運動会〜アイが参加した年〜 開会式前

運動会〜アイが参加した年〜 開会式前


今日はアクアとルビーの通う小学校で運動会の日。

昨年に引き続き、前日までワクワクドキドキしていた愛娘のルビー。昨年に引き続きテキパキ準備していた愛息子のアクア。

そんな2人は元気いっぱいに登校済。

そして

「ヒカル!ヒカル!早く出ようよ!!運動会始まるよ!」

「アイ。まだ2時間あるからね?落ちついて朝ごはん食べようよ。僕の自信作だし」

1週間ずっとカレンダー見ては落ち着かない、我が妻にして大黒柱のアイ。

今年はきちんとスケジュール調整した結果、今日と明日はオフに出来た。

子ども達の晴れ姿を見れるのが本当に嬉しい様だ。オフが確定した日からルビーと2人でカレンダーを1日ずつ、ばつ印つけてニコニコしていた。

ちなみに今朝の朝食はフレンチトースト、カボチャのポタージュだ。

アイが美味しいと言ってくれたので昨晩から仕込んで早起きして作り上げた、中々の出来栄えの得意料理である。

「あ、うん。いただきます。」

「いただきます。」

アイは前日の映画の収録で夜が遅かったのでゆっくり寝むって疲れを癒して欲しかったので子ども達とは時間をずらしての朝食を取ってもらった。当人はいつも通り一緒に食べたかったみたいで少しむくれていたが。

一緒に食べるのも好きだが、食べている様子を見るのも好きだ。僕の料理で笑顔になってくれているとなお良い。誰かが喜んでいると自分という人間の価値に重みを感じられるから。

「…?ヒカル、何ニコニコしているの?」

「ん?君が美味しそうに食べてくれるから」

「ヒカルの作ってくれるご飯は美味しいし怖がる必要ないからね、安心して食べられるから」ペカーという効果音が似合うような笑顔で嬉しくなる。

「…じゃなかった!早く食べて準備しないと駄目なんだった!!」

「ははは、アイ。時間はまだあるし、ゆっくり準備しても大丈夫だよ。去年参加したから力の入れるところ、抜くところ分かるから僕に任せて。」

最初から最後まで居る必要は無いものだし。

「私は去年行けてないから出来るだけ色々観たいの!ヒカルなら分かると思うけど運動会自体思い出らしい思い出が無いから上書きしたいし!!」

「…なるほど、それなら準備早めようか。 ごめんね、気付かなくて。」

「いいよ、そんな気にしなくて。私自身きちんとヒカルに言ってなかったし。

…あ、ヒカル。新しい変装グッズなんだけど金髪のウィッグどうかな?

ヒカルのお姉さんみたいに見えない?」

「良いね!普通にルビーの姉に見えるよ

…表向きのお母さんであるミヤコさんとの血の繋がり賀薄くなったけど」

多分、アイ(変装)、僕、アクア、ルビーが並ぶとよく似た兄妹になるけど、ミヤコさん入れると顔立ちが違うから関係が怪しくなりそうだ。

「まあミヤコさん来る時は私がウィッグをミヤコさんに合わしたりしたら良くない?もしくはサングラスや帽子で誤魔化したり」

「そうだね、その時が来たらミヤコさんや社長に相談しようか」

そんなこと言いながら僕はいつも通りの外出着に、アイはウィッグとメガネで誤魔化して家を出た。

お昼はアイと一緒に学校付近を散策して食事をとることにしている。

…せっかくだからアイにも食べて欲しい店がいくつかあるし。

「ヒカルヒカル!早く早く!!」

「はいはい、鍵ヨシ、ガスの元栓よし、…カメラ、スタンド、iPhoneよし、行こうか」

「いってきまーす!」

「行ってきます」

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