【閲覧注意】ハイバニア勝利if〜オニキスくん凌辱を添えて〜
もうすぐ日付が変わる夜の遅く。外を出歩く人間はほとんどおらず、家の灯りがぽつぽつと消えていくそんな時間に、小気味良くハイヒールの音を鳴らしながら歩く一人の女がいた。
女の名はハイバニア。帝国所属の軍人であり、階級は少佐。こんな時間まで仕事をしていれば機嫌も悪くなりそうなものだが、今日は何か良いことがあったのかその足取りは軽く、顔には隠しきれない笑みが溢れていた。
帝国の中心地から少し離れた高級住宅街。一人で住むにはあまりにも大きな豪邸の門を通り、玄関の扉を開く。
「たっだいま〜♡」
「…お、おかえりなさいませ、ご主人様…」
ハイバニアの視線の先には、三つ指をついて土下座をしながらご主人様を迎えるメイドがいた。
「ちゃんとご主人様の到着を待ってたわね。メイドとしての自覚が出てきたみたいで私も嬉しいわ。まだ挨拶はぎこちないけど、ね」
「……っ」
「あら、何か言いたいことでもあるのかしら?」
そう言いながら、ハイバニアはメイドの目の前に立つと、顎を掴んで無理矢理に顔を上げさせる。
「むぐっ…」
「髪もずいぶん伸びて、お化粧も上手になったわねぇ?かわいい獣畜生の“小娘”のオニキスちゃん?」
「おっ…俺は…」
「“俺”?」
「わっ…“私”はっ…男だっ……ですっ…」
「…そうよねえ、あなたは男だったわね。…そんな格好で男、ねえ…ププッ」
ハイバニアは嘲笑しながら目の前のメイドの姿を舐め回すように見つめる。
頭にはレースがついたカチューシャ。上半身の部分こそエプロンがあしらわれたスタンダードなメイド服だが、下半身は膝上まで丈を詰められたミニスカート。
太ももまで伸びた白のサイハイソックスを履き、ガーターベルトまでつけていた。
メイド服のそこかしこには宝石が彩られており、メイドとして働かせる気は無いということは目に見えて明らかだ。
そして背中の中心辺りまで伸びた髪に、雌であることをわざとらしく主張するような濃い化粧。
それはメイドというよりは、まるで娼婦のコスプレのような───そんな格好をさせられている男は、人間ではなかった。
名前はオニキス。姿形こそ人間に近いが、獣のような耳を持つ異種族であるクオンツ族の少年。
ひっそりと隠れ里で暮らしていたクオンツ族は帝国軍によって襲撃され、一人残らず身柄を拘束・回収された。
オニキスの身柄は功績としてハイバニア個人に預けられ、それからは彼女の嗜虐心を満たすためのおもちゃとしてひたすらに弄ばれ、凌辱の限りを尽くされた。長く伸びたオニキスの髪の長さが、身柄を拘束されてからの期間を物語っている。
「嫌ならここから出ていってもいいのよ?別にあなたに監視をつけてるわけでもないし、家に鍵がかかってるわけでもない。あなたは逃げ出そうと思えばいつでも逃げ出せるんだから。」
「そんなこと、出来るわけね…ないじゃないですかっ…!」
「ふふ…そうよねえ?なにせ、あなたにクオンツ族の未来が賭かってるんだからねえ?あなたが私に従順な奴隷でいる限りは、他のクオンツ族の奴らの身柄は保証するわ」
「……本当に、みんなは無事なんだな?」
「…仲間の話となるとすぐ雄が出るのは悪い癖ね。ご主人様を疑うなんて、獣畜生のくせにいい根性してるわ…ほら、獣らしくご主人様に尻尾を振りなさい!」
そう言いながら、オニキスの肩を掴み後ろを向かせると、スカートからはみ出した“尻尾”の生えた臀部を膝で蹴り上げた。
「!!?…っ!!!…!!お゛っ…?♡」
突然の不意打ちに、声にならない声をあげるオニキス。生まれたての子鹿のように足をガクガクと震わせ、今にも倒れ込みそうになる。
「尻尾を落としたら罰を与えるわよ!!ほら、しっかり立ちなさい!」
「ゔ、うゔ〜っ…♡」
「穴」に刺さった尻尾を落とさないように懸命に堪えるオニキス。涙と涎が自然と溢れ出し、整えた化粧が崩れていくのを気にする余裕すら無かった。
「あら、よく耐えたわね。これも私の調教の賜物かしら?…どう?気持ち良かった?」
「そ、そんなこと無い…です」
「おっ勃てといてそんなセリフ吐けるなんて立派ねえ。ま、スカートも押し上げられない粗末なモノだけど」
「うっ…」
「相変わらず良い反応するわねえ。あ、そうだ。肝心なことを忘れてたわ。はい、これプレゼント。開けてみて?」
ハイバニアは無造作に懐から箱を取り出し、オニキスに放り投げた。
未だに熱が収まらない体で投げられた箱を受け取り、中身を確認する。そこには、綺麗な宝石で作られたネックレスが入っていた。
「あの、これは…?」
「綺麗でしょう?あなたのために作ったネックレスよ。大事にしなさいねえ?」
困惑するオニキスをよそに、家の中へ歩みを進めるハイバニア。
「あ、そうそう。それと明日は私の部下の男たちの相手をしてもらうから。」
「えっ…」
オニキスの方を見ることなく、さらっと要件を伝えるハイバニア。その言葉を聞き、崩れた化粧でドロドロになったオニキスの顔が青ざめる。
「せっかくだし、明日はそのネックレスをつけてきなさい?前にあげたドレスと合わせたらよーく似合うと思うわよ?」
それはつまり、ネックレスをつけ、ドレスを着て部下たちの相手をしろということ。
「しばらく遠方の任務についてて色々溜まってるみたいだから、ちゃーんと教えてあげた通りにすっきりさせてあげてねえ?」
「う…」
「それじゃあ私はお風呂に入ってから寝るわ。明日に備えて、あなたも早く休みなさい?」
「……はい…お休みなさい…」
そう答える彼の声は震えていた。それは憤りによるものか、それとも絶望感によるものなのか、はたまた別の感情によるものなのか。それは、彼にしか分からないことだった。
色とりどりの宝石に囲まれた部屋。その中心でコレクションに囲まれながら、高級な酒を片手にバスローブ姿のハイバニアは独りごちる。
「くくっ…あの子もバカねぇ…クオンツ族なんて、一人も生きて返すわけがないじゃない」
オニキスが己が身を犠牲にして守ろうとしているクオンツ族は、今や彼しか残っていなかった。クオンツ族の隠れ里を襲撃し、全ての生き残りを捉え、帝国の研究所で人体実験をしながら片っ端から宝石に変えていった。
彼が震える手で握りしめていたネックレスも、彼の同胞の体から作られた宝石を加工したもの。
オニキスだけを生き残らせて奴隷にしたのは、半分は趣味でもう半分は実験のため。
クオンツ族により深いダメージを与えると体が宝石化した時により美しいものとなる。
ならば身体へのダメージではなく、精神へダメージを与えた時はどうなるのか?
いつか、クオンツ族の皆を助け出し、隠れ里で静かに暮らしていく。そんなことを心の支えにしている彼に真実を伝えた時、どのような反応をするだろうか。そして、そんな彼が宝石になった時どれほど素晴らしい輝きを放つだろうか。
「うふ、うふふふ…♡」
部屋に飾られた一際大きな宝石をいつものように愛でる彼女。これは、かつて族長と呼ばれていたクオンツ族の女の成れの果て。そういえば、この女はなんて名前だったか───。
そんなことを考えながら、いつかこれよりも美しい輝きを放つ宝石を手に入れる未来を想像し、彼女は一人部屋で嗤い続けていた。