>143交代
ルフィが歌姫を、ウタが海賊の船長を3日ほど交代
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____夜の食卓
「はい注目!!!!」
「三日間の船長の座をかけたルフィとの勝負で私が勝ったから明日から三日間は私がこの船の船長でルフィは歌姫になりました!!」
一味は"また変なことが始まったな"という顔で反応し、頭の中で何事も起きませんようにと願っていた
「反応が薄いな〜」
「しっしっし!!お前に船長ができるか?おれなら歌姫をしっかりやれるけどな!」
"むしろあいつの方が問題を起こしそうで心配だ"と一味の船員はルフィの方を見つめていた
____入れ替え一日目
「____暇だな……」
平時ではこれといって仕事のない船長業を行うウタは甲板の茂みに横たわっていた
「そうだ 自由なんだから何してもいいんだよね! ウソップ チョッパー!!一緒に釣りしよう!!」
一方防音室にて
「う〜ん ここを押せば配信が始まるのか?」
「お!電伝虫が起きた」
「おれはルフィ! 今日から三日間ウタの代わりに歌うことになったからおれの歌を聞いてくれ!!」
「____ふぅ……すぅ……」
「東の空は〜♪____」
大きく息を吸い深く吐いてから歌い始めると、どういうことか電伝虫の通信先が続々と切断されてしまった
「___あれ?電伝虫が眠っちまった」
気づけば手元の電伝虫が自ら通信を切断していた
歌姫の歌声に聞きなれていると、彼の歌声には満足出来ずに眠ってしまったのだろう
「他にやること……作曲なんてできねェしな〜 」
「そうだ あいつの立場になったんだからウタみたいに勝負を仕掛けに行くか!!」
場面は戻り甲板へ
「うぅ〜つまんない……」
「ウソップは植物の栽培で忙しくて時間が無いし、チョッパーは薬の調合で部屋にこもってる」
「手伝おうとしても私には危ないからって手伝わせてくれなかった……」
「……ウタ〜!!勝負しよう!!!!」
「ルフィ……歌姫の仕事はどうしたの?」
「失敗した!だからいつもお前がやってる事をやることにしたぞ! 勝負だウタ!!」
「____しょうがないな〜!受けて立つよ!!」ピョコ
____どうやら船長と歌姫の役職が変わったのではなく、ルフィとウタの立ち位置が変わったようであった
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二日目
「ウタ!今日も勝負しよう!!」
「また〜?……しょうがない これも"船長"の仕事だからね!!」
「役職を変えてもあのふたりは変わらないわね」
「よし!先に釣った私の勝ち〜!!」
「くっそぉ〜!!釣り勝負なら負けないと思ってたのに〜!!」
「出た!!負け惜しみィ!!」ニギニギ
「そうだな〜負けたルフィは……」
「今日一日"船長"に"歌姫"として歌を歌い続けること!」
「へ〜おれの歌が聴きたいのか〜嬉しいなァ! んじゃあ お前の部屋に行くか!!」
バタン!!
「さぁ 船長だけに歌姫の可愛い歌声を聞かせて」
「いいぞ!!」
【東の空は〜♪____】
「懐かしい歌だな〜」
「♪〜___ふぅ……どうだった?」
「良かったよ!!もっと聴かせて欲しいなまだまだ歌えるよね?」
「え?まだ歌うのか?」
「今のあんたは歌姫なんだから当たり前でしょ そして船長の私はその歌声を聴いていい気分になるの!!」
「そうか なら次はこの歌だ!!」
【この風は〜♪____】
(それ……私の曲 昔何回も歌った……思い出の曲……)
(私が勝負に勝つ度よく歌ったっけ……いい気分になってきたなァ……まるで子守唄みたい)
【ただひとつの夢〜♪____ん?】
「寝ちまったか……どうせならいつもあいつがしてくれたようにベッドの上で膝枕でもするか」
「____んむぅ……」
「起きたか?」
「ルフィ……私いつから寝てた?」
「おれが歌ってる途中にいつの間にか寝てたぞ そんなにおれの歌が良かったのか?」
「うん……子守唄みたいだった」
「そっか!!船長のお前に褒められて嬉しいよ!!」
____三日目すなわち"最終日"
「今日は島に着いたから船長の私がみんなに指示を出すよ!!」
「まずはゾロとサンジとソウルキングが食材の買い出し!ゾロが迷子にならないように気をつけてね!!」
「ジンベエ親分とフランキーはコーラを買って来て!!ルフィを除いた他のメンバーはその他でみんながメモに書いた"欲しい備品"を買ってきてね!!」
「「了解 "船長"」」
指示を出す時のウタは生き生きしているな〜と船員は彼女の"ビシッ"としている姿を見て感じていた
「そしてルフィは……」
「船番と歌姫の部屋で私のために歌を歌い続けること!!」
「任せろ 船長!!」
ふたりだけの防音室で"歌姫"は歌い続け "船長"はそれを何時間も楽しんだ
__そしてそれは罰ゲームが終わった明日も明後日も続いた
"船長"と"歌姫"の中身が変わっただけで……いや、元に戻っただけで二人の生活は特に変わらず毎日を幸せそうに生き生きと過ごしていたのだった
END