【閲覧注意】 戸神ちゃんと氷雨っちがメイドコスで百合百合
釣瓶落としに秋の日は落ちて。
夜の帳が降りた校舎には、祭りの後の余熱と寂寥感、そして濃厚な青春の香が満ちていた。
手を取り合って踊る少年と少女たちを、キャンプファイヤーの仄明かりが幻想的に照らし出している。
スピーカーから流れるマイムマイムを、遠く聞きながら。
戸神と氷雨は、外れにある教室に二人きりでいた。人が来そうもない部屋を選び、念のため結界も張っている。準備は万全であり、万全以上のシチュエーションであった。
「んっ・・戸神・・」
「・・っ・・っ・・」
自分より十センチは背が高い戸神を教卓に押しつけ、氷雨は爪先立ちになって、その唇に唇を重ねていた。
二人とも、飛び入りで手伝ったメイドカフェの衣装のままである。学校の文化祭の出し物で着るには、いささか大胆過ぎるデザインのメイド服だ。
互いの腰に両手を回し、ひしと抱き合う二人の胸は、大きく露出している。戸神の透き通るような白と、氷雨の陽光を吸い込んだような褐色。対照的な色をした二人の肌が、ぴたりと溶け合うようにくっつきあっているのが、そこから覗けていた。
いや、メイド服のデザイン自体は、こうなる想定ではないのだ。二人の発育があまりにも良すぎ、豊満すぎるがために、ふくらみの上部まで布地が足りないだけである。
「ちゅっ・・んっ、ちゅ、んちゅっ・・はぁ。戸神、戸神ぃ・・」
「むっ、んむぅ・・ちゅ、ちゅぅ・・ふぅ・・」『・・氷雨、っちぃ・・』
何の変哲もない木の教壇が、今この瞬間、非現実的なまでの至高のステージとなっていた。
戸神と氷雨。
長い黒髪と、短い白髪。ミルク色の肌と、コーヒー色の肌。
正反対なまでに対照的な、二人の美少女が交わす口づけ。
積極的なのは、氷雨の方である。ここへ誘ったのも、始めたのも、彼女の方からだ。戸神の口の中に、自らの舌を挿し入れて、そのすべてを味わい尽くそうとするかのように、縦横に這わせている。
唇の裏側や、歯の一本一本、頬の内側の粘膜、上下の口蓋。自らの舌が触れていないところ、唾液が塗されていないところ、味を知らないところ。そんな場所がほんのわずかでもあってはいけないと信じているかのように丹念に、執拗なまでに舌を伸ばす。
「んっ・・戸神ぃ・・」
「はっ、ぁ・・」『氷雨っち・・』
集中するあまり、酸素が足りなくなり、渋々息継ぎのために少しだけ唇が離れれば、漏れるのは互いの名前ばかりである。
「はぁ、はぁ・・っ・・! 戸神っ・・!」
「んんっ!? んむぅ・・!」
明らかに、昂りを増し続けていた氷雨が、ついに一つの堰が切れたのだろう。息継ぎもそこそこに、噛みつくようにして戸神の唇にむしゃぶりつき、荒々しく舌を挿し込んで、戸神の舌へと絡める。技術も作法も、相手との呼吸もなく、とにかく遮二無二絡めて、舐めて、むしゃぶりついて、吸いまくる。必死で分泌させた唾液を、戸神の舌に塗り込み、口内に注いで、息まで吹き込んで促し、呑み込ませた。逆に、戸神の唾を懸命に探し集めて、味わい、啜り、呑み込む。
体液の交換。自分の体の中のものが、相手の体の中に入ること。相手の体の中のものが、自分の体の中に入ること。特別な感情がなければ、極めて不快で悍ましい行為に、氷雨は無上の喜びを覚える。その事実に、また恍惚となる。
「じゅっ、んじゅっ、じゅっ・・! じゅっ、ちゅっ、んむ、れろれろぉ・・じゅぽぽっ! じゅぽっ! じゅるじゅるぅっ! んむっ、んぽっ、ちゅぅぅ・・ぷはぁっ!」
たっぷり十分は続けられただろうか。ようやく結合が解かれた時、二人の口の周りは、混ざり合った互いの唾液でべとべとに濡れていた。顎から伝って喉まで濡らし、露出した胸の谷間にまで落ちている。激しく舌を絡め、貪り合ったために、跳ねた滴で鼻先にさえ届いていた。
「戸神っ、戸神ぃ・・! メイド服、可愛すぎるってぇ・・! ヤバかった、もうっ、早く、こうした過ぎてぇ・・! 最後の方、絶対我慢できなくて襲いかかっちゃうから、戸神の方見れなかったもんっ・・!」
とりあえず憎まれ口を叩く癖のために、飛び入りの際には「センスなさすぎ」と腐した衣装であるが、本心では可愛いと思っていたのだ。自分が着るのも浮き浮きしたし、それ以上に、戸神が着た姿が、もう堪らなかった。可愛すぎる。それに、あまりにもエッチだ、と。
「はぁ、はぁ、はぁ・・」
『ひ、氷雨っちぃ・・じょ、情熱的ぃ・・! と、戸神ちゃんも、メイド氷雨っち、可愛すぎて・・ご主人様になりたすぎたよぉ・・!』
「おおっ・・! 戸神ご主人様に、メイドとして仕えて、ご奉仕、かぁ・・それも、いい・・! 良すぎっ! ああ、でも、やっぱメイドTを傅かせたいっ、ご奉仕して貰いたいぃ・・!」
『っ・・「戸神ちゃんメイド、氷雨っち様にご奉仕ご奉仕ぃ♪」かぁ・・それも、イイ><b うう、でもやっぱ、氷雨っちメイド、略して氷雨イドにご奉仕されるのも捨て難いぜぇ・・!』
「ぷっ、あはは! じゃあ、どっちもメイドだけど、どっちもご主人様で、お互いにご奉仕しあおっか?」
『おおー!? 氷雨っち、名☆案~~~♪』
監視対象と、その監視役兼教育係。けれどその前に、二人は同じ年頃の、同じ累による痛みを負った少女同士である。親しく付き合ううちに、女同士でありながらも、いやあるいは女同士だからこその、特別な感情を向け合うようになっていた。
「んっ、はぁぁ・・戸神・・胸、脱がすよ・・!」
「っ・・!」『ひ、氷雨っちのも、見せてくれよなっ・・?』
「うん。もちろん・・脱がして。戸神・・」
二人は名残惜しさを堪えて抱擁を緩め、少し離れる。見やすい距離へ。それから一緒に、両手を相手の腰から、胸へと。
「戸神・・」
『氷雨っち・・』
名前を呼び合い、見つめ合い、頷き合い。気持ちを確かめ合って息を揃え、タイミングを合わせて、ふくらみを覆う縦縞入りの白布をそっと、しかし一息に、摺り下げた。
ぽろん、どころではない。ばるるんっ、という音が確かに聞こえる勢いで、戸神と氷雨、二人の乳房、二対四個の肉果が揺れ踊りながらまろび出た。
...To be Continued?