闇の夢と冬の柑橘
モテパニ作者ダークドリーム「ふわぁ〜〜」
季節は秋を過ぎたように寒くなり、品田家ではこたつをだしてダークドリームは初めてのこたつにこもりのどかの口癖のような声を上げていた。
拓海「急に寒くなったな」
そこに拓海がなにか持ってやってくる。
ダークドリーム「なにもってきたの〜?」
拓海「みかん。食べるか?」
ダークドリーム「たべる〜」
拓海はダークドリームの伸ばした手の上にみかんを置いてやった。
ダークドリーム「うまうま」
拓海「だらけきってるなー」
ダークドリーム「ん?拓海、たべないの?」
拓海「ん?食べるぞ?どうしてだ?」
ダークドリーム「だってさっきからみかんいじってばっかりだし」
ダークドリームの言う通り拓海は皮を剥いたみかんの身を先程から口に入れてない。
拓海「筋を取ってから食べようとしてるんだよ」
ダークドリーム「筋?ひょっとしてこの白いとこ?」
拓海「ああ」
ダークドリーム「…ここひょっとして食べちゃだめだったの?」
拓海「いや別にいいぞ。俺が取ってるのはただの遊びだよ。ほれ」
拓海が筋をおおかた取り切ったみかんの身を見せてくる。
筋が付いている姿とはまた違うその姿は謎の憧れが生じた。
ダークドリーム「私もやる」
拓海「おー上手くいくか?」
ダークドリーム「見てなさい」
ダークドリームは意気揚々と筋を剥きにかかる。
しかし。
ダークドリーム「きゃっ!」
拓海「あーあー」
爪が引っかかり果汁が顔にかかってしまう。
拓海は見かねてこたつの上にあるウェットティッシュで顔を拭いてやった。
拓海「それやってみようと思うと意外とむずいからな」
ダークドリーム「ふん!こんなの剥けなくたって」
失敗に気が立ったダークドリームはみかんをまとめて口に入れる。
ダークドリーム「むぐっ!」
拓海「どうした?」
ダークドリーム「なんか…固いのがあった…なにこれ…?」
拓海「たぶん種が混ざってたんだな。種ありと種無しけっこうランダムだからな」
ダークドリーム「そんなの習ってないよ〜…」
いろいろと上手くいかないダークドリーム。
まあその後は何事もなくみかんを食していく。
拓海「やっぱ冬はみかんだな」
ダークドリーム「なんで冬はみかんなの?」
拓海「んー確か柑橘類のビタミンCとかクエン酸が風邪の予防にいいんだって」
ダークドリーム「柑橘類…そういえばレモンも柑橘類だっけ?」
拓海「ああそうだぞ」
ダークドリーム「じゃあお願いがあるの。レモネード飲んでみたい」
〜〜〜
数分後。
拓海「ほい。寒いからホットレモネードにしてみた」
ダークドリーム「すぐ飲めるんだ…明日まで待つと思ってた」
拓海「レモネードなんて砂糖やガムシロを水に溶かしてレモン果汁入れるだけだからな。ホットならお湯だけど」
そう言ってレモネードの入ったマグカップをダークドリームの前に置く拓海。
ついでに自分の分も作ってきたので飲む事にした。
ダークドリーム「はぁ〜これがはじけるレモンの香り…」
拓海「なんだそれ?」
ダークドリーム「キュアレモネードの口上」
拓海「キュアレモネード、そんなプリキュアがいたのか」
ダークドリーム「拓海も会った事あるでしょ?うらら」
拓海「うらら…あー夢原の友達の。夢原たちはプリキュアなの知ってるけど、変身したとこ見たこと無いからプリキュアの名前知らなかったんだよな。しかしレモネードなんて名前もあるんだな、まあ芙羽とかもスパイシーだしな」
ダークドリーム「ていうかプリキュアの名前って誰が決めてるの?」
拓海「ゆいたちに聞いたら初めて変身した時名前が思い浮かぶんだって。ゆりや花咲たちは自分で決めたらしいけど」
ダークドリーム「プリキュアによって違うんだ」
あったまりながらそんな他愛ない話をしていく二人であった。