呪術・刻印
火盛手の中の人人、もしくは物に特殊な回路を刻み込みそこに異能粒子を流して循環させる事で効率良く異質な"力"を発生させ、世界の法則に介入し、特異な事象・現象を具現化させるモノや技術群のこと。
長時間使用や短時間の連続使用は呪いに自我が侵蝕される危険性がある為、使用には入念な下準備と硬い意志が必要。
また、異能粒子を使用する特性上、簡易結界や簡易札等、一部の特殊な防御・無効効果によって一時的に無力化される為延命処置と言った程度なら可能。
…………あくまで延命でしかないが。
正式名称【呪術専用呪詛蓄積特化刻印】俗称は頭文字と末尾を取って【呪印】。
武器など物に刻み込む【呪装刻印】
肉体へ直接刻み込む【呪肉刻印】
主にこの二つに分類されるが、後者は外法の業と言われ、あまり良い顔はされない。基本的に両者の刻印は非常に強い呪いだからこそ干渉し合い併用は不可能。
また、更にその中に【旧積層型】【新封鎖型】の二種類へと分岐する。
単に【旧型】【新型】とも言われる。
【呪印師/刻印師】
前者が刻印を使用するモノ、後者が刻印自体を刻むモノの意。当時はそう呼ばれていたが、今ではマイナーな呼び方。
【呪印一覧】
【呪装刻印】
武装に刻む事で呪いを蓄積し、特殊な工程や儀式を経ずに呪物へと変性・変質させる技術。
これには呪術の発動媒体や呪術の起動・運用効率を補助する役割もあり、より高度な呪術の補助媒体としたい場合は刻印の記述量も比例して増えていく。
だが簡単なモノであれば複数重ねても問題ないが、複雑になればなるほど重ねるのが難しくなってくる他、現代の技術では八重ほどが限界と言われている。
汎用的な性能のため比較的扱いやすく肉体に及ぼす影響も呪肉刻印より遥かに軽いが出力は低くなりがち。
【呪肉刻印】
己の身体に直接刻む事で蓄積される呪いが肉体へと干渉し、呪物のように変性・変質させる技術。
これは肉体を一つの呪いに固定・特化させる事で一般的な呪術を使用出来なくなる代わりにただ一つの強力な呪術を扱えるように強制的な変質を起こさせる物。
しかし、才能の無い人間が天才達を超える為に作った苦肉の策であり、自身は勿論の事、子々孫々に至る者たちの生涯をも縛り付ける最悪の呪いでもある。
一点特化のため出力は高いが総じてピーキーな性能になりがちで、当然ながら肉体への影響は計り知れない。
【旧積層型】
一部のコミュニティで独自に作成され、代々受け継がれながら時を重ねる事で刻印自体が呪いと化してしまったモノがこれにあたる。
先代達が試行錯誤した経験値やノウハウをそのまま活かせる為、扱い易く訓練も容易だが作成にとんでもない年月が必要であり、その作成経緯から必然的に一部の人間のみが扱える代物となっている。
【新封鎖型】
新たに作成された刻印に強力なエネミーや特殊なエネミー等を封印する事で長い時間を掛けずに呪いに変質させるモノをそう呼称する。
一部の人間だけが扱える【旧型】とは違い、誰にでも使用可能である強力な刻印だが、その反面取り扱いが難しく、より力を引き出そうとするなら自然と封じられているモノに近づくことになり、その分の力や恩恵を得られるが、同時に封印された存在が覚醒を果たして活動を開始すれば、刻印使用者の何かを代償として要求してくるようになる時限爆弾とも言える代物。
【開呪法/解呪法】
【封鎖呪開】
新型に封印された存在を強引に開放する禁じ手中の禁じ手にして唯一の開呪法。
封印されているエネミーを無理矢理覚醒させる事で刻印から解放し、これを討伐すれば刻印自体が自壊、消滅する。
これは新型刻印の成立に封印されているエネミーが半分以上を占めてるからこそできる方法である。
しかし、討伐に失敗すれば刻印が刻まれているモノ以外の周りを破壊し尽くして自動的に刻印へと再封印される。
一度発動したが最後、封印存在は覚醒したままとなり、使用者に何か起きるたびに力を暴走させようと囁き唆してくる。
【積層呪解】
旧型に刻まれた歴代刻印使用者の残留思念及び呪詛を解放する唯一の解呪法。
まず初めに不屈の黒鉄を核として、そこに清純の金剛、幸福の翠玉、希望の黄玉を4/1/3/2の比率で混ぜ合わせた特殊混合霊石を用意し、尚且つ粉末状にしてから、月光に三日間浴びせ続けた異能粒子が多く含まれた特殊な水で溶かした後それを更に三日間太陽に浴びせ続ける事で変質・変性した専用のインクを造り、熟練の刻印師がこれで刻印を上書きする事が必要不可欠。
そこから更に残留思念の憎悪や無念、慚愧を解消する等、刻印によって必要な工程は増えていくが、それだけ積層した呪いを超克するのは非常に困難を極める。