゛魔の海の冒険〟導入
「ウタちゃんに変なことするなよフランキー」
「アウ!!スーパー任せとけ」
ウォーターセブンを出港し数日、サニー号の船上でフランキーはウタの修理を行なっていた。フランキーがウタに変な細工をしないようナミとサンジが監視し、普段のキィキィ鳴るオルゴールが直るのかとルフィやウソップが期待し眺めていた。
「よーし!!これでOKだ!!!縫うの頼むぜ小娘」
「小娘じゃなくてナ・ミ…ったく、お疲れウタ縫うわ」
「キィ!……キィ!?」
「あれ?」
修理前と変わらないオルゴール音にナミとウタは困惑した。
「おいフランキーぜんぜん治ってねぇじゃねーか」
期待して損したとばかりにルフィがフランキーに文句を言う。だがフランキーはそれにあっけらかんと答えた。
「そりゃそいつのオルゴールは壊れてねーからだ。このおれ様が保証してやる」
「な!!おれの言った通りだろ!!」
フランキーの発言にウソップも同意する。なら何故ウタのオルゴールは元から歪な音を鳴らすのか、とナミは考えるが次のフランキーの発言に思考は奪われる。
「だからおれ様特製スーパーーーーロケットを仕込んだぜ!!見てろ」ポチッ
「は」
「え」
「「ロケットーーーーーー!!?」」
困惑するサンジとナミ、ロケットという言葉に目を輝かせるルフィとウソップを置いてフランキーはリモコンのスイッチを押す。その瞬間どう仕込んだのかウタの背中から噴出口が現れ、火を吹いた。
「ギィィィィィイイイイイイイイイ」
絶叫しながらウタは吹っ飛んでいき、もちろん制御することは出来ず海へと落ちていった。
「ちょっとウタは浮かばないのよ」
「今行くよ!!ウタちゃん」
「おい待て、なんか海に落ちてないぞ」
助けに行こうとするサンジをウソップが呼び止める。5人が急いで確認するとウタは海に漂う樽になんとか捕まっていた。
「急いで回収するわよ」
ナミの命令を聞き、ルフィは急いで樽ごとウタを回収する。その間フランキーはサンジとナミにキツくお灸を据えられていた。
「お、おれは良かれと思ってやったんだぞ…」
「おれ達が見ててどうやって仕込んだんだよ、次やったら3枚におろすぞ!!!テメェ!!」
「可哀想に怖かったわねウタ」
「キィキィ…」
ボコボコにされたフランキーに説教するサンジ。その横ではよほど怖かったのか震えるウタをナミが宥めていた。そして一連の出来事を遠くから眺めていたロビンがゆっくりと近づき、フランキーの肩をポンっと触れる。
「もう二度とウタには触らないでフランキー」
真顔で告げるロビンに普通にショックを受けるフランキーを尻目にルフィは樽についてナミに質問した。
「なぁこれ宝って書いてるけどよ、もしかして宝船の落とし物じゃねぇか!?」
「「お宝!?」」
「残念、お酒と保存食よ」
ルフィの発言に興奮するウソップとチョッパー。そしてナミはウタを宥めながらルフィの質問に答えていく。