小さき生き物と暮らすデイビット君の話
〜ドスケベミニ触手の無念払拭編〜デイイス
前回(小さき生き物を飼うデイビット君の話)の続きです
今回こそドスケベミニ触手が出ます
あとはこの辺の話とか
容赦なくR-18
イスカリと暮らすようになって幾許かの月日が流れた。相変わらず彼の正体については何も判明していない。
買い物袋を抱え直しながら、このところトウモロコシとチョコレートを買う頻度が増えているなとふと思う。テスカトリポカが突然持ち込んだトラブルだとばかり思っていたが、彼が喜ぶからとつい好物を買ってしまうくらいには絆されているらしい。あまり甘やかしてばかりでもいけないな。今後は節制も覚えさせなくては。
イスカリを手放すつもりのない自分からは目をそらしつつ玄関の鍵を開ける。彼のことだ、テスカトリポカとは違ってきっと大人しく留守番していたことだろう。テスカトリポカとは違って。
しかし予想に反して部屋の奥からはイスカリのぴゃああと甲高い悲鳴が響いた。買い物袋をその辺に放置し、声がした方へ急いで向かう。
ベランダのある窓辺、床上でイスカリがうつ伏せになって藻掻いている。その背後からはヒトデのような生物が覆いかぶさってもごもごと蠢いていた。
すわ捕食かと驚きに硬直していた俺とイスカリの目が合って、ぴゃあぴゃあ泣いていたイスカリが短い手を必死に伸ばして助けを求めている。それでようやく石化から回復してとにかく一度ヒトデ(仮称)からイスカリを引き剥がさねばと思考が追い付いてきた。
黒っぽい体表は粘液で湿っていて剥がせば内側は嫌に鮮やかな触手でびっちりと覆われている。イスカリを傷付けないよう慎重にヒトデを引っ張っていくとむき出しの尻の間からずるりと長い触手が現れた。考えたくはないが、直腸をまさぐってでもいたのだろうか。
ちゅぽんと音を立てて完全に尻から抜け出たヒトデを思い切り窓から投擲したい感情をぐっと堪えて、入れ物になりそうなものを探す。万一外で繁殖しては堪らない。行政に押し付けてしまおう。
「災難だったが、もう大丈夫だよイスカリ」
めそめそと泣くイスカリを胸ポケットに入れて、手近にあったビニール袋にヒトデを押し込んで固く口を縛る。ひとまずこいつをどうするかはアパートの管理人に相談してみよう。
ヒトデを管理人に預け、ほうほうの体で自室に戻って深く息を吐く。胸ポケットの中ではイスカリがぎゅうぎゅうと小さな体で俺にしがみついている。
「もうあいつは居ないから、大丈夫だ。ほらチョコレートを買って来たから一緒に食べよう」
節制は、明日からでもいいか。
─────────────────
そんな事件があった翌日にイスカリからドングリをひと粒差し出された。
「俺にくれるのか?」
やけにソワソワしているイスカリからドングリを受け取るとパッと表情を煌めかせて、かと思えばテスカトリポカに駆け寄ってその長い毛に埋まってしまう。
昨日の今日で外出していた事は心配だ。それでなくとも車だとか、カラスなどの彼にとっての危険はいくらでもあるだろう。
それでもピカピカに輝くドングリを見て想像する。先日の礼のつもりであろうそれは、あの小さな体でとびきり綺麗な物を探してきてくれたのだろう。
机の上にドングリを置いてみる。インテリアに乏しい机が少しばかり華やかになったようだ。
それからもイスカリのプレゼント攻撃は続き、どこかから調達してきた木の実や花を俺に寄越すようになっていた。
たいていはテスカトリポカが付いていてくれるらしい。あの猫はやたらパワフルだからそうそう心配事はないだろうが、それでも不安に思う気持ちが消える訳ではない。
やめさせるべきか、否か。歯を磨きながら考えているうちにイスカリお気に入りの動物番組が始まっていた。
イスカリは何故か動物も好きらしい。特にジャガーが映ると目を輝かせて画面に釘付けになるものだから、テレビを付ける時はなんとなく動物番組を流す習慣が付いてきていた。どうやら今日は鳥の解説をやる回のようだ。
「鳥の求愛行動は様々です。こうして雄が雌に餌を与える事を求愛給餌といいます。雌に栄養を与えるほか、狩りの上手さのアピールといった意図もあるんですね」
だばあ。と、口から歯磨き粉が全部出た。
もしやイスカリがやたらプレゼントをくれたのはそういう意味だったのだろうか。鳥か?鳥に近い生態なのかお前は?俺が雌…?
いや、馬鹿な事を考えている場合じゃない。目下すべきなのは歯磨き粉で汚れたシャツを新しいシャツに着替える事だ。
「このように立派な巣を作ってアピールする鳥も居ます。巣の作り方が下手だと雌は見向きもしないで去ってしまうんです」
立ち上がろうとしてテーブルに盛大に膝をぶつける。
巣。寝床。作った。寝心地がいい方がいいだろうとわざわざちょうど良さそうな籠まで探して作ってやった。そもそも彼の食事だって俺が用意している。
そんなつもりは無かったとはいえ俺が先に求愛行動をしていたとでも言うのか。そんな馬鹿な。
シャツを洗濯機に放り込みながら考える。イスカリの事は愛らしいと思っている。あれだけ無垢な小動物に全身で信頼を寄せられて悪い気はしないものだ。愛着の一つや二つ当然湧く。
だからといって求愛に応えるかどうかは話が別だ。種族が違うし大きさは違いすぎる。
ならば同じ大きさならいいんだろうか。
浅黒い褐色肌で、ぴょんぴょんと好き勝手な方向に跳ねた黒髪で。歳は同じくらいだろうか。頬の丸みから少し下ぐらいかもしれない。そんなイスカリが俺の手に擦り寄って来たり照れくさそうに贈り物を渡して来たりヒトデっぽい何かに襲われていたり。
ガツンと柱に額をぶつけた。なんで考えてしまってるんだ。馬鹿じゃないのか。
「あぁああ……」
重い腰を見ないようにしても無駄だった。既にはっきりと下腹部は反応を示してしまっている。
……あまり深刻に考えるのはよそう。最近はご無沙汰だったんだし疲れていれば誤作動だってする。こういう時はさっさと抜いて寝てしまうに限る。
フラつく足取りで寝室に引っ込みローションを片手に下着を脱いでベッドに腰掛け、ゆるく勃ち上がった竿を握って擦ろうとした時。腿を登ってくる小さな生き物に気が付いた。
「イスカリ……!」
今は本当に勘弁して欲しい。
そんな願いとは裏腹にイスカリはぽいぽいと服を脱ぎ捨て、膨らんだ陰茎にぎゅうとしがみついた。
「や、めないか」
情けないぐらい弱々しい声での静止は当然イスカリに通じるはずもなく、その裸体を擦り付けながら上へ上と登って行く。
もう何度もイスカリの性器を綿棒で擦ってやって欲の発散に付き合ってやっているのだ。これが手伝いのつもりなんだろうと予想はできる。
彼の求愛を受け入れるつもりもないくせに、今すぐやめさせるべきだ。分かっているのに性器をよじ登る小さな生き物から目を離せない。
いよいよ角度が付いて上を向いた陰茎をイスカリは登頂しきってしまった。雁首の出っ張りに掴まって、丸い球になっていた先走りを体で塗り広げている。
「ふーっ…、ふぅー…、」
食いしばった歯の間から獰猛な呼吸音がしている。異様な興奮に脳が焼き切れそうだ。
それに気付いているのかいないのか、イスカリは先走りをどんどん溢れさせる鈴口に舌を這わせだした。小さな口からこれまた小さな舌を出してちろちろと先端の穴を擽る感触に、いよいよ頭の中で何かが爆発する音を聞いた。
「イスカリ、もう少し、そのまま……」
ローションの蓋を開け右手にぶちまける。そして空いた左手でイスカリを支え、濡らした右手で竿を上下に擦った。
手を動かす度に押し出された先走りがイスカリの顔をベタベタに汚す。それに溺れそうになりながらもイスカリは俺の亀頭から離れようとしなかった。
「あっ…、ぐ……、」
せり上がってきた衝動に逆らわないまま発散する。射精の勢いを文字通り顔面で受けたイスカリの褐色肌はあちこちが白濁で汚れてしまっていた。そのコントラストにまたぐらりと来そうなのを抑えてティッシュで丁寧に拭ってやる。
どこか誇らしげに胸を張るイスカリとは対象的に、俺は窶れきった顔をしているんだろうなと鏡を見ずとも分かった。なんだか開いてはいけない扉に触れてしまったような気がする。
「やってしまった……」
項垂れる俺をイスカリが慰めるように手の甲を撫でている。
お前の事なんだよ、イスカリ。
イスシコスレなのにデイ虐でシコってる気になってきた
ペットから求愛行動を受ける飼い主はよく居るしそう悩まなくてもいいぞデイビット君