高嶺の花のお嬢様
前半キッド視点、後半ディーナ視点です
やいやい言いつつも気があるディーナと
浮かれてウキウキなキッド。
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待ちに待った「その時」がやってきた。
前日からプランを組み考えガチガチに緊張した結果、何を着ていけば良いのか迷ったので釣り合うようにと直感で服を決める。
「し…信じられませんわ!!貴方どうしてそうなりますの!?今すぐ脱ぎなさい!」
完全に裏目に出た……いつもデートの時にドレスを着ていた彼女は今日に限って赤いシンプルなワンピースを着ていたのだ。
「あ〜腹イテェわ…ラブホに勝負服で来るバカが何処にいるんだよw」
俺の思い描いていた理想のデートプランはゴルシさんの親父さんに爆笑された挙句ディーナにブチギレられる波乱の幕開けとなったのだった。
気を取り直そう…ここからが肝心だ!
隣に立つディーナの様子を見ると、前からお喋りではあったが今日はいつにも増して饒舌な気がする…もしや照れてるのか?ここは一つジョークで和ませてやろう。
「そう照れんなって!まだ脱がすには早いだろ〜?お・マ・セ・さん♡」
「お黙りなさい!!全く、何故このようなことになるのかしら…だいたい貴方なんてわたくしの理想にはこれっぽっちも!及ばないのですからね!?付き合えることに感謝し「っ!待った」
よく喋る口を手で塞ぐ
俺らを見る親父さんの目がすんげえ怖い…
「むぐ!?む〜〜!」
「文句ならいくらでも聞いてやるからよ、早く部屋選ぼうぜ」
めちゃくちゃ恥かいたわ…バカか俺は
荷物を置き、勝負服を畳む。
先にシャワーを浴びた彼女は、バスローブ1枚のまま何やらブツブツと呟いている。
「ええと、これからどうすれば…あの方に全て任せる…のはまだ怖いし…」
豊満な身体に薄布1枚だけなのは目に毒だ早くその身体を間近で見たい。
「なんですの?ジロジロと…いやらしい」
「まあそう言わずに、こっち来いよ」
近寄って肩を抱く。自分より何倍も華奢な身体とほのかに香る香水の匂いが「女」を実感させ興奮を煽る。この女が、今から俺のものになる
――――――――――――――――――――
ギラギラと欲にまみれた目を輝かせた彼にため息をつく。明らかに期待している。
「はあ…わかりました!わたくしの負け。だから、早くシャワーを浴びて戻ってきてくださる?」
「よっしゃわかった!すぐ戻るな!!」
そう言うと彼はドタドタと大急ぎで浴室に入っていった。あんなに期待しちゃって…可愛らしいお方なんだから。
だけどその様子があまりにも危なっかしく映るので、頼むからゲート破壊のようなことは起こさないでもらいたいと願った。
……遅すぎますわ!!何をそんなに気合いを入れることがあるのかしら!
それに何故あちら側の方が時間がかかっておりますの!?普通逆ではなくって!?
レディを待たせるだなんて信じられない!
「ふ〜悪い悪い、待たせたな」
気の抜けた声と共に湯気が立ち上る逞しい身体が現れた。
「遅…ひっ!?あ、ぁあ貴方、服は!」
「どうせ全部脱ぐんだから同じだろ?」
「バスローブくらい着なさいな!貴方に
ムードというものはありませんの!?」
「脱げとか着ろとか…めんどくせぇな」
否応なしにソレが視界に入る。
本当に、色々と…「大きい」わね…
あんなのがわたくしの中に入るの?
妄想に耽っているとひょいと抱えられた。
「じゃ、ベッド行こうぜ」
どれだけ喚いても駄々を捏ねてもどうにもならない…ならば覚悟を決めるしかない。
天蓋付きのベッドに下ろされる。
お互い無言になり、耳鳴りだけが響く。
静寂はわたくしの声で破られた。
「…不束者ですが、どうぞ、よしなに。」
「お、おう…!」
布の擦れる音も、ベッドの軋む音も、この煩い心音に掻き消されて聞こえなくなる。
素直になれない自分が恨めしい。
誘ってくれて嬉しかった。貴方が好き。
…なんて気の利いた言葉を言えたらどんなに良いのでしょうね。
夢ならどうか醒めないで
今から少しだけ素直にさせて