遁逃・落魄 弐

遁逃・落魄 弐





『何をしているのですか??貴方に一体、何が起こっているのですか?』



――うるさいなぁ……


――どうやっておれのあたまにはいってくる?



『貴方は恐れなのです。人の恐れる死、その向こうの存在』



――……



『……真人、貴方は私達の希望なのです。私の、漏瑚の、陀艮の、覚えていますか?だから……』




――あハハっ


――……だからオマエだれだよ?




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「んっ…ぐっ…ぶっ…♡れろれろっ♡♡……きもちィ?」



いつもの廃屋の一室、生活のため最小限整えられた殺風景な部屋。

床にぺたりと膝をつき、虎杖の衣類を引きずり下ろし一物を引っ張り出す。アハっ♡と甘えた笑みを零しぺちぺちと自分の顔にビンタさせたり鈴口に息を吹きかけたり好き勝手に刺激を加えるとすぐに怒張が起きる。両手で腰をしっかり掴むと真人は口をぬぱぁと広げ、わざとらしく水音を立て舌をまんべんなく這わせて口淫を始めた。

真人は嬉しかった。低級呪霊に組み伏せられ産卵され快楽に屈服させられた自分を主人であるこの呪術師が許すはずもなく、痛みを伴う躾がされると思っていた。

虎杖は何もせず、食べられそうなところを助け出しそのまま連れ帰ってくれたのだ。


俺は牝奴隷だ。だから術式はこいつとの縛りで制御化に置かれている。

行使が許されるのは身体の回復・多様な行為に耐えるための身体改造等のみ。

牝奴隷としてそこに一切異論はなかった。


廃ビルは翼鰓呪霊の巣と化していた。残穢も残っていた。呪術師であれば即座に1級以上と感じられるほどの力を持つ呪霊の坩堝だった。

かつての真人であれば敵にすらならない。もっとも仲間同士なため戦闘にすらなりえない。のだが。

遥かに弱体化し、人間の呪術師に屈服し、身も心も奴隷となった今や全く状況は異なってしまっていた。

もっとも逃げ出したのは自分の意思だった。…なぜそうしたのかは、何度考えても思い出せなかった。


頭の中には相変わらず謎の声が自分の名前を呼び続けている。

不愉快だった。ウザい。

狂うような快感で消し飛んでしまえばいい。



「ん♡♡ん~……っ、んっふっ、ふんぅっ、あっ、は~……っ♡♡チンポの匂い、やっばァ…♡」


鼻を擦り付け臭いを嗅いでわざと挑発的に見上げる。自分を見下ろす双眸に一切の表情の変化は見られない。

バカかこいつ?無反応を貫けるとでも思ってんの?♡

こ~んなにチンポをガチガチにしておいて説得力など無いも等しい。牝奴隷である自分が優位に立っていることに興奮し、つい嗜虐的な笑みが零れる。


「おっ♡、ふっぅ、ふぅっふうっふうっフウッ♡♡」


耐えられず片手で女性器を弄る。クリをとんとんと叩いて何度も引っ張り、膣口に一息に指を挿入しびちゃびちゃと掻き回す。

気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい気持ちいい気持ちいい気持ちいい……

…同時アクメ、しちゃおっか……出来るよね……♡


「しよ……っ♡んひひ……っ♡はっ、おまんこ、ほら、使わせてやるからっ♡♡♡」


我慢できない。ちょぽっと男性器から口を抜くとぼとぼとと大粒の涎が床に落ちて水たまりを作る。

虎杖の上体に手をやり、軽く押し倒し、跨ってやった。グロテスクに怒張しとろとろと先走る一物がするりと収まる。


「お゛…………っんぅぉぉぉおおぉおッお……♡♡♡」


一呼吸置いて快楽に貫かれる。

真人は片手を虎杖に置いたまま片手で乳房を弄り、充血し怒張した乳首をこねまわすと重心を下半身に移す。

自分の牝穴がしっかりと男性器を咥え込んでいる感覚をつかむと、目を閉じて快楽に集中し、


「くっうううんッ!♡はっ、っオ゛っ、ぉおっ、んっぐぅ、ふぅぅぅうううっ♡♡」


一心不乱に腰を打ち下ろす。

自分の腰が独立した生き物であるように小気味良く上下する。杭を打つように牝穴から快楽を一滴残らず受け、背がのけ反りながらも乳首を虐めるのが止められない。

虎杖も抵抗しないので押さえている方の片手で乳首を責めてやろうと思ったが滑り思うように見つからない。ま~いっか。今はただ…



「あ~~~♡♡♡イグっ、イッグいグっイグイグっおまんこイク゛゛っっッッ~~~~~♡いたどりぃいいいいッッッ♡♡♡」



意識が遠のいていく。本当の絶頂、牝奴隷である自分の真の姿との邂逅。

ちゅぱっちゅっぷちゅっと子宮が脈打ち吐き出された精をおいしく飲み干しているのを感じるとぞくぞくする喜びに体が震える。

これが呪いの本能。俺こそが呪い。

真人は心からの安堵に震え完璧に牝として生まれ変わった自分の身体に感謝を捧げた。子宮の中に生やした口を伸ばして精液をちゅぱちゅぱと吸い取りながら、本日何百回目になるかも分からない絶頂を迎えた。


微かに聞こえていた脳内の声は白く濁っていき、ついに意識の奥底へ沈んでいった。





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