邂逅 2
作:モウヤメルンダッ!!/アスラン・ヅラの人リオが『結晶』を入手し、黒服に接触した場合に起こるイベント。
黒服「・・・ほう。まさか本当に持ってきてしまうとは。」
ソファに座るリオと、結晶を交互に見つめながら、黒服は少し嬉しそうに語る。
リオ「トキ。下がってちょうだい」
トキ「イエス、マム」
そう言うとトキは台車を置いて去っていった。
トキが去ったのを確認して、黒服は立ち上がり、台車に近づく。
黒服「・・・ふむ。・・・なるほど。確かに本物の結晶だ。・・・・素晴らしい」
心なしか声がうわずっている。
よほど嬉しいのだろうか。
すると、黒服からあの音が出てくる。
不快音の後、今度は奇怪な音が聞こえてくる。
まるで人形が無理やり歩いているような、木が擦れる音。
マエストロ「・・・・・・」
リオ「!?」
木の人形の出現に驚く。
ゲマトリアには異形の怪物しかいないのか。
結晶を黒服と同じように覗き込むと、リオの方を向く。
マエストロ「・・・感謝する。・・・このような光り輝く素材は初めてだ・・・・!我が生涯のうちにこのような素材に出会えてよかった・・・・。これでさらに高度な作品を作れるぞ・・・」
声を震わせて喜ぶと、マエストロは謎の袋に結晶をしまい、軋む音と共に去っていった。
黒服はそれを見届けると席に戻る。
黒服「今のがマエストロです。なかなか印象深いお方でしょう?・・・・さて、こんないいものを受け取った我々も、貴女に対価をお渡しせねば。」
黒服はアタッシュケースを3つ机の上に置く。
黒服「左のものは広域ヘイロー破壊爆弾の設計図です。効果範囲は半径30kmほどでしょうか。モノがモノなので弾道ミサイルでの発射をお勧めします。次に中央のものは『特別爆弾』のもとです。マエストロに頑張ってスポーンエッグ状にしてもらいました。これを投げれば発射台と共に『特別爆弾』を載せた巡航ミサイルが出てきます。・・・特別爆弾の説明は長すぎるのでトリセツを置いてあります。無名の司祭由来なので、残念ながら設計図を作るには至りませんでしたが・・・」
そう言って咳払いをすると、右のアタッシュケースを指差す
黒服「こちらは『名もなき神々の王女』のミメシス。そのもとです。こちらもマエストロに頑張ってもらいました。・・・他に比べ軍事的即戦力になるかはともかく、ロボット工学を専攻なさるあなたにとって、これはかなり気になるモノだと思いますが。」
さあ、どれを選ぶ?と聞くように手を広げる黒服。
リオ(・・・特別爆弾は量産性に乏しくて、戦う時に不利ね。王女のミメシスは悪くないけれど、アリスを増やして、盗まれたら一大事よ。アレをホシノが悪用しかねない)
そう考えたリオは1番左を指した。
黒服「ほう。オーソドックスな選択を。この兵器なら『戦後』を見据えるに当たってもいい抑止力になるでしょうねぇ。」
黒服はクツクツとした笑みを浮かべながら、指定されたアタッシュケースをリオの手に持たせた。