順序入れ替え例

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「カナ。アタシとお前で、本を作るぞ」

先輩の乱雑な口調。その裏腹の美しさの権化ともとれる美貌が私を睨む。

透き通るような真っ白な肌に、サラサラと流れる長い金髪。細い華奢な手足はキッチリと制服に包まれて露出も無く、高校生にしては低い、140cm程の身長も相まって、まるで出来のいい西洋人形のよう。


『活動実績が無いふたりだけの文芸部に、部費と部室を維持するための実績を残す』

(文芸部が二人だけという舞台の説明を簡潔に)


私たちが直面している現実を突きつける深山アヤ先輩の案に、一瞬つい考えこんでしまった。


この高校の文化祭は6月下旬に開催される。その理由は3年生の受験勉強と被らないようにするためだとか、修学旅行の日程との兼ね合いだとか、はたまた単なる逆張り精神だとか色々と言われている。

そして今はちょうど7月になった頃で、今年の文化祭はついこの間終わったばかりである。だから、もし本を出すならおよそ1年は期間があるのだが、


「いやいやいや、そんなの出来ないですって」

もちろん自信を持ってそうしましょうなどと言えるわけがなく。


「なんだよ、やってみなきゃ分かんねえだろ」

「だってそんなネタも無いですし、書いたところで読んでくれる人がいるとは思えませんし……」

「あーもう、いいだろ!」


先輩がバン!と机を叩く。

「とにかく何かやんなきゃこの部活は潰れるし、そしたらアタシもお前もこうして本を読む場所がなくなっちまう。そうだろ?」


この本棚を持って帰るわけにもいかないしよ、と壁の一面に並べられた本棚を指さす。本の詰まった本棚には文庫本からハードカバー、果ては学術書のようなものまで並んでおり、なるほどこれを持って帰るのは不可能なように思われた。


「まあとりあえず、ネタ探しから始めようぜ」

「……はい」


渋々ながら了承する。それ以外に方法が思いつかないのだから仕方がない。


これが高一の夏のこと。まだ私たちが平和だった頃。

彼女と過ごした一年間を、私は決して忘れないだろう――――


――――


「なあ、」

夢中になって本を読んでいると、背後から声が投げかけられた。

それが、彼女との始まりだった。


「ひゃ、ひゃいっ!?」

文字に没頭していたため声をかけられるまでその人物の接近に気付けなかった私は肩をビクつかせ、酷く間抜けな声をあげて振り向いた。


以下、カナとの交流やカナが病弱である伏線を書きながら本作りの話に入る?

カナの病弱が「忘れられない思い出」になっていくことに関係あるのなら、

「主人公から見たカナの変化(弱っていく所、弱っていく所を隠す所、弱っている所を吐露する所)を追っていく。

その過程で、主人公もカナに自分の弱い所(中学の時は明るかったけど今は、とか)を吐露していく。
主人公の名字も過去も後回しにしてカナとの交流の中で開示していく。

私ならそういう順番にします。

ひとつの意見として参考になれば。

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