これまでの友人関係について

これまでの友人関係について

オガネソン

【この記事は、Kumano dorm. Advent Calendar 2020の7日目(12/7)の記事です】


 今回取り扱うテーマは友人についてである。

 何故か成り行きでこれまでの主要な友人関係の出来事を書くことになった。(その成り行きは5日目の記事に書いてある)

 高尚な考察もできず、単なる自分語りにしかならなかったので余程興味があるのでなければ読み飛ばしてほしい。3~5分程度の時間を浪費しても良い人間だけ読んで欲しい。コミュ障人間の思考回路のサンプルぐらいにはなるかもしれない。


 中学生の頃、同じクラス・同じ部活で登下校もだいたい一緒だった友人がいた。休み時間とかも他愛のない雑談をしていたことが多いと思う。

 ある日、部活が終わった後にその友人は「オガネソンって親友とかいるの?」と聞いてきた。特に親友だと意識したことはなかったが、登下校を一緒にしていてよく話す友人なので無意識的に自分の中では「親友」カテゴリーに入れていたようで、その質問をされた時は衝撃を受けて咄嗟に返事ができなかった。言葉が出なくなった自分の考えを近くにいた別の友人が代弁してくれて、その日から「親友」になることになった。

 その後暫くは普段通りに過ごしていたが、1週間経って「オガネソンつまらないから親友辞めるね」と言われた。面白さを提供できなかった自分に原因があるので仕方ないが、あまりにも呆気なかったなと思った。悲しいと思ったかどうかは覚えていない。

 同じ頃の担任との二者面談で「人間味がなくて近づきにくい」と評されたこともあるので、実際つまらない人間だったのだと思う。まぁまぁ深刻そうな言い方だったので、当時は心理学の本とかを読み漁って人間の心理を学習しようとしていた。


 この時「登下校を共にしていてよく話す友人」を無意識的に「親友」カテゴリーに入れていたのは、小学生の頃のそういう感じの友人が「自分たちは親友である」と言っていたからである。このようなパターンの友人が親友であるのだと思っていた。

 ところが、後から思い返すとこの友人ともまともな友好関係を築けていたか疑問である。今でも覚えているのは、何かのゲームで負けた罰ゲームとして服を脱がされてペンで全身を弄られたことである。「負けたのだから文句を言う資格はない」と思って耐えていたが、あれは度が過ぎていたかもしれない。それ以外の場面でも、この親友には逆らえないことが多かった。


 高校生の時は、「親友」という枠を作ると碌な事にならないと学習したため、一定以上は仲良くなろうとしなかった。「来る者拒まず去る者追わず」で自分から人と仲良くしようとはしなかったが、幸いにしてその学校内ではトップレベルの学力だったため勉強を聞きに来る人が多く、孤立することはなかった。ただ、付き合いが浅かったため、今でも連絡を取るような友人はいない。


 大学生になって、初めて自分からもっと仲良くなりたいと思う人に会った。しかし、それまでの友人関係は自分に勉強を教えてもらうことが目当てで向こうから近づいて来た人がほとんどで、自分から仲良くする方法が分からなかった。学部が違うためほとんどの勉強は教えることもできないし、そもそも京大生なので自分が何かを教えてあげられるようなレベル差があるわけでもない。たまたま使っていた英語の教科書が同じだったため、英語の課題を代わりにやってあげることにした。自分が差し出せるものは学力しかなかったから、何とかしてそれを生かせそうな手段を見つけて安堵した。

 結論から言うとこの学力頼りで親交を深める戦術は上手くいかなかったのだが、この友人は今も仲良くしてくれている。自分が唯一差し出せるものを使わずに友人関係を維持できたのは初めてだと思う。

 おそらく中学生の時の出来事がきっかけだと思うが、自分は友人関係を一種の契約のようなものだと思っている節がある。組織論で使われる「心理的契約」という概念があるが、それに近いものだと思う。心理的契約は簡単に言うと「組織が構成員に対して真面目に働くことなどを期待し、構成員は組織に対して良い給与や雇用の保障などを期待していて、どちらかor両方の期待が満たされなければ関係が維持できない」というような感じである。友人関係もこれと同じで、自分が相手に何かを与えられなければ離れていくと思っている。そのため、相手が必要としていそうなことを提供することによく執着してしまう。

 友人関係に関してこのような思考回路を持っているので、特に何も提供できてなさそうなのに何故か現在複数の友人関係を維持できていることを不思議に思っている。


そろそろ文章を書くのに飽きてきたのでこの辺りで終わろうと思う。

人間関係の構築が下手な人間の思考回路のサンプルにできたなら幸いである。外れ値の可能性はあるが。



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