嵐の後の静けさ
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↑こちらのメライ視点です
風が吹き荒れ、羽が舞い踊る。ギリギリまで隠していた黒矢羽の嵐は標的を射抜かんと、まるで意志を持っているように飛び回る。
「……切れたか」
この技は火力特化で持続力もなく範囲も狭い。それなのに使ったのは…ここで使わなきゃ殺されると思ったからだ。友達や相方だっているのに、ここで死ぬわけにはいかない…たとえ相手が友達だろうと
目をそらしてはいけないと、ぐらぐらと揺れる視界の中で相手どっていた2人を見る。…大柄な方はどうやら殺したみたい
「あ、あああああああ」
声が聞こえる。二重に知っているはずのその声は、なんでかひどく恐ろしく怖く聞こえた。
「許さない、ゆるさない、許さないゆるさないユルサナイ!!!!!!!!!!」
寒気がするのは、流れる血のせい?それとも……変容していくすがたのせい?
人だった気配は、エネミーのものにかわっていく。そして朧気に見える瞳はさっきとはぜんぜんちがっていた。
「…っ」
もうまともに力の入らない手で無理やり大鎌を握る。視界は揺れに揺れてどうしようもないけれどとくいなちょうかくはいきているから。
最悪を考えて動きを計算していると、こえがきこえた
「皆殺しだ」
させない、させてたまるか
そう言いたいのに喉からは嫌な音しかしない。それでもかすれ声でも言おうとした時には、もうそのすがたはなかった。
さがしにいこうととぼうとしてーおもいっきりそのばにたおれこむ。じわりと朱が地面に見える。
だれかのあせったこえがきこえる。へんじしなきゃ、それでまたさがしにいってたおさなくちゃ。
……あれ?こんなに、ふかでおってたんだ