邂逅Ⅰ→Ⅲ 運命の日(Chapter3)

邂逅Ⅰ→Ⅲ 運命の日(Chapter3)

名無しの気ぶり🦊

『新たなジャマトが現れました。これより、デザイアグランプリ、第二回戦、ゾンビサバイバルゲームを始めます』

『現在、ゾンビジャマトの集団が郊外へ近づいています』

『過去の傾向から、ゾンビの群れが出現するのが三回』

『つまり第3ウェーブまでに市街地へ到達されたら、大勢の市民がゾンビに感染。大惨事になるでしょう』


『ですので第3ウェーブまでゾンビを全滅させ続けてください』

『そしてこのゲームはスコア対決になります。ゲーム終了時、スコアが最下位だった1名は強制的にリタイアとなります』


『ちなみにゾンビに感染すればいずれゾンビになります』


「…ミッチーだけはなんか大丈夫そうって思えちゃいそうなのはなんでだろう」

「たぶんあたしのトレーナーさんもだね…」.

「ああ、それもそうね…」


「祢音ちゃん…死なないで…」

「トレーナーさん…」


改めてトレーナーの無事を4人が祈る中、第二ミッションがスタートした。


「なるほどね、ミッチーはゾンビなんだ…なんか言ってて不謹慎な気がするわね…」


『えっ、何で倒れないの?』


『っ…助けてパンダさん!』

『ライバルを助けるバカがどこにいる?』


「なんでいちいち祢音ちゃんに偉そうなんだこの子…」


「…気のせいかもだけど、前のミッションからずっと右足を庇いながら戦ってるような…」

「ああ、私の気のせいじゃなかったのね…」

(何か…過去にあったのかしらね)


しかし英寿や道長、景和はともかく祢音は相変わらず危なっかっしく、また第一ミッションに引き続き奏斗に頼ろうとして断られていた。


祢音が人を信頼しすぎているのか、ただ世間知らずなのか。まあ理由はともかく、こう何度も邪険にトレーナーを扱われると先程とは違い意図的に苛立ちをシュヴァルが覚えてしまうのも無理はないことだった。


例え過去に如何な悲惨な過去があろうとも、である。


『大丈夫?さっきは言い過ぎたよ。実は君のファンでさ』


『えっ…?何?いきなりツンデレ?』


『僕が君のSPになるから、一緒にスコアを稼ごう』

「…露骨に怪しくなってきたわね』

(…なんかふらついてない?)


それから少しして、なぜか奏斗は祢音に急接近していた。キタサンたちから見ても違和感ありまくりである。当然祢音もそうだったがやはりすぐに信用してしまうのだった。


『ダパーン君!全力で行くよ!』

『あぁ…そうだねぇ…』


『あ゛っ⁉︎』

『参加者への攻撃は違反行為です。スコアを減点します』


『…世間知らずのお嬢様だな。世の中の人間が、皆、お前のために存在してると思ったら大間違いだ。このまま噛まれて、スーパーセレブゾンビにでもなってろ!』

『『『『『ジャジャ〜!』』』』』


「祢音ちゃん!!」

「気に入らないのかもしれないけど、やり方が荒すぎない⁉︎」


そしてやはりというべきか、罠だったようでマグナムシューター片手に幽鬼のように振る舞いながら祢音を脱落させんと迫り来る


『ぅわっ⁉︎』

『目には目を。ゾンビにはゾンビを。…ってな』


『見逃すなよ。このサプライズムーブ』

「よっ、良かったあ〜〜!」


…はずだったが、今この場にいるのは奏斗だけではない。なら当然英寿も黙っているわけがない


『POISON CHARGE』

『TACTICAL BREAK』



ギーツゾンビフォームに変身済みであるため、そのまま周囲をジャマトの隙間を縫うように疾走、炎を纏った斬撃を飛ばして複数のゾンビジャマトを撃破。


『いいとこだったのに…邪魔するな!』


同タイミングでダパーンがギーツに向け銃撃、

がしかし、顔を傾け難なくこれを回避し…


『参加者への攻撃は違反行為です。スコアを減点します』


「…そっちがその気なら、手加減はしない」


『REVOLVE ON』


『さあ──ここからがハイライトだ』



すかさずリボルブオン、そのままゾンビジャマトを右足で奏斗目掛けて蹴り上げ、案の定英寿を見失ったダパーンに近づき、右回し蹴りを叩き込む。

『ェガッ⁉︎』


(…身のこなしが、あたしたちに負けず劣らず凄く軽やか。でも…容赦ない!)


『ZOMBIE STRIKE』


瞬間、間髪入れずベルト操作で必殺技発動。奏斗に向け疾走スタート、近くなったタイミングでその周りを墓石のエフェクトで囲いこみ右足のバーサークローで蹴りつける。


「はあっ!!」

「グアアアッ⁉︎」


当然奏斗の変身は解かれ、そして


「あれ、減点になってない…。何で?」

「いえキタサン、あれは恐らく…」


『アイツはゾンビに噛まれてる』

「ええッ⁉︎」


彼がゾンビ化していたという衝撃の事実が明らかになる。


『何故分かった?』

『ゾンビの集団がナーゴだけ狙って、ダパーンを襲わなかった』

『ゾンビだと認識されてたからだ』


どうやら屋上から銃撃していたとき、背後からきたゾンビに襲われるまで気づかず、噛まれてしまっていたようだ。


『ならさっきの行動の心理も簡単だ』

『自分が襲われないと分かってて、ナーゴを道連れにしようとしたんだろ?』


『…ああそうだよ。八つ当たりだよ!』


そしてその行動理由を英寿に当てられ、苛立ちが勝ったのか、何やら話しだす。


『人生なんて…不公平だ…! どんなに努力してても、ある日突然…! 不幸が向こうからやってくる…』

『普段通い慣れた道、そこで手を滑らせて落としたボールを拾おうとして、誤運転したトラックに激突され骨折はもちろん脚部に異常発生』


『いずれは治るが、アスリートとして再び十全に戦えるようになるまでに機能するのは辛抱強くリハビリを続けてなお相当先、それこそ10年近くは掛かるって』

『それが、それがどんなに堪えたか…ッ!』


どうやら彼がこんな自暴自棄になってしまったこと、その理由のようである。


『その日を境に、仲間とバスケ一筋だった俺の世界は終わった…』

『慢心がなかったなんて言わない、普段から素行が悪かったわけでもない、頭を下げて助けを求めなかったわけでもない』

『使い物にならなくなった。ただそれだけの理由でッ──!』


「…なんだろう、凄く、胸に刺さる…」


そしてそれはアスリートとして、一線級の猛者が故障でダメになるケースをよく知っているキタサンたちには他人事ではないように受け止められてしまうのだった。


『挙句に推してたウマ娘も脚部に異常が発覚してクラシックへの出場を取りやめたと知って、夢も推しもなくなって、よく分からなくなった…』

『そしてやりきれなくなって壊れたんだろうな。ついにはどいつもこいつも無茶苦茶にしてやりたくなった』


「ドゥラメンテさんのこと、だね…」


どうやらドゥラメンテが推しだったらしいのも初耳である。


『皆、みんな滅べばいいんだ、クソォッ…!』


『だったら、大好きなバスケが思いきり出来る世界って、デザイアカードに書けばよかったのに』


『もうどうだっていいんだよっ!』


「…祢音さんが言うことが真理だとは思うけど、

彼、奏斗の気持ちも私には凄く分かる…」

「走ることに、そのための脚磨きに命を懸けてるのは私たちも同じだもんね…」


「…嫌いなのに、話はよく分かるのが…なんか、嫌だな」


『そんなこと言うなよ。よりよい世界にするためのデザイアグランプリだろ?』


『いや、どんな世界を願おうが自由だ。かつてこの国も、争いの末に天下統一が果たされた。このゲームで正しいのは生きて勝ち抜く事…それだけだ』


そしてそのまま彼を放置するわけにもいかず、祢音ともども拘束しようという案になるも、そのタイミングで祢音がゾンビ化に若干耐えきれなくなり気絶。家に帰ることになったのだった。


「…」


『みんなとは…ここでサヨナラかな。ゾンビになって、みんなに噛みつくわけにはいかないし、かといって拘束されるのも嫌だし、それに…』


『どうした?』


『変だよね。ずっと家出したい、家出したいと思ってたのに、自分が死んじゃうかもって思ったら…家に帰りたくて、それからシュヴァルちゃんに会いたくなっちゃった…』


『死ぬなんて言葉、簡単に使うなよ…。大丈夫。人はそう簡単に死なないから…』


『どうゆうことですか!?私に内緒でこんなにGPS仕込むなんて、異常でしょ!!』


『ッ…!』バチン!

『あなたのことを、パパとママがどれだけ心配しているのか、分かっているのですか!?

もう、あの悲劇を繰り返したくないのです』


『娘を帰して欲しかったら身代金3億円用意しろ』


『鞍馬の一人娘というだけで、あなたはリスクを背負っているんです。最近圏外になることが増えて、これ以上トレーナーとしての活動以外であなたの好きにさせるわけにはいきません」


『私は…!私はお母様の人形じゃない!』


『あっ待って!ずっとそばにいてちょうだい。あなたの欲しいものは何だって用意させますから!』


「…ここには、私の欲しいものなんて…もうない」 


が、伊瑠美の変わらない束縛に現状も相まってうんざりし、思わずまた家を飛び出してきていた。

しかしゾンビに噛まれた影響で、フラつき、倒れそうになる。が…


「あっ…シュヴァル、ちゃん?」

「大丈夫?」


「何でここに…?」

「えーすに、けーわ。キタちゃんにダイヤちゃん、クラちゃんまで…」


白馬の王子様ではないがイケメンの類ではあるシュヴァルが受け止めてくれていた。周りをふらついた目で見るに、英寿やキタサンたちも同行してくれているようだ。


「酷く疲れてるわね…私とダイヤ、キタサンが来た理由はシュヴァルと同じよ」

「はい、皆一目散でした」


「…浮世トレーナーと桜井トレーナーから電話で聞いた、それに映像でゾンビに襲われてたのを見たんだ」

「ごめん、祢音ちゃん…僕がいながら…ッ!」


「シュヴァルちゃん、電話を聞いた瞬間に酷く狼狽えてたんですよ。それはもう、あたしたちの声も無視するぐらいに…」


「そう、なんだ…」

(この子にも、心配かけちゃったな…)


どうやらシュヴァルも祢音のゾンビ化の件が酷く気がかりだったらしい。同期の静止を振り切るとはよっぽどである。


「ほんと、ほっといてって言ったのに何で?」

「…ほっとけるわけないでしょ!」


「もしゾンビになったら、スコア稼ぎになるからな」

「…英寿らしい」


英寿や景和も彼らなりに心配してくれているようだった。


「…祢音ちゃん、体調はどう?」


「…悪いけどむしろ、すっごく生きてるって感じがする。いくらお金があっても買えない。理想の世界を夢見て命懸けで生きていられるんだもん。トレーナー業と同じ。うん。デザイアグランプリ、最高だよね…!」


「…でも、あぁあ…。これで、終わりか…。仕方ないよね…。きっと私、愛想を尽かされたんだよ、神様に…。これまでわがまま言い続けて、家族やシュヴァルちゃん、ダイヤちゃんクラちゃん、キタちゃん、その他みんなに迷惑かけてね…」


「…うん、がんばってね。皆のこれから、応援してる」


奏斗ではないが、もう先がないと決めつけているのか祢音は全体的に消極的になってしまっている。


「あっ諦めないでよ祢音ちゃん! 応援て…まだ終わったって決まったわけ…」


「きれい事だけじゃ…! 気持ちだけじゃ!…どうすることも出来ないことだって、あるんだよ。シュヴァルちゃん…」

「ッ⁉︎ ぅうぅっ…」


シュヴァルが励まそうとするものの、どうやら意思は硬いらしい

だがこのままでは祢音は死んでいくしかない。どうすればいい、どうすれば

誰もが思いかけたその時


「いや、案外そうでもない」

「…えっ⁉︎」


「経験者の知識になるがジャマトの生態については謎が多いが一つ分かっていることは、ジャマトによるダメージやペナルティもゲームが終わればすべてリセットされるということだ」


「…とすると、祢音さんがゾンビになる前にゲームをクリアすれば…?」

「ゾンビ化がギリギリ解除される可能性はあるってことになるわね…」

「じゃあ、じゃあ助かるんだ…やったねシュヴァルちゃん!」

「う、うん…」


捨てる神あれば救う神ありということなのか、

この中では恐らく1番デザグラに詳しい英寿曰くジャマトはルールに縛られる生き物だと、それゆえに今回のゲームをクリアすればゾンビジャマトのデバフは解除されると、そういうことらしい。


「どうだ、賭けてみるか?わずかなチャンスに!」


「…」

「本当にこのまま諦めていいのか?」


「…」


ただそれでも不安なのか、祢音は黙り俯いたまま

英寿も、キタサンたちも無理強いはできないのか1人、また1人と去っていき、後に残ったのはシュヴァルと景和だけだった。


「これ、よかったら…」


そして景和はブーストレイズバックルを祢音に渡す。


「何で?」

「君がいなくなったら、姉ちゃんが悲しむから」

「…あなたがじゃないんだ?」

「もちろん俺も。じゃあね」


あくまでお節介のつもりのようだ。


「…祢音ちゃん、僕が偉そうに言えた義理じゃないけど、なんならキタさんの受け売りだけど、自分らしく、立ち向かうべきだと思う」

「祢音ちゃんが強いのは、そういう人だからだって僕はずっと思ってるから」

「シュヴァルちゃん…」


そのままシュヴァルも去り、それでもブーストを見つめる祢音は、願いごとを書いたときのことを思い返していた


『本当の愛が欲しい』


「…うん、よし!」


なにか決意が固まったようだ。


『いよいよ最後の第3ウェーブ。ミッションを開始します』


「…始まった」

「今日は僕しか来れてないけど、見届けなきゃ…」

「おっと、1人じゃないわよシュヴァル♪」

「く、クラウンさん…!」

「貴方のことが気がかりだったものだから、ね」

(ほんとは墨田くんのことが気になったからというのもあるのだけど。アスリートとしては無視できないifに思えたから)




『何で君がここに?』

『取引したからさ。そこの先輩とね』


そうして始まるも奏斗がなぜか拘束を抜け出してきていた。


「まさか…」


『…ふんっ』

「ミッチー…」(何かあの人なりの考えがあってのこと、なのよね…?)


どうやら道長と取引したらしい。


『組むのも争うのも自由。それがデザイアグランプリ、だろ?』

『どうせ…もう終わりなんだよっ!』


『そんなことないっ!!』

『ああ⁉︎』


「「祢音ちゃん(さん)!」」


変わらずやけくそ気味に暴れようとする奏斗。が、そんな彼を静止するように、諭すように、聞き慣れた声が響く。


『私は諦めない!』

『SET』

『最後の最後まで戦う!私らしく生きるために…!変身!』


そのまま屋上を駆け抜け、側転し飛び降りながら変身したるは祢音、なかなかかっこいい登場の仕方である。


『ゾンビの弱点は頭・頭・頭!』

『膝・膝・頭ーっ!』


『『『『『『ジャジャジャジャァ〜〜〜〜ッ⁉︎』』』』』』


「…いつもの祢音ちゃんが、戻ってきた…!」


『よし、このまま…』

『SET』

『READY FIGHT』

『HAMMER ARMED BOOST』


『──ブーストナーゴ、行くよーっ!』


「うりゃあああああ!!』

『『『『『『『『『『ジャジャァーーッ⁉︎』』』』』』』』』』


「…やっぱり強いよ、祢音ちゃんは」


そうして誕生したナーゴ・アームドハンマーブーストは足についたマフラーの火力で、ゾンビの顔面を蹴り倒し、ブーストの力が上乗せされたハンマー攻撃で続々とゾンビを倒していく。


ただただ強い、そう言い切りたくなるほどに。


さし


『マズい…。もう時間がない!』


『これでナーゴも退場か」』


『まだ…!終わりじゃない…!」』


そんなナーゴを見下ろしていた英寿は「フッ!」とほくそ笑むと


必殺技発動


『ZOMBIE STRIKE』


左手のバーサークローが分身してゾンビジャマトの足下から出現し足を掴み動きを止めたのだった。


『賭けてみるか?わずかなチャンスに!』


『本当にこのまま諦めていいのか?』

『自分らしく、立ち向かうべきだと思う。祢音ちゃんが強いのは、そういうところだって僕はずっと思ってるから』


『私は諦めない!私の理想を叶えるために!!』

『私らしく…戦う!』


『REVOLVE ON』


瞬間発動されるはリボルブオン。

上半身はブーストフォームの姿でかつ下半身はアームドハンマーの状態へ

ナーゴ・ブーストアームドハンマーへとチェンジしたのである。


そしてレイズハンマーも合わせて巨大化を遂げる。身の丈ほどもある戦鎚が祢音の右手に収まっていた。


『BOOST HAMMER VICTORY』


「行け…」

そのまま、まずは目の前の多数のゾンビジャマトを撃破


『BOOST HAMMER GRAND VICTORY』


「行けええええええええ! 祢音ちゃあーーーーーん!!!!!」


『やあああああああ!!』


そしてさらにベルトを操作しレイズハンマーの後部からスラスターを展開し、地面に衝撃波を走らせ大量のゾンビジャマトを全て粉砕、木っ端微塵である。


「あっ…」

「ふふ、シュヴァルったらすっごく熱が籠った応援だったわよ♪ きっと祢音さんにも届いたんじゃないかしら」


「そう、かな。…だと、いいな♪」


『スコア最下位は…ダパーン』


『“妨害なんかせずに闘ってたら、最下位はお前じゃなかった』

『諦めない人間には希望がある。それがデザイアグランプリだ』

『お前だって、きっとまた立ち上がれる』


『あなたはここで脱落となります』

『ッ!……どうせ、どうせ一人しか残らないんだ! つ、次は誰が脱落するかなぁ…。楽しみだなぁ!』

『アーッハッハッハッハッ…うわあああ⁉︎』


『RETIRE』


そうして最下位になったのは奏斗だった。

英寿も行っている通り諦めることをしていなければ、また違った未来があったかもしれない。

ただ、命からがらその未来を得たのは、教え子の、祢音の未来への信頼を胸に状況を打破すべく足掻いて足掻いて足掻きたおした祢音だったということである。


「つまり死んだわけじゃないのね、IDコアも破壊されていないわけだし」


「「…諦めない限り希望はある」」

「そうね、なら私だってきっと…」


ただ死んだわけではなく。ならいつかは立ち上がれる可能性もあるのかもしれない


そしてクラウンとシュヴァルは、英寿の先程の発言を踏まえて、改めてこの先のトゥインクル・シリーズで必ずG1を勝つ、勝ってみせると信じることにしたのだった。



「…因縁の決戦は近いようだ」


──同じ頃。

また独自の仕様らしき部屋からモニターでギーツとバッファの戦いを見ていたマスクの男は一人そう呟いたのだった




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