鹿紫脹
虎杖が回復要員として駆り出されてる時の別室待機してるふたり
多分種別としては官能小説なので、汚喘ぎとか❤喘ぎとか期待してる人には向かないです。申し訳ない。
お兄ちゃんの血以外に微弱毒がある設定。
恋人の悠仁がまたイカれた戦いに駆り出されて行った。
ケツ掘ったら回復とか意味わからん。
まぁ、あの領域に行くと真っ当な考えなんて霧散しちまう訳だが。
ちらと隣りに座るもう1人の恋人を見れば、拳を握って
「悠仁!頑張れ!えらいぞ!」
などと宣ってやがる。
俺の恋人たちなのに、今の2人は俺の事なんか眼中にも頭ん中にも無いんだろう。
そう思うとなんだか苛ついてきた。
そういえば、コイツは自分があっちに行って戻ってきた時に俺達に嫉妬されても、キョトンとしていたっけ。曰く、
「アイツに抱かれてあんなに乱れてしまった俺にそんな資格はない。」
のだとか。
「んなちいせぇこと気にすんな」
って言っても、曖昧に笑うだけだった。
思い出したらやっぱ苛つく。
ついでになんかちんこまで苛ついてきた。
つまり、これはこいつにわからせてやる必要があるって事だ。
ぱちっと空気が弾けた音に脹相が振り返った。
「鹿紫雲、どうした?」
と俺を撫でてくれようとしてるのか、心配そうに伸ばしてきた。
その手首を引っ掴み、そのままソファに押し倒す。
「っ!鹿紫雲!?今、悠仁が頑張っ──」
悠仁悠仁とうるせぇ口を塞いでやった。
また悠仁かよ。
悠仁は俺の恋人だし、オマエたちは兄弟だろうが、オマエも俺の恋人だろ。
俺の苛立ちとリンクしてぱちぱちと電流が走る。
「っん……!ふっ、ぁっ…かし、も」
その刺激に身を震わせながら、脹相は期待と情欲に潤んだ瞳で見上げてくる。
いいぜ。
オマエを、脳と骨の髄まで痺れさせてやるよ。
「んんっ…ん、ぁっ、ふぁ…んっ…」
艶やかな声を愉しみながら舌を絡めて、互いの唾液を混ぜ合わせる。
コイツの血には毒があるが、それ以外の体液にも微弱な毒があるようで、舌にピリピリとした刺激を感じる。
そして、それはお互い様だ。
生来の呪力特性で、俺は常に帯電してる。
今は静電気程度に抑えているが、それでも唾液に塗れた舌にはそれなりに強い刺激になるだろう。
「…んっ……くぁ、かしもぉっ……あっ…」
普段は深海のように沈んだ低音が、上ずり甘く俺を呼ぶ、この瞬間が好きだ。
何にも興味が無いというような冷めた眼が、熱く蕩けて先を強請る、この瞬間が。
「焦んなよ」
そう言って鎖骨に噛み付き、付いた歯型を舌でなぞる。ぱちっ、ぱりっ、と弾けた音がする。
「っつ……!あ…っはぁ……ぅんっ……ぁっ」
俺が与える電気刺激に快感を覚えるように“躾け”たから、脹相は素直にそれを拾い、身を跳ねさせ、声を上げる。
「ははっ、かわいいな」
耳元で囁き、そのまま耳ん中に舌を挿し込み畝らせる。
「あっ!やぁ…だ、だめぇ…っ、あぁっ……ぃやぁ……っ」
ぐちゅぐちゅと言う水音とぱちぱち弾ける音が混じって聞こえる。
脹相はコレに弱い。幼子のように頭を振って、やめさせようと俺を掴む。
「“いや”じゃねぇだろ?“イイ”んだろ?」
力の入ってないそれを抑え付け、更に激しく耳を嬲ってやる。
「ぅあっ!あ゙っ!んぁあっ、やだっ…かしも、かし、もぉ……っ、ぁんん……っ」
ぐぢゅぐぢゅ、ぱちぱち、じゅぶじゅぶ、ぱりぱり。水音と弾ける音が混ざり、重なり、鼓膜を犯す。舌と電気で、耳のそのものを犯す。
「ほら、さっさとイけよ」
舌を奥まで挿し、さっきまでより強く電気を流す。ほら、コレでオマエは、
「んぁ……!かしも、だめっぃやっ……ぁ、あぁ……っ!!」
脹相はまだ触れてすらいないソコから、白く濁った飛沫を散らした。
ほらな。だって、そう“躾け”たんだから。
「はぁ……んっ、あっ…あぁ……っ」
いつもならもっと構ってやるが、今回ばかりは俺も余裕が無い。
脹相が出した白濁を指に絡め、会陰をなぞって性急に後孔に指を沈める。
枝分かれした痕に彩られ、俺を受け入れることに慣れたナカはもう柔らかく熟れて俺の指をしゃぶってくる。
「ははっ、エッロ」
「ゃぁ…っ」
思わず呟いた言葉に、脹相はびくりと身を捩り、恥じらうように目を伏せた。
「……ホントにかわいいな、オマエは」
そう言って赤らんだ目元に口付ける。
「んん……ぅあっ」
ぱちっと雷が弾け、薄い皮膚に赫い放射状の花が咲く。脹相の陶器のような白皙の肌にはこの所有印がとても良く映える。
それが余りにも俺の情動をザワつかせるから、ナカに埋めた指を増やし、少々乱暴に解していく。
「なぁっ、もう…イイよな?」
「ふぁ……あんっ…あぁっ、は、ぁん、うぁ……っ、んん…かしも、はや…くぅ……っ」
ぬちゅぬちゅ、ぬぷぬぷと音を立てて解しながら、腹に付きそうな程張り詰めたブツをごりごりと押し付ければ、甘えた声で強請られる。
「はっ、急かすな、よっ」
「ぁあぁ──────っ!……ぁっ、ゃっやめっ、ま…ってぇ、イった、っからぁぁ……っ!、うぁ、あぁっ、だ…めっ、んあっ…いやっ……だめっ」
お望み通りに一気に全部突っ込めば、それだけで脹相は達したが、気にせず抽挿を繰り返し弱いしこりを捏ねられて啼く脹相の声をBGMに絶頂後のヒクつきを味わう。
「くくっ、はぁっ、最高だよ、オマエ」
「やっ…あんっ……あっ、んうっ、いやぁっ…とめ…てっ……むりっ、んん……っ、ま…た、くる……んぁ……くるぅ……っ、かしもぉっ…んっ、だめ、かしもっ…ぃやっ」
いやいやと揺れて快楽から逃げようとする頭を押さえ付けて、何度も嬌声ごと唇を奪いながらごちゅごちゅとしこりと奥を穿てば、ひくひくとナカが収縮する間隔が狭まってきて、果てが近いと教えてくれる。
「ふ、ぁあぁっ、おね…が……っ、か、しもっ、もうっ……やめっ、ああっ……だめ、も……っだめぇ…っあ、やぁ───────っ!!」
背を弓なりに反らしガクガクと腰を痙攣させ、三度目の絶頂を迎えた脹相はくたりとソファに身を預けるが、ナカは淫靡にうねり俺の精を搾り取ろうと喰い締めてくる。
「───っはぁ……っ」
それに抗わず吐き出せば、流れ込むモノが嬉しいと言わんばかりに波打ち吸い付いてくるナカに、出したばかりなのにまた剛直と呼べる程に熱を取り戻した。
「おい、へばってんなよ。盛り上がんのはこれからだ、ぜっ!」
「あ゙ぁぁっ!?かっ、は、ぁあ、ぅあ゙っ」
ぱちん!と腰を打ち付けると同時にナカに電流を奔らせると、ソファで微睡みかけた脹相が目を剥いて身体を痙攣させた。
「ほら、オマエは、コレがっ、好き、だろっ」
「い゙っ…あぁっ、あ、はぁっ……っくぁ、んっや…っ……あつ、いぃ」
ぱりぱりと奔る電流にずちゅずちゅと刳る熱塊でナカを灼かれ、脹相は過ぎる快感から逃れようと身を捩らせる。
「あっコラ、ダメだ、逃げん、なっ!」
「ひぁぁっ、か…かしもっ…あんっ、や、やらぁ…っ、かしっ…もぉ、らめぇ…っ、ぃやっ」
逃げを打ってくねる細い腰を逃すまいと強く掴めば、抑え切れない情慾に従った電流がばちりと白い肌を灼き、手形と共にその周りに細く花弁を開かせる。
その刺激で脹相は声を引き攣らせ、ぱたぱたと涙を零しながら、童のようにいやいやと頭を振っている。
普段の静謐さすら感じる凪いだ声が波立って稚く何度も俺の名を呼んで、呂律の回らない形だけの拒絶の言葉を紡ぐ。
兄としての鷹揚さ、沈着さ、その他諸々の振る舞いが快感によって瓦解して、幼く無垢な言動になっていき、それでいて凄絶な色気を纏う様は、余りにも目の、耳の、いや、全ての感覚における毒だ。
その声をもっと聞きたくて、兄の枷と箍が外れた姿をもっと暴きたくて、仕方が無くなる。
「嫌でも、ダメでも、ねぇ、だろっ」
「ふ、ぅあっ…んあぁっ、んっくぅぅ…っ、あっ、も、らめ、ぃく、い…く、からぁっ、ゃぁあああ───っ!」
「っ、ほら、呑めっ!」
じゅぼじゅぼと淫猥な音を立てながら胎に抜き差ししてやれば、その音にまた締め付けを強くし、歯型と雷華で縁取られた輪の中心に歯を立てて放電すれば、ばちんという音と共に体を反らせて潮を放ち、今度こそ脹相は意識を手放した。
限界を超えた絶頂の圧搾に、耐え切れず最奥に嵌め込んでぶち撒けた。
吐き出す音と弾ける音が中で響き合っているのを聴きながら、脹相のぐずぐずに熔けた呪印から滴る血を舐める。
普通の血と違って、甘く感じるのは気の所為かと考え、思い当たる節にしまったと思う間もなく体から力が抜けていく。
「……そういや毒だったな。」
すぅすぅと今までの乱れぶりが嘘のように穏やかな寝息を立てる身体にそのまま覆い被さり、痺れた腕で抱き竦める。
「ま、この程度で死ぬ訳ねぇし、このまま寝ちまうか。」
俺もアタマ灼けちまったかな。
誰に聞かすでもなく呟き、心地良さすら感じる痺れに身を任せた。