轍の影の続きとして書いてたもの
UA2
※注意事項※
「よすが と えにし」系列と同軸です。時間軸は「ともなき」の後、旗揚げ組がifローさんと会う話。
(1)はペンギン視点。(2)はifローさん視点。(3)は正史ローさん視点を予定。
ペンギン達が船長を出し抜いてifローさんと会ったりしてますが、彼らは考えなしじゃないし、正史ローさんにも非があります。双方へのヘイト的な意味合いはない。
誤字脱字はお友達。
筆者が忙殺されてて筆折ってる状態なので多分これの前後書けない。
書きたかったよ〜!!!
*
「ローさん、俺らに隠してることない?」
「何もない」
「んなわけないでしょ」
「そうそう。ローさん、俺ら舐めすぎじゃない?」
「あ?」
「アンタの嘘くらい見抜けるよ。なぁ、ベポ」
「うん。ローさん俺達に嘘つく時、即答する癖あるよね」
バツの悪そうな顔をした船長が目を逸らす。
心当たりが有ろうと無かろうと律儀に記憶を復習(さら)って答えてくれる彼が、嘘をつくことはこれまでにも何度かあった。
つつかれたくないのだろうと気を遣って知らないふりをしていた俺らだが、ドレスローザやワノ国でのキャプテンを見て思ったのだ。
このままじゃ、また置いていかれる。足手纏いになる、と。
「アンタが俺たちのこと大切にしてるのはわかるし、格好付けたいのも理解してる。子分だからな。……でも、それでアンタに負担がかかったり潰れそうになるなら話は違う」
「別に、負担じゃねェ」
「じゃあ話してよ。あっちのキャプテンとローさんが抱えてるもの」
それでも無言を貫く船長にベポが抱きつく。
「ねぇ、ローさん。数日前からあんまり眠れてないのと関係あるんでしょ?」
「……」
「ローさん、イヤだろうから知らないふりしてたけど……怖がってる音、全部聞こえてたんだ」
ベポが震える声で心配だよオレ、と呟いた。
「ローさん、いいんですね?ベポ泣くよ?へそ曲げるよ?」
努めて明るい口調で冗談のように言っているが、シャチの声は地を這うように低かった。キャプテンを見つめる目も、本気の色を纏っている。こいつも俺と同じ気持ちなのだろう。
軽率であった自分への苛立ち、理由のわからない拒絶への不安。ローさんに当たるのは間違っているのは分かっているけど、何も話してくれない貴方にも悪いところはあるのだ。
「納得できる説明をください。でなきゃ、クルー全員にこのことを共有して、そのまま全面戦争も辞さないので」
「……」
「それでもよければ、そのままでどうぞ」
「………ハァ。わかった」