(青い花C)
【色捏造、CPあり】
「随分小さくなったな。」
友の墓を見下ろしながら、リヴァーレが呟く。
「生憎、供物はこれくらいしか思いつかなかった。たまには嗜むのも悪くないぞ?」
近くで購入したそれなりの酒の栓を抜き、墓の上からひっくり返す。墓石を濡らした後、軽く手を合わせた。
「また来ると思うぞ。いつになるかは分からんが。」
そう言って踵を翻そうとした時、懐かしい顔が見えた。
この世界では珍しい褐色の肌、真っ赤な瞳、装飾の少ない白いワンピースを着た少女が花束を持っている。ただ一つ記憶と違うのは、銀ではなく金の髪をしていることだ。
「お前、トートか?」
「おじさん誰?おばあちゃんのこと知ってるの?」
「知っているが、ちょっと待て。おば…は?アイツ子どもいたのか?相手は誰だ?」
「クヴァールおじいちゃん!」
「待て待て待て待て待て、そうか、そうか…やったなあの女…!」
「何をやったって?」
あの頃とは少し違う、それでもどこか聞き馴染みのある声がした。思わず声がする方に目をやる。目の前の少女とよく似た、しかし纏う雰囲気が違う女がそこにいた。言いたいことはいろいろあったが、最初に飛び出した一言は
「面倒臭聖女が研究馬鹿とよく成就まで持ち込んだな?」
だった。
「だって、クヴァちゃんずっと研究ばっかりで私のこと意識すらしないんだもん。もうとっくに振り切れちゃった。」
「そうか、“あの男”でもこの未来は読めなかっただろうな。お前がそこまで若作りしていることも…。」
「呪われたいんだね?」
「口が滑った、すまん。」
(青い花C)