最強曇らせドスケベ尊厳破壊モブ棘

最強曇らせドスケベ尊厳破壊モブ棘


廃工場の倉庫に人知れず降ろされた帳の中、呪詛師の男は地面に横たわる少年を見下ろす。

「憂太くん、来なかったね」


横たわる少年ーー狗巻が男の言葉に返事をする事はなかった。そのことに気を悪くしたのか、男は狗巻の腹を足で小突く。腹を押され咳き込んだ狗巻の口からは、少量の血と男が残した白濁液が吐き出される。


一言で言えば、男は狗巻を犯した。縛り、殴り、手酷く、徹底的に犯した。はだけた制服の隙間から見える痣と体液が、嫌という程それを肯定している。

当の男は、ひゅうひゅうと浅い呼吸を繰り返す狗巻に手を伸ばす。

「ぁぐっ⋯」

男は狗巻の前髪を力任せに掴んで引き上げると、痛みに声を漏らす狗巻の前にスマホを出す。


『ゆ゛、ゆうた゛ッ⋯♡!た゛すけ、たすけて゛ッ⋯♡♡!!』


狗巻は全身から血の気が消えるのを感じた。画面の中には、男に腰を打ち付けられながら泣き喚き、無様にも友人の名前を叫ぶ自分が映っている。

「取り乱してる狗巻くんも可愛いね。でも自分からも腰振ってたよ?気づいてなかった?」

小馬鹿にするように鼻を鳴らす男の挑発も耳に入らないほどに、狗巻は画面に映る自分の醜態に釘付けになっていた。微動だにできず呆けるその様子を、男は熱の篭った視線で見つめる。だが狗巻にそれを知る由はない。


「気づいてる?このスマホ狗巻くんのなんだ。ダメだよ〜?ちゃんとパスコード設定しとかなきゃ」

男は一度スマホを手元に戻し、少し操作してから再び見せる。そこには、『新規メッセージ』の文字と先程の動画、宛先には見知った名前が並んでいた。何をしようとしているかは誰が見ても明確だ。朦朧とした意識から一気に現実に引き戻された狗巻は、痛む喉に鞭を打ち叫ぶ。


「や゛めろッ゛!!」

「禪院家の娘とパンダの呪骸。あと例の憂太くんだね」

酷使しきった喉と底を尽きかけている呪力から放たれる呪言は、男の呪力でいとも容易くガードされてしまう。しかし両腕を拘束され、ろくな身動きもとれない狗巻は術式に頼るほかなかった。

「それから五条と日下部。やっぱり教師は外せないよね〜」

「と゛まっ、ゲホッ⋯!止まれ⋯ッ!」

「どうする?後輩にも送っとく?」

「やめろ゛⋯っ⋯消せッ゛!!」

親しい人の名前を呼ばれる度に狗巻の頭には最悪の結果が流れ込む。


憂太が、真希が、パンダが、皆がこれを見てしまったらどうなる。

優しい友人たちの事だ、軽蔑なんてしないだろう。

きっと普段通りに接してくれる。

しかし敵対する男に抱かれ、泣き喚き、善がり、情けなく助けを求める様を見られた側としては、普段通りになんて事は到底出来ない。

もう二度と元の関係には戻れない。

それは、それだけは、嫌だ。


「⋯⋯⋯ん?どうしたの狗巻くん?」

「や⋯めて⋯⋯やめ、て⋯⋯おぐ、送らない、でっ⋯⋯⋯⋯」

狗巻は男の足元まで這いずり、ぐずぐずと震える声で懇願する。今更この男にどんな痴態を晒そうと、どうでもよかった。今の狗巻にとって、友人との変わらぬ関係と平穏な日々を守ること以上に大切なものはない。

「狗巻くん⋯⋯⋯⋯⋯」

男はスマホを操作する手を止め、屈んで狗巻に目線を合わせる。頬に触れる男の手に、狗巻は媚びるように擦り寄る。

「ごめんね」

狗巻の頬を撫でながら男はスマホを見せる。


「⋯⋯⋯ぁ⋯」


17年という長く、短い人生の全てを壊す『送信完了』の4文字が、狗巻の目の前を真っ暗にする。

見開かれた目から涙が溢れる様に男は高揚し、口元を歪める。

狗巻はじわじわと遠のく意識に身を任せ、考える事を止めた。仄暗い倉庫の中で反響する男の笑い声も、動画の中で喘ぐ自分の声も、大事な人達の顔も、近くに感じた誰かの呪力も、全てを無視して瞼を閉じた。















「泣かないでよ、狗巻くん。俺がちゃんと⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯あ?」

「なんで⋯⋯⋯⋯⋯帳が上がっ――」

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