魔物の毒に当てられた鄭にアーチャーが無理矢理襲われて…
ワ
ン
ク
ッ
シ
ョ
ン
それはある夜のこと…
アサシン陣営の捜索の為に某所を訪れていたアーチャー陣営。捜索の途中で海魔に遭遇したのでこれを討伐しようとしたところ、鄭が海魔の毒に当てられてしまう。海魔を全て討伐した後、鄭の様子を見て全てを察したアーチャーは急いで屋敷へと戻ることにするが…
「気分はどうだ、マスター。といってもその状態では話すのも苦しいだろうが」
「アーチャー、頼む…俺からすぐに離れてくれ…」
「何を言い出すかと思えば…マスターが苦しんでいる時にサーヴァントが離れる訳にはいかないだろう。幸いここまで来れば屋敷はそう遠くない。もう少しの間辛抱してくれ」
そう言ってアーチャーは鄭の手を引くがしばらくして鄭の方から手を振り解いたのであった。
「どうした。まさかとは思うがもう歩けないのか」
「駄目だ…アーチャー、早く俺から離れてくれ。このままでは俺はおまえのことを」
「…明儼?」
心配して鄭の両肩に手を置くアーチャー。その後すぐに強い力で腕を引っ張られる。
気がつけば自分の口の中には鄭の肉棒が捩じ込まれていた。両手で頭を押さえつけられる。口で息が出来ない。アーチャー目尻には涙が浮かぶ。サーヴァントなので抵抗することも出来たがそれはしなかった。仮に自分が抵抗してマスターを殺してしまったら…という考えが頭に浮かんだからだ。
やがて自分の口の中に精液が吐き出される。粘っこい感触が喉に絡みつく。思わず吐きたくなったが令呪が刻まれた手で口を塞がれた。
(全て飲み込めということか…)
観念して精液を飲み干した。味わったことのない不快な感覚に咳き込むがこれだけでは終わらなかった。
「まだ…毒が抜けていないのか」
鄭に乱暴に押し倒されたアーチャー。懐から取り出した荒縄で両腕を縛られる。首元から服の中へと手を入れられ、細い身体を弄られた後にやがて衣服を剥かれた。
「う"あ"っ…」
下半身に鄭の肉棒が挿入された。何度も抽送を繰り返す。初めての痛みと苦しみに早く終わってほしいと思っていたがわずかに気持ち良さも感じていた。
行為の最中に唇を重ねられた。舌を捩じ込まれて口の奥の方まで犯される。しばらくして唇が離れ、互いの唾液が糸を引く。その時の鄭は口端が吊り上がり、今まで見たことが無いような悍ましい笑顔を浮かべていた。
「っ…目を…覚ましてくれ」
やがて下半身に精液が吐き出される。吐き出されて少し時間が経った後にアーチャーは鄭の様子が先ほどと違うことに気づく。
「マスター」
「あ…俺は、何を…」
「正気に、戻ったようだな」
そう言われた鄭は正面のアーチャーを見遣るがその姿は痛ましいものだった。
簪の取れかかった髪、剥ぎ取られて破れた衣服、手首に残った縄の跡、首と胸や太腿につけられた噛み跡と唇の跡。
「まさか…全て俺がやったのか⁉︎」
「気にするな。おまえのせいではないさ」
「っ…」
鄭はたまらずその場を離れたくなったがアーチャーに腕を掴まれた。
「おまえのせいではないと言っている」
「しかし…俺はおまえのことを!」
「明儼」
腕を掴む手に力が込められる。やがて鄭は観念したようにその場に座り込んだ。
「アーチャー、本当にすまなかった。謝って許されることではないが…」
「気にしなくて良いさ。よほど強い毒だったのだろう」
既にアーチャーの髪と衣服は元通りになっていた。一見何事もなかったように見えるが首に残った噛み跡が痛々しい。
「何故抵抗しなかった。おまえなら逃げられただろう」
「おまえを放ってはおけなかった。それに、抵抗して間違えて殺してしまった場合、私の望みは叶えられなくなるからな」
アーチャーの発言が鄭に重くのしかかる。それだけ自分は強く信頼されているのだと悟った。
「…まぁ、男に抱かれるのは初めてのことで面食らったがな」
「本当にすまん!」
「マスター、今夜のことは誰にも言うな。私も口外はしない」
「おまえはそれで良いのか?」
「何、玉蓮には魔物との戦いに存外苦戦したと言っておけば良いさ。さ、帰るぞ」
そう微笑んでアーチャーが手を差し伸べる。差し出された手を取って鄭は立ち上がる。やがて屋敷に辿り着いたが、そこまで距離が離れていなかったことに互いに苦笑を漏らした。
あれから何日か経った後、
アーチャーはいつも通りに接してくれてはいるが、鄭の中にはわだかまりが残っていた。その日の夜、晩酌をした時に
「次におまえを抱く時は、もう少し優しく…」
「何か言ったか?」
「いや、何も」
と他愛のない会話を交わしたのであった。
〜完〜