小さき生き物を飼うデイビット君の話

小さき生き物を飼うデイビット君の話


デイイス


21ターン目の24さんの書き込みをベースにこねくり回したもの

ドスケベミニ触手は出ません。無念…!

綿棒は出ます出します出させます


22ターン目の145はこれを書いてる人のレスだけどこの話とは繋がっていてもいいし繋がっていなくてもいい



唐突にR-18









 アパートのベランダからカリカリと窓を引っ掻く音がする。

案の定金色の毛玉めいた猫が窓を開けろと主張して繰り返し窓に爪を立てていた。

テスカトリポカと父が勝手に大仰な名を付けたその猫のために窓を開けてやると、彼は悠々と歩いて自身の縄張りである一人掛けのソファに飛び乗った。見慣れた光景である。

そして彼は口に咥えていた何か黒い物を離すと、前脚で抱えて毛づくろいでもするように舐めている。近付いて観察してみると二頭身ほどの人の形をしたもの……キャラクターのマスコット人形だったらしい。

「こら。どこで拾ってきたんだ」

テスカトリポカから人形を取り上げる。落とした人物はさぞ困っているだろう。どうにかして持ち主に返してやれればいいが、この自由気ままな猫の行動範囲はよく分からない。どうやって見付けたものか。

なんとなくまじまじと手元の人形を眺めてみる。額に目立つ傷痕、褐色肌にあちこちに跳ねた黒髪、黒のライダースーツのような衣装を着た少年が、その暗い赤色の目をぱちりと瞬かせた。

「……は?」

思わずそんな声が漏れていた。

俺の手の中でマスコット人形はキョロキョロと周囲を見渡して、下を覗き込んだ途端に小さな体を跳ねさせたかと思うと指にしがみつく。それはまるで高さに怯える人間のようで、掴まれた指には小動物特有の高い体温が伝わってきた。

「……………………は?」

テスカトリポカ。お前本当にどこでこんなものを拾ってきたんだ。

家主の困惑をよそに金色の猫はくわっと大きな欠伸をして丸くなっていた。



─────────────────



 テスカトリポカが連れ帰った小人らしき生き物については調べても調べてもそれらしい情報に行き着く事はできなかった。

図書館やネットで探そうとも、慣れないSNSでそれらしいワードで検索してみても結果は芳しくない。

何者なのかよく分からない生き物ではあるのだが、はっきりとした感情を見せる人型生物を野に放つのはさすがに胸が傷んで面倒を見る事にした。

そうと決まれば名前が無ければ不便だろうと、とりあえずイスカリと呼んでいる。

名を考えている時にたまたまテレビで流れていたCMで漏れ聞こえたブランド名が由来だ。テスカトリポカが呆れたように鼻を鳴らしたがきっと気の所為だろう。

イスカリは言葉を発する事はなく、ピィだかキュウだか小鳥のような高い声で鳴くに過ぎなかったが、ある程度であればこちらの言葉を理解しているかのような様子を見せた。机の上に置いたクッキーの缶にタオルを敷いてやってここを寝床にするように言いつけてみれば意図が通じたらしく、そこで丸まって眠る姿をよく見るようになった。

食べ物も人間と同じ物を食べても平気らしく、千切ってやったパンの欠片やトウモロコシの粒を両手でしっかりと抱えて齧っている姿にはリスめいた可愛らしさを覚えたものだ。出された物を残した事は無いが好みはあるようで、チョコレートやココアのようなカカオ食品は特に喜んで食べているように見える。

そして彼は入浴もまた好きらしく、湯を張った洗面器に入れてやると気持ち良さそうに目を細めていつまでも湯に浸かっている。体を拭いてやってるうちに手の中で眠られてしまった時はさすがに参ったが、信頼されている証と思おう。

テスカトリポカに鼠でも追うかのように嬲られはしないかと不安はあったがどういう訳か両者は良好な関係を築いているらしく、丸まったテスカトリポカの中央に収まって共に寝ている場面を見る場面は多い。黒髪や体に絡みつく金色の長い毛を取ってやった事も一度や二度じゃない。

 俺の部屋もずいぶん様変わりしたように思う。テスカトリポカが居る以外は殺風景極まりなかったのだが今はドールハウスにあるような小物があちこちに点在している。クッキーの缶に使い古したタオルを敷いただけだった彼の寝床も編んだ籠に綿を詰めたクッションを敷いて厚手のハンドタオルを掛け布団代わりに入れてやったばかりだ。

そのくせ人の手の上や胸ポケットの中で眠りたがる小さな生き物にすっかり情が移ってしまったらしい。結局は根負けして好きにさせてしまっている。


 そんなイスカリの体調がこのところ少々思わしくない日が数日続いている。

どこかぼんやりとしている事が増え、体温も平熱より少し高い。食欲はむしろ旺盛なのであまり心配はいらなさそうだが、依然として正体不明のこの小人を果たしてどこの病院に連れて行ったものか全く分からないままだ。

せめてヒントらしきものが見付からないかとパソコンの画面を前に唸っていると、ふとマウスを握る右手に温かい物が触れた。

見下ろせば手の上からイスカリが覆いかぶさって指にしがみついている。

「イスカリ、お前の事を調べてるんだ。邪魔をしないでくれ」

しかしイスカリは指関節に頬ずりするだけで一向に離れようとしない。普段は聞き分けも良く一度態度で示せばすぐに引くのだがどうした事だろうか。

こちらが困惑しているにも関わらずイスカリは全身を俺の指に擦り付けるように体を揺すって、そして何を思ったかかぷりと人の皮膚に歯を立てた。

「!こら、何をするんだ」

小さな歯だ、たいして痛みはなかったのだが反射的に手を引っ込めるとイスカリは勢いに押されてコロリと転がった。

イスカリ本人も自分の身に起こっている事が分かっていないらしく、困ったような表情でうずくまったまま首を傾げている。

「どうしたんだお前……?」

その姿が哀れに思えて指を差し出せばやはりしがみ付いて来る。

こんな時にテスカトリポカはどこに行ったんだ。あいつはなんだかんだイスカリの面倒をよく見ていて今こそ近くに居てやって欲しいのに。

「…………ん?」

何かが頭に引っ掛かる。今何か重要な事を思い出しそうになったような。

イスカリは相変わらず熱っぽい顔でかぷかぷと人の指に歯を立てている。全く人の気も知らないで。テスカトリポカのような気ままな猫っぷりは似ないで欲しかったんだが。

「あ、」

その時ズガンと頭に雷が落ちたような衝撃が奔った。猫。そうだ、あんな動きを以前見た覚えがある。

まさかとは思うがイスカリをつまみ上げて服を脱がせる。できれば外れて欲しかった予想だが、無慈悲にも震える短い足の間では小さな陰茎が半ば上向いていた。

「そうか……あー、そういう……」

発情期のようなものなのだろう。生き物である以上おかしくはない。というか彼の種族は繁殖で増えるものなのか。じゃあ雌の個体もどこかに居るんだろうか。

風呂に入れてやった時に裸を見て小さくとも付いているんだなと感心こそしたが、ほとんど飾りのようなそれが機能するのだとまるで思い至らなかった事に我ながら驚いた。無意識下にイスカリの事を動くマスコットか何かと認識していたのだろう。さすがに申し訳無く思う。

さて原因は判明した。次にどう対処するかに向き合わなくてはならない。

イスカリの様子を見る限りはおそらく自身の性的興奮に気付いていない。高い知性を持つ生き物なら誰かしら先達が教えてやるのだろうが、どこかからテスカトリポカが拾ってきた彼には教師役をやれる人物が居なかったんだ。

……いや、現実逃避はやめよう。俺がやるしかない。他に教えてやれる奴なんて居ないだろう。

ため息を吐きたいのをぐっと堪えて、ベッドサイドのチェストからローションのボトルを出す。普段から世話になっているものだ。大きさ以外は人間と然程変わらないイスカリに使ってもおそらく平気だろう。

それを手に出そうとして、これだけ小さな物を触ろうとするなら指でも大きすぎてやりにくいのではないか、という事に気付く。

チェストには綿棒もしまっていたはずだ。あれでいいだろう。

「……よし、やるぞイスカリ」

綿棒の先にローションをたっぷりと纏わせて、半勃ちの陰茎をできるだけ優しく撫でる。

するとイスカリがぴゃっと悲鳴を上げて短い足をバタつかせ暴れ出す。うっかり手から落とさないよう潰れない程度に指で押さえ、慎重に作業を進めるべく一度深呼吸をした。

「頼むから大人しくしててくれ……」

竿の根元から先端までを往復させてみたり、陰嚢を揉むように突いてみたりと試す毎にイスカリはぴぃぴぃと啼いて身を捩って震えている。

小さな手がぺちぺちと俺の指を叩く度に湧き上がる罪悪感をぐっと封じ込めてイスカリを高める事に専念する。今はつらいかもれしないが出した方が楽になるんだ、分かってくれ。

「あっ」

イスカリが暴れた拍子にローションが滑って会陰を強く押してしまった。それがよほど堪えたのかイスカリは足をピンと伸ばして身悶えている。

玩具のようだと思っていた陰茎は今やめいいっぱい反り返って腹に付きそうなまでになっていた。

「済まない、あと少し頑張ってくれ」

火照った体を支えてやりながら亀頭に綿棒の先を押し当ててぐるりと回してやると、ようやくイスカリは喉の奥でキュウと悲鳴を上げながら褐色の腹に白濁を吐き出した。

「おお……」

こんなに小さくともちゃんと機能しているのだなと少しだけ感動してしまった。

イスカリは泣き腫らした顔で浅い呼吸を繰り返している。体力の限界が近そうだ。

「よく頑張ったな、お疲れ様」

イスカリの頭を撫でてやりながら洗面所から引っ張り出したタオルで包む。イスカリがうとうとしだしているのを横目に別のタオルをお湯で絞り体を拭いているうちに、気持ち良さそうに目を閉じたイスカリはいつしか眠りに落ちていた。疲れきっていたのだろう。

服を着せてやって寝床にイスカリを横たえて、一息ついた途端にどっと疲れが押し寄せる。

「何を……やっているんだろうな俺は……」

今なら分かる。どう考えても俺もおかしくなっていた。あんな小さな生き物になんて事をしているんだ。

手と顔を洗うために洗面所に戻って鏡の中の自分を見る。今日だけでずいぶんと老け込んだような気がする。

「……俺も寝よう」

明日からどんな顔をしてイスカリと接すればいいんだ。





そのうち照れ照れイスカリ君が自分から綿棒持ってくるようになる

(0711:ちょっと修正)


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