行ける
この世界で生きる事を決め、向こうの世界に帰るもう一人の俺達を見送って、俺はこれから先どうするかを考えていた
ハートの海賊団はもう居ない
だけど一緒に居てくれる人達は居る
宿泊中の宿の部屋の中で一人で新聞を読み漁っていた。俺がドフラミンゴに監禁されていた期間の外の情報を得る為だ
あちらこちらで争いが起き、世界が混乱に陥った。この原因の一旦に俺が居る事にどうしようもなく胸が苦しくなる。それ程までにオペオペの実が世界に影響を及ぼすのだと、今改めて突き付けられた気分だ
気が滅入っているところに扉がノックされた
「トラファルガー、入るぞ」
「ん、あぁ」
開けられた扉の向こうに立っていたのは、不満そうな表情を浮かべたベビー5。そしてそんなベビー5の服の襟を掴んで随分と疲弊した様子のドレーク屋だった
「その様子じゃあ俺の言う通りだったみてぇだな」
「ああ…」
「折角私を必要としてくれていたのに!」
街に買い出しに行くドレーク屋にベビー5がついて行くと言った時に、そいつは頼られると誰にでもついて行くから気を付けろと忠告したんだが、また何かに巻き込まれたんだろうな
二人はあの戦いの後に俺と行動を共にしている。単に俺を心配してとの事らしいが、ベビー5は他に行く所が無かったってのもあるだろう。とは言え今の体の俺には随分と有り難い。ロボ屋の作ってくれた義手があるがまだ慣れてねぇ俺の手伝いをいつもしてくれている
そんな事はどうでも良いとして、買い出しの荷物を置いたドレーク屋は俺の手元を覗き込んでくる
「もうそれだけ読んだのか?」
「流し読みだからな。とはいえ大分情報は得られた」
新聞を用意してくれたドレーク屋には感謝しかないな
「ところで、ローは行きたい所は決まったの?」
ベビー5の問い掛けに俺は返答出来なかった
自由の身になって、俺はこの二人から行きたい場所を聞かれていた。単に旅行としてでも良いし、選んだそこに住むでも良い。兎に角俺が俺の意思で選んだ場所に行こうという話だった
「……まだ決まってない」
「そう。ま、でも時間はあるんだしゆっくり決めれば良いわ!私達も急かす気は無いから」
元気付ける様に笑うベビー5と頷くドレーク屋
待ってくれるのは有り難いが、俺としてはこいつ等に変な迷惑をかけたくない。宿の宿泊の金だってドレーク屋が出してくれているから、出来るだけ早く出発したい
そういえば。と声が漏れた
そうだ、一ヶ所だけ行きたい場所が、見たい人達がいた事を思い出した
「なぁドレーク屋」
「どうした?」
「ノースへの船って何処から出てる?」