黒と白の狂想曲
新時代を作る為の一歩。必ず越えなければいけない壁である"ビックマム"シャーロット・リンリンと"百獣"のカイドウ相手にトットムジカを纏ったウタとニカとなったルフィは激突する。しかし、四皇の壁は厚くトットムジカの特異性を使った防御重視の戦法では倒しきれる未来が見えなかった。
「やっぱり強いな…ウタ!"あれ"を使う!」
「"あれ"ね!任せて!」
だからこそルフィはウタに指示をしウタもそれに応える。どんな強敵だろうと越えられる最強の戦法を。
『 』
トットムジカの中からウタは歌を紡ぐ。聞いた相手をウタワールドに誘う、能力を使った歌を。カイドウとビックマムはその能力の干渉を覇気で防ぐ。いくらトットムジカに決定打が無いとはいえ片方がウタワールドに行っては不利な為だ。だが、これの本当の狙いは彼らでは無い。
「ふわァ〜〜zzz」
ウタの能力によりウタワールドに誘われたルフィはその場で眠る。それは本来ならあり得ない行動だった。
「ウォロロロロ!何をたくらんでるか知らねぇが」
「まさかオレ達と1人でやり合おうって腹積りかい?」
ありえない行動だからこそ四皇たる2人は最大限の警戒をして問う。
「1人じゃ無いよ。」
その問いにウタは応えると同時に作戦を実行する。自らを取り囲むトットムジカに話しかけその力を振るう。
その次の瞬間には突然現れたルフィとウタによってカイドウとビックマムは吹っ飛ばされる。
トットムジカの力を使った限定範囲の現実世界とウタワールドの同化
それが2人が建てた最強の戦法だった。
突如現れた"ウタワールド"のウタはその権限を使い自らの服装を変える。ウタにとって最強の証である麦わら帽子を被り、その背には正義の証である白いコートを羽織る。正義の文字こそ無いが、それは確かに海軍時代に使っていたコートと酷似していた。
「ギア5 Black」
ウタワールドのルフィはその呟きの後、隠していたその姿を解放する。腕には高度な武装色の覇気が模様として現れ、全身の温度が急上昇する。逃亡中に受けた古傷が熱を帯びたマグマのように浮かび上がり、その身から黒い蒸気が噴き出す。その蒸気はたちまちルフィの顔の半分を覆い隠し、本来瞳があったであろう場所に人魂のような炎を浮かび上がらせる。筋肉が膨張し人の形を崩したそれは、もはや奇形を越えた異形であった。
「「1人じゃねェ(ない)!!4人だ!!」」
「アヒャヒャッ。やっぱりアイツらは面白いな!お前もそう思うだろ?」
目を向く四皇相手に宣言する2人を現実のルフィの体を使ったニカはトットムジカの帽子の上から眺める。真っ白なウタと真っ黒のルフィ。並び立つ2人を自分達に重ねて、下のトットムジカに話しかける。
トットムジカからの返答は、自分達の敵へのレーザー光線だった。