闇の夢と七草粥
モテパニ作者ダークドリーム「お粥が食べたい!」
年が明けて少し経った品田家にて、朝起きてきたダークドリームからそんな言葉が出てきた。
拓海「急になにを…いやそうか、今日は一月七日か」
この日は人日の節句。
由来は小難しいので説明を省くが、お正月でおせちやお雑煮など味の濃いものを食べて疲れた胃を労るために七草を使ったお粥を食べる日である。
ダークドリーム「え?今日食べる日なの?」
拓海「ん?知ってたから言ったんじゃないのか?」
ダークドリーム「いやなんか今朝夢で食べたから…」
拓海「なんだそのお告げ…」
ダークドリーム「へんな夢見るのに関しては拓海に言われたく無いけど。姉の夢まだ見てるんでしょ?」
拓海「まあそうだが…」
〜〜〜
カイゼリン「くしゅんっ!」
スキアヘッド「冷えましたかカイゼリン様?スカイランドへの侵攻までまだ時間があります。もう少し暖かくされてみては?」
カイゼリン「無用だ。寒気がしたわけではない」
カイゼリンは薄着のままそんなことを言った。
〜〜〜
それから昼過ぎに拓海とダークドリームは湊の青果店へ買い物に来ていた。
湊「おっ!拓海!リムちゃん!明けましておめでとう!今日はなにが欲しいんだ?」
拓海「明けましておめでとうございます湊さん。七草ありますか?」
湊「もちろん!ほらよ」
湊が七草を取り出してくれて無事七草を購入した拓海たち。
ダークドリーム「ところで七草ってなんなの?」
拓海「昔決められたらしい七種類の植物だ。芹、薺、御形、繁縷、仏の座、菘、蘿蔔。これぞ春の七草」
ダークドリーム「どれも聞いたことない…」
拓海「今は七草でしか使われてない呼び方みたいだからな。菘はカブで蘿蔔は大根だぞ。」
ダークドリーム「え、そうなの?」
拓海「ま、今はそれが使われてるけど昔からそうだったかは諸説あるみたいだけどな」
そんな風に七草の話をしながら二人は帰るのだった。
〜〜〜
その後拓海とダークドリームはいい時間に夕食の準備を始めた。
ダークドリーム「ねえ、私からリクエストしといて言うのもなんだけど、夕飯がお粥だけって寂しくない?」
拓海「まあ夕飯はあんまり食べない方が正解っていうけど、確かにこれだけじゃ寂しいな。つっても肉とかじゃ台無しだし…卵焼きでも作るか?」
ダークドリーム「やった!」
これものぞみの影響か、ダークドリームは卵焼きが好物である。
卵焼きの提案を聞いてダークドリームはあるものを持ってくる。
ダークドリーム「はい卵割り機」
拓海「好きだなーそれ」
ダークドリーム「だってせっかく貰ったんだし」
去年の誕生日にさあやから貰ったプレゼントである卵割り機をダークドリームはとても気に入っていた。
こうして機会があれば小走りで持ってくる。
拓海「よしっ、母さんが帰ってくる前に作っちまうか」
ダークドリーム「おー」
二人はその後七草粥と卵焼きを作り、帰ってきたあんを含めて三人で食べるのだった。