>138 タイプ?

>138 タイプ?


ウタの好みのタイプである普段は子供っぽいけどいざという時頼りになる男って情報を知ったルフィ

自分でも訳が分からないけどやる気が出て色々がんばるけど空回りばかりしてしまう

そんなルフィを見てウタは・・・


____________


エレジア事件をトットムジカを出させずに言葉を交わすことによって解毒剤を飲ませることで解決させたルフィ

そんな彼の夢の果てを近くで見るためにウタはサニー号に乗ったのだった


そしてルフィは次第にウタへの気持ちを全面に出し始め……




一味の船長でもあり"赤髪の娘"ウタの幼馴染でもあるルフィは彼女がエレジアでの歌姫期間中に出していた雑誌を読んでいた


「あいつの好物とか載ってないかな」


一枚一枚紙をめくるが目当ての物は見つからない

ただしある項目が彼の目に入った

「ん?好きなタイプ?ウタが好きになる男の特徴ってことか」


「____ふんふん…"ふだんは子どもっぽいけどいざというとき頼りになる人"」

「そういえば昔にシャンクスの子どもっぽいところが可愛いって言ってたな」


「____よし!あいつの前で子どもっぽさを出してみるか!どうすればいいか分かんないけどがんばるぞ!!」




「なァウタ〜」

「なにルフィ?」

「ジュース持ってきてくれよ!!」

「そんなの自分で持ってこれるでしょ?わたし今は作詞中だから構ってあげれないよ」

「そっか 分かった」バタン!




「う〜ん 今のは子どもっぽさが足りなかったのか?」



____夕食

「ウタ あ〜んしてくれないか?」

「え?」


「「 は? 」」

その発言を受けてウタは少し動揺し、他の仲間たちは彼のその発言に驚愕し固まってしまった


「反応悪ぃな これも違うのか」

「?」





夕食の後もルフィはどうすれば彼女のタイプの男に近づけるか考えていた

「そうだ!!あの手なら子どもっぽさを見せれるぞ!!」


____女子部屋

「____でね〜最近ルフィが変なんだ わたしに甘えて来ることが多くなって もう大変だよ!!」

「ふふ…それは良かったわね」

「え〜良くないよ さっきだってみんなの前であんな恥ずかしいこと言ってきたし、あいつの拗ねる顔が可愛いせいでどのお願いも断らないといけないし」

「それに____」

バタッ!!

「ウタ!!一緒にお風呂に入ろう!!体洗ってくれよ〜」

「え?」

「何言ってんのよ!!!!」ボコッ!!!!


「ず…ずびばぜん……」


結局ルフィは子どもっぽさをアピールできずに一日は終わってしまった



____次の日


「今日こそウタの好きなタイプになってやる!!」

バタンとハンモックの上で体を起こし彼は目覚めた

____そう これが今日の彼の寝起きの言葉であったのだ


今日もルフィはウタにアプローチをしたがどれもこれも彼女の反応は薄く空回りしてばかりである

時は滝のように流れ気づけば午後に


「ルフィ ウタと一緒に買い出しに行ってきて はいこれ買い物のリストね」

「おう任せろ!! 行くぞウタ」

「うん」



買い物の最中もルフィはどうやってアピールをすればいいか考えていたため、少し頭が上の空であった

そんなふたりに牙を向けるものが一組


「お〜お〜…歌姫ウタじゃねェか!」

「こんな所に金の成る木があったとはな今日のおれたちはツイてるぜ」


「なによあんたたち」

ルフィとの買い物を邪魔されて、歌姫はたいそうご立腹のようだ


「な〜に 深く気にする必要は無いさ」

「お前はただおれたちに捕まって死ぬまで歌い続ければいいんだよ!!」

"いかにも"な連中は武器を構えてウタを目掛けて突撃した


しかし彼らの貧弱な剣など彼女の元には届かずに彼らの甘い夢ごと打ち砕かれたのだった

彼の強く握りしめた拳によって


「な…ななな……」

「なんつ〜強さ……」


「____お前ら」


「おれの女に手を出すなよ!!!!」

ふだんは子どもっぽさを前面に出している彼は彼女が危機に瀕したとき、彼女を守るために気合を入れて敵に相対した


彼は知らない

その姿こそが彼女の好みのタイプであるということを



「くっ……逃げるぞ!!」

勝算のない人攫いの一団は煙を巻いてどこかへと消え去った


「ウタ 怪我はなかったか?」

「____そんなものないよ」


「守ってくれてありがとう ルフィ!!」

「そうか 良かった!!」

その後は何事も無かったため買い物を終えたふたりは船が停泊する港へと歩いていた


「ところでさ……なんで最近は甘えてくるようになったの?」

「実はな…お前の好きなタイプの男になりたくてよ 子どもっぽさをアピールしようとしてたんだ」

「どれも失敗してたけどな!!」

「そうなんだ〜…ん?」

(好きなタイプの男になりたかった?)


「もしかしてルフィ わたしのことが好きなの?」

「そうだぞ!おれはお前の事が大好きだ!!友達としても仲間としても 一人の女としてもな」


「そうなんだ 嬉しい!!…それとね」


「最初からそんなこと頑張らなくてよかったんだよ だってあんたは普段からガキっぽいし意地も張ってるし…それでも」


「いざという時は頼りになる 麦わら帽子が良く似合う男の子なんだから」

「じゃあ おれはお前の好きな____」


「好きだよルフィ」



「にしし!!やった〜!!」


彼の"意識したアプローチ"は終わったが 次の日も彼の子どもっぽい行動は続いたのだった

その姿を見てウタは心底楽しそうに彼をからかい寄り添っていた


END

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